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  5. 韓国の高級マンションで音声認識率9割以上、住宅の機器操作に組み込んだAI|株式会社グレープシステムの導入事例

✓ やさしく事例解説
IT・通信
組み込み機器向けソフトウェアの開発・販売

実施 2023.07 ・ 更新 2026.08.15

韓国の高級マンションで音声認識率9割以上、住宅の機器操作に組み込んだAI

AIツール・サービス

※イメージ画像です

韓国の高級マンションで音声認識率9割以上、住宅の機器操作に組み込んだAI のプロジェクト概要図解

取り組み概要

やさしく事例解説

プロジェクト解析

実施・導入企業

こんな方へおすすめのAI解説です

  • 話しかけても機器がうまく反応しない
  • 反響やノイズで音声認識が不安定
  • 音声認識の準備に時間がかかりすぎる
OVERVIEW

どのようなAIの取り組み?

組み込み型の音声認識ソフトを既存の音声認識基板に載せ替え、反響の多い住戸内でも認識率9割以上を確保した音声AI取り組み

業種

組み込み機器・基板開発(IT・通信)

取り組み領域

住宅のホームオートメーション(音声による機器操作)

使ったAI

RECAIUS音声認識ミドルウェア ボイストリガー(音声AI)

主な成果

エコー・残響のある住戸でも認識率9割以上

韓国の高級マンションで音声認識率9割以上、住宅の機器操作に組み込んだAI のプロジェクト概要図解

韓国の高級マンションでは、家電や設備を声で操作できるホームオートメーションがオプションとして備えられています。ところが、大きな窓ガラスと大理石の床という住戸の造りは音が響きやすく、韓国語特有の発音も重なって、もともとの音声認識エンジンでは聞き取り違いが頻発していました。基板を手がける韓国のイロウム(EROUM)は、開発パートナーである日本のグレープシステムに相談し、東芝デジタルソリューションズのコミュニケーションAI「RECAIUS音声認識ミドルウェア ボイストリガー」を、既存の音声認識基板の入れ替えという形で組み込みます。決めておいたキーワードを端末側で検出する仕組みで、辞書はテキストから作成。設置予定の住戸に足を運んでテストとチューニングを重ね、認識率9割以上に到達しました。採用先は、ヒョンデオートエバーを通じたヒョンデグループの高級マンションです。

出典:韓国でのマンションのホームオートメーションに採用 短納期導入で音声認識率9割以上を実現「RECAIUS™音声認識ミドルウェア ボイストリガー」 | 事例紹介:デジタル事業 | 東芝 発行元:東芝デジタルソリューションズ

EASY GUIDE

やさしく事例解説

何に困って、AIを入れたのか

声で家電を動かせるはずのホームオートメーションで、その声が通じない。韓国の高級マンションが抱えていた困りごとは、この一点に集約されます。広い窓ガラスと大理石の床は住まいの質を高める要素ですが、音にとっては反響と残響を生む厳しい条件であり、そこに韓国語特有の発音が重なって、既存エンジンの認識率は低いままでした。

編集部の見立てでは、本質は「エンジンの性能が少し足りない」という程度の話ではなく、設置される場所の音の条件が、汎用のエンジンが前提とする環境から外れていた点にあります。反応しない設備は次第に使われなくなり、住まいそのものの評価にも響きます。求められた水準が「9割以上」という具体的な線で示されたのは、そこまで届かなければ機能として成立しないという判断があったからではないでしょうか。

どうやって、うまくいったのか

クラウドを経由せず端末側でキーワードを検出する構成が、この用途との相性を決めた要因の一つです。ネットワーク越しに処理する音声認識は反応の遅れが避けられませんが、住戸の中で照明や家電を声で動かす場面では、わずかな待ち時間が「反応しない」という体感に直結します。処理を手元の基板に閉じ、あらかじめ設定したトリガーワードの検出だけに機能を絞り込んだ設計は、小さなメモリで軽快に動くという組み込み機器側の条件も同時に満たしています。

