実施 2026.03 ・ 更新 2026.08.15
大鵬薬品工業が予測AIを内製化、売上予測と訪問先選定を支える体制づくり
※イメージ画像です

取り組み概要
やさしく事例解説
プロジェクト解析
実施・導入企業
こんな方へおすすめのAI解説です
- 表計算での予測が頭打ち
- 出てきた数字の根拠を示せない
- 分析を外部任せで試行が進まない
どのようなAIの取り組み?
予測AIをノーコードで内製化し、売上の予測から訪問先の選定までを社内で回せるようにしたAI取り組み
業種
医薬品製造(医療・ヘルスケア)
取り組み領域
売上予測/MR活動の訪問先選定・リソース配分
使ったAI
DataRobot(ノーコードの予測AI・機械学習)
主な成果
売上予測の精度が向上し、予算策定・生産計画の妥当性を強化
大鵬薬品工業は、医療用医薬品と一般用医薬品の両方を手がけ、がん領域(オンコロジー)で長く知見を積み重ねてきた製薬会社です。同社は医薬データマネジメント室を軸にDataRobotを導入し、売上の予測、訪問対象となる医療機関や医療従事者の選定、リソースの配分といった複数の業務で予測AIを使う体制を社内に築いています。従来は表計算ソフトによる予測が中心で、社内の活動データは構造が複雑で整理が難しく、既存のツールではモデルの中身が見えにくいという事情も重なっていました。導入にあたっては日鉄ソリューションズが伴走支援を担当し、データサイエンスの経験が少ないメンバーでも短期間でキャッチアップできる運用体制を整えるところまでを進めています。
出典:DataRobot導入事例「大鵬薬品工業」予測AIの内製化で意思決定を高度化|大鵬薬品工業 株式会社 | お客様事例 |Move! | 日鉄ソリューションズ(NSSOL)のITソリューション・サービス紹介サイト 発行元:日鉄ソリューションズ株式会社
やさしく事例解説
何に困って、AIを入れたのか
予測の土台になる社内の活動データは構造が複雑で、整理そのものに手がかかる状態でした。表計算ソフトを使った従来のやり方では精度の向上に限界があり、既存のツールはモデルの中身が見えにくいため、売上の見通しや訪問先の絞り込みをどんな根拠で決めたのかを示しづらいという課題も抱えていました。
編集部の見立てでは、困りごとの中心にあったのは予測の当たり外れそのものよりも、出てきた数字を業務の判断に持ち込めるかどうかだったのではないでしょうか。予算の策定にせよ、誰を訪問するかの決定にせよ、関係者が納得して初めて実際の行動が変わります。根拠を説明できない数字は、精度が多少上がったところで現場では使われません。中身の見えなさは、精度の問題である前に、意思決定へ組み込めるかどうかの問題だったと考えられます。
どうやって、うまくいったのか
精度の指標や複数モデルの比較を、その場で確認できるツールを選んだ点がまず効いています。ノーコードでモデルを組めるという特徴は、作れる人が増えることだけを意味しません。作ったものを画面で見せながら、この予測をどう評価すべきかを関係者と突き合わせられるという効き方をします。中身を開いて説明できる状態にしたことが、予算策定のように合意が要る場面へ予測値を持ち込む足がかりになったと考えられます。
モデルづくりを外部に委ねず、医薬データマネジメント室を軸に社内で回す形を選んだことも大きいはずです。複雑な活動データは、その数字が現場のどんな動きを表しているのかを知らないと扱えません。データの意味を分かっている人がそのままモデルを触れる配置にすれば、仮説を思いついてから試すまでの距離が縮まります。日鉄ソリューションズの伴走支援は、経験の浅いメンバーを短期間で立ち上げ、この配置を成り立たせるための足場として機能したと見るのが自然です。
MR(Medical Representatives:医療情報担当者)の活動支援で、AIの出力を最終判断ではなく手がかりとして扱った位置づけも見逃せません。訪問先を決める仕事には担当者の経験や医療機関との関係性が深く関わるため、機械が出した順位をそのまま押しつける形にすると反発を招きやすくなります。見落としを拾うための補助と定めておけば、担当者は自分の判断を保ったままAIを使えます。
具体的に、どんな成果が出たのか
改善・向上したこと
推進したこと
この事例で出た成果
売上予測の精度が上がったことで、予算の策定や生産計画の妥当性が高められています。MR活動では、AIが示す内容が見逃しを減らす手がかりとして現場に受け入れられ、訪問対象の選定精度も向上しました。内製化により試行のサイクルは大幅に短縮され、データ活用は医薬データマネジメント室にとどまらず部門をまたいで広がっています。予測の精度そのものより、社内でデータを扱う動き方が変わった点にこの取り組みの重みがあります。
うちでも使える?
応用しやすいのは、予測したい対象の実績が数字で残っていて、その予測を誰がどの場面で使うのかがはっきりしている業務です。売上や需要のように結果が数字で返ってくる仕事であれば、外した理由を後から検証でき、ノーコードのツールでも試行を重ねられます。
一方、同じやり方が効きにくい場面もあります。この事例の前提にあるのは、社内に蓄積された活動データという材料です。訪問や面談の記録が個人の手元にとどまっていたり、記録の粒度が担当者ごとにばらついていたりすると、モデルを組む前の整理に時間の大半が消えます。AIの出力を最終判断として押し込む運用にした場合も、現場が使わないまま形だけ残る恐れがあります。
はじめの一歩は、直近の予測と実績のずれを一つの業務に絞って並べ、そのずれを自分たちの言葉で説明できるか確かめてみること。説明できない部分こそ、AIに任せる価値がある領域です。
この事例は2026年3月時点の情報です。AI分野は変化が速いため、現在は同様の取り組みをより短い期間・少ない負担で実現できる場合があります。
プロジェクト解析
プロジェクト内容
AI導入・支援形態
AIツール・サービスの提供形態
導入部門・データ活用
導入部門:全社共通・汎用業務
活用したデータ:数値・Excel・ログ
採用したAI技術・ツール
採用したAI技術:AIモデル・構築手法
AIモデル・ツール
プロジェクト実施・導入企業
日鉄ソリューションズ株式会社
ITソリューション・サービスを提供する企業(NSSOL)。DataRobotを活用した予測AI導入・伴走支援を行う。
大鵬薬品工業 株式会社
出典・参考情報
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