実施 2022.03 ・ 更新 2026.08.14
腕の動きをAIで解析し、物流センターの作業実態をリアルタイム可視化
※イメージ画像です

取り組み概要
やさしく事例解説
プロジェクト解析
実施・導入企業
こんな方へおすすめのAI解説です
- 現場に張り付いて作業を記録している
- 集めたデータの加工に時間を取られる
- 動き回る作業をカメラでは追えない
どのようなAIの取り組み?
リストバンド型の活動量計とビーコンを組み合わせ、物流センターの作業内容と位置をリアルタイムに可視化したAI取り組み
業種
総合物流(運輸・物流)
取り組み領域
物流センターの現場作業分析・業務改善
使ったAI
作業行動推定AI(ウェアラブルセンサー解析)
主な成果
作業データをリアルタイムに可視化し、抽出・加工の手間を削減
SBS東芝ロジスティクスは、物流センターの業務改善に向けて、早くから作業者のデータ収集と可視化に取り組んできました。ストップウォッチやビデオ撮影による観測から、加速度センサーを備えたリストバンド型の活動量計を使う方式へと進み、東芝アナリティクスAI「SATLYS」の作業行動推定サービスによって、歩行や台車運搬、手作業、静止といった作業区分を割り出す環境をつくっています。その延長線上で2022年3月に正式導入されたのが、東芝デジタルソリューションズの「Meister Apps 現場作業見える化パッケージ」です。デバイスやビーコン、収集・可視化用のPC、見える化テンプレートまでを一式にまとめ、無線LAN経由で作業者の動作データをリアルタイムに可視化します。取得したデータは業務改善の施策づくりや新たな機器を入れる際の効果測定、さらに同社の物流コンサルティング業務にも使われています。
出典:物流現場の人の動きをリアルタイムで可視化・分析可能に「Meister Apps™ 現場作業見える化パッケージ」 | 事例紹介:デジタル事業 | 東芝 発行元:東芝デジタルソリューションズ株式会社
やさしく事例解説
何に困って、AIを入れたのか
当初の作業観測は、担当者が現場に張り付き、ストップウォッチ片手に作業を記録し、観測用紙に書いた内容をPCへ入力するというものでした。観測できる人数も時間も限られ、取得後のデータ加工と分析にも手間がかかります。活動量計を使う方式へ切り替えたあとも、データを取り出すたびに端末をケーブルでPCにつなぎ、一つずつ抜き出して自分で加工する工程が残っていました。
編集部の見立てでは、困りごとの中心にあったのは計測の精度でも人手の多さでもなく、結果が手元に届くまでの遅さだったのではないでしょうか。数字が出てくるのが後日になると、観測は日々の改善活動ではなく身構えて臨む特別なイベントになり、気づいたことをその場で現場に返せません。全体を薄く広く、しかも速く見るための手段が足りていなかった、と読み解けます。
どうやって、うまくいったのか
効いたのは、必要な機器と見える化テンプレートを一式にまとめ、サブスクリプションで使える形にした構成です。初期の大掛かりな設備投資を前提としないため、対象を限らずに現場へ持ち込めます。この可搬性があるからこそ、改善したい現場で1〜2週間データを取り、課題を抽出して手を打ち、再び1〜2週間測って確かめるという短い検証サイクルを、日常の業務改善の中に組み込めています。
計測手段そのものの選び方も見逃せません。作業位置が固定されがちな製造現場であれば、カメラ映像から作業を推定する方式が働きますが、作業者が広い庫内を絶えず移動する物流の現場では、その方式だけで全体の活動を正しく捉えるのは困難です。腕の加速度の波形から作業区分を推定するという装着型に寄せた判断は、作業者の負担を抑えたまま、全員を同じ物差しで測ることをねらったものと考えられます。
ビーコンによる位置情報を時間軸に重ねた設計も、分析の解像度を一段引き上げています。何をしていたかという作業区分に、どこでという情報が加わると、区分ごとの時間配分を眺めているだけでは見えてこない動線の無駄や滞留に手が届きます。
具体的に、どんな成果が出たのか
改善・向上したこと
推進したこと
この事例で出た成果
無線LAN経由でデータが集まり、グラフが時間単位で更新されるため、収集からそのまま分析や判断へ移れる状態が生まれています。取得できるデータが精緻になったことで、感覚ではなく可視化された客観的な数字をもとに現場と議論できる点も変化のひとつです。物流コンサルティングを手掛ける営業部門では顧客の物流現場を診断する道具として使われ、リストバンド型デバイスによる見える化への関心から引き合いが増える効果も出ています。今後は人が動いた軌跡の取得やWMS(倉庫管理システム)のログとの連携、ピッキング以外の工程への適用が期待されています。
うちでも使える?
応用しやすいのは、作業者が広い範囲を動き回り、歩く・運ぶ・手を動かす・止まるといった大づかみな区分で作業の実態を捉えられる現場です。倉庫や工場の構内物流、施設内の点検や清掃のように、定点のカメラでは全体を追いにくい業務ほど、身につけて測る方式の利点が効いてきます。反対に、腕の動きが似ていて区分の切り分けがつきにくい作業や、机に向かって考えている時間の質が成果を左右する業務では、同じやり方で実態をつかむのは難しくなります。装着をお願いする以上、何のために測るのかを現場に説明しきれるかどうかも、実施可否を分ける現実的な条件です。
手始めとしては、改善したい現場を一つ決め、その現場の作業時間を今どうやって把握しているかを確かめてみてはいかがでしょうか。ストップウォッチとメモ、あるいは担当者の記憶に頼っているなら、そこが計測を自動化して最も見返りの大きい場所です。
この事例は2022年3月時点の情報です。AI分野は変化が速いため、現在は同様の取り組みをより短い期間・少ない負担で実現できる場合があります。
プロジェクト解析
プロジェクト内容
AIツール・サービスの提供形態
導入部門・データ活用
導入部門:全社共通・汎用業務
活用したデータ:機械・設備・位置
採用したAI技術・ツール
採用したAI技術:AIモデル・構築手法
AIモデル・ツール
プロジェクト実施・導入企業
東芝デジタルソリューションズ
東芝グループのデジタルソリューション企業。IoTやAIを活用し現場作業の実態把握・分析を可能にするサブスクリプションサービス「Meister Apps™ 現場作業見える化パッケージ」や、東芝アナリティクスAI「SATLYS」のAI分析サービス「SATLYS KATA 作業行動推定」を提供している。
SBS東芝ロジスティクス株式会社
出典・参考情報
物流現場の人の動きをリアルタイムで可視化・分析可能に「Meister Apps™ 現場作業見える化パッケージ」 | 事例紹介:デジタル事業 | 東芝
発行元:東芝デジタルソリューションズ株式会社
掲載企業の方へ:本記事は公開情報をもとに作成しています。内容の修正・削除、または貴社確認のうえでの公式掲載をご希望の場合はこちらからご連絡ください。