辞書を音声の録音なしにテキストから作れるという作り方は、開発の進め方そのものを変えました。従来のやり方では、トリガーワードを2〜3個用意するだけで1か月ほどを要し、作業の重心が辞書づくりに置かれざるを得ませんでした。ここが軽くなれば、空いた時間はそのまま実環境での検証に振り向けられます。認識の成否を左右するのは机上の辞書ではなく設置場所の音の条件だという前提に立つなら、この時間配分の組み替えこそが精度を押し上げた実質的な要因だと考えられます。

現地に入り込んで調整を繰り返した進め方も見逃せません。設置予定のマンションへ度々出向き、実際の反響の中でテストしては辞書をチューニングし直し、さらに誤認識の発生率をアプリケーション側でも調整するという、ミドルウェア単体では完結しない作り込みが行われています。韓国語の発音の癖に通じた現地企業がハードウェアを、音声認識と組み込みの知見を持つ日本側がソフトウェアを受け持つ分担も、初めての韓国語辞書という条件のもとで成立させる支えになったはずです。

具体的に、どんな成果が出たのか

改善・向上したこと

品質・安全性向上
対応時間・リードタイムの短縮
顧客満足度の向上

推進したこと

システムへのAI機能組込み
新サービス・製品開発
AIツール・ベンダー選定支援

この事例で出た成果

エコーや残響が生じる住戸の中でも、認識率は9割以上に達しています。他社製品では必要になる辞書開発の期間を大きく縮められた点や、エンジンが軽くレスポンスがよい点も評価されました。実際に声で家電を操作している居住者からは認識精度の高さに満足の声が届いており、イロウム側は、この結果がマンションの資産価値を高めることにつながり、音声認識そのものの価値も上がっていると受け止めています。

うちでも使える?

応用しやすいのは、決まった言葉での操作を、通信に頼らず手元の機器だけで完結させたい場面です。設定したキーワードの検出に機能を絞る仕組みは、扱う語彙が限られるぶん軽く動くため、工場の設備操作や車載機器、手がふさがる現場での機器操作のように、素早い反応が求められる用途と噛み合います。反対に、自由な言い回しの会話を理解させたい場合や、長い発話を文章に書き起こしたい場合には、この方式のままでは届きません。

もう一つ気に留めたいのは、精度が置かれる場所の条件に左右されることです。今回のように音が反響しやすい空間か、扱う言語の発音がどういう特徴を持つかで結果は変わるため、製品資料の数値をそのまま自社環境の期待値として持ち込むことはできません。まず試すなら、実際に使う部屋で、現場の人が言いそうな言い回しをいくつか声に出して録ってみること。反響やノイズがどれくらい乗るのかを自分の耳で確かめるだけでも、検討の解像度は変わります。

この事例は2023年7月時点の情報です。AI分野は変化が速いため、現在は同様の取り組みをより短い期間・少ない負担で実現できる場合があります。

ANALYSIS

プロジェクト解析

プロジェクト内容

AIツール・サービスの提供形態

自社データを設定
カスタマイズあり
他ツールから乗り換え

導入部門・データ活用

導入部門:全社共通・汎用業務

自社システムへのAI連携
組み込み製品開発
専用AIツールの導入

活用したデータ:音声・音響

トリガーワード辞書

採用したAI技術・ツール

採用したAI技術:音声AI

音声認識・文字起こし
トリガーワード検出
エッジAI(端末側で処理し外部にデータを出さない)

AIモデル・ツール

RECAIUS音声認識ミドルウェア ボイストリガー

連携ツール

連携したシステム・外部サービス

ホームオートメーションシステム
COMPANIES

プロジェクト実施・導入企業

実施・支援企業 (VENDOR)

東芝デジタルソリューションズ

コミュニケーションAI「RECAIUS」の音声認識ミドルウェア(ボイストリガー)を提供し、販売パートナーとの協業を通じて音声認識技術を展開している企業。

この取り組みに関心があれば 東芝デジタルソリューションズの公式情報をご覧ください

導入先企業 (CLIENT)
株式会社グレープシステム
業種:組み込み機器向けソフトウェアの開発・販売

出典・参考情報

※本事例は以下の公開情報を元にWarpBiz編集部がリサーチ・作成しました。

韓国でのマンションのホームオートメーションに採用 短納期導入で音声認識率9割以上を実現「RECAIUS™音声認識ミドルウェア ボイストリガー」 | 事例紹介:デジタル事業 | 東芝

発行元:東芝デジタルソリューションズ

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