実施 2025.09 ・ 更新 2026.08.14
セゾンテクノロジーがRAG製品と連携基盤をつなぐ検証、社内文書検索の精度を確認
企業規模:1,000人以内
※イメージ画像です

取り組み概要
やさしく事例解説
プロジェクト解析
実施・導入企業
こんな方へおすすめのAI解説です
- 社内の資料がどこにあるか分からない
- AIの検索精度の改修が終わらない
- 既存システムとAIをつなげたい
どのようなAIの取り組み?
RAG製品とクラウド上のデータ連携基盤を組み合わせ、社内文書の検索と回答の業務連携を確かめた技術検証の取り組み
業種
情報・通信業(データ連携基盤・システム開発)
取り組み領域
社内文書検索/システム間のデータ連携
使ったAI
Super RAG(RAG型の検索AI)とiPaaSの連携
主な成果
社内文書の検索で期待通りの精度を確認(技術検証段階)
データ連携基盤を手がけるセゾンテクノロジーが、シナモンAIのRAG製品「Super RAG」を2025年9月頃に技術検証しました。軸は二つあり、一つはSuper RAG単体を使い、問い合わせたい内容に合わせてエージェントを選ぶという操作の流れや検索の精度を確かめること。もう一つは、同社のiPaaS(クラウド上でデータ連携を行う基盤)「HULFT Square」を介してBoxなどから文書を渡し、返ってきた回答をSlackなどのチャンネルへ戻す連携の検証です。社内テストでは提案書やマーケティング向けの汎用コンテンツをフォルダ分けして検索させ、API経由でのデータ投入から回答取得までの工程も通しで確認されました。
出典:株式会社セゾンテクノロジー | Super RAG | すべての企業に、業務で使えるRAGを 発行元:シナモンAI
やさしく事例解説
何に困って、AIを入れたのか
セゾンテクノロジーはデータベースをはじめとする構造化データの連携を強みとしてきた企業で、生成AIへの取り組みも構造化データ側から始まっています。そのぶん非構造データの扱いには技術的な課題が残っていた一方、顧客が生成AIに期待する入り口の多くは社内文書の検索であり、チャットボットのように社内データを探したいという問い合わせが数多く寄せられていました。さらに業界共通の悩みとして挙がっていたのが、RAG(社内の文書を検索してAIの回答に使う仕組み)に着手すると思うように精度が出ず、コストと時間をかけて改修を延々と繰り返してしまう「RAGの沼」です。
編集部の見立てでは、ここでの本質的な困りごとは非構造データを扱う技術を持たないことではなく、精度をどこまで作り込めば完成なのかという線引きを自社で引けない点にあったのではないでしょうか。終わりの見えない改修は、技術の問題である以上に、投資判断の問題として重くのしかかります。
どうやって、うまくいったのか
一から構築せず、完成したプロダクトを検証の起点に据えた判断が、この取り組みの土台になっています。選定理由として挙がっているのは、エンジニアが苦労するチャンキング(長い文書を検索しやすい単位に区切る処理)を含め、精度を出すための独自技術が製品側に作り込まれていた点です。最も沼にはまりやすい精度づくりの工程を製品に預け、自社は連携の設計に力を注ぐ。この役割分担が、検証を短い助走で立ち上げる条件になったと考えられます。
疎結合という設計思想を連携の中心に置いた点も見逃せません。HULFT Square自体はデータ連携基盤でありRAGの機能を持たないため、データを最適化してSuper RAGへ渡し、返ってきた回答を社内チャットや後続の業務プロセスへ流す受け渡し役に徹する構成が採られています。AIの画面の中ですべてを完結させず、既存の業務の流れの途中にAIを差し込む形にしたことで、検索精度は製品側、データの整え方と回答の行き先は連携基盤側という切り分けが保たれます。業務ワークフローの中にSuper RAGを一人の担当者として登場させるという構想も、この切り分けがあって初めて具体的な設計に落ちるものです。
検証の進め方そのものにも工夫がありました。API連携を組む際、仕様書の記載箇所を人に尋ねる代わりにSuper RAGへそのまま質問を投げるという方法が示され、その体験が製品理解の入り口になっています。検証対象のAIを、検証作業そのものの道具として使ってしまう発想です。導入を検討している段階から、どう聞けば欲しい答えが返るのかを実地で覚えられる進め方といえます。
具体的に、どんな成果が出たのか
改善・向上したこと
推進したこと
この事例で出た成果
社内テストでは、提案書やマーケティング向けの汎用コンテンツをフォルダ分けして検索させ、期待通りの精度で回答が得られています。データの投入からエンベディング(文書を検索用の数値表現に変換する処理)、回答の取得までのAPI連携も滞りなく進み、RAG構築で陥りがちな泥沼化を回避できるプロダクトという評価に至りました。ただし親・子・孫と枝分かれする深い階層のように文書構造が複雑になる場合には相応の工夫が必要という所見も示されており、いずれも技術検証段階での確認結果です。
うちでも使える?
応用しやすいのは、検索させたい文書がフォルダ単位である程度整理されていて、その置き場所がクラウドのファイルサービスに集まっている場合です。すでにデータ連携の仕組みを持っている組織なら、AI専用の画面を新しく使わせるのではなく、回答を普段のチャットや既存の業務フローへ戻す形から試せます。反対に、深い階層に資料が積み上がっている環境や、同じ内容の資料が版違いで散らばっている状態では、そのまま渡しても狙った答えは返りにくく、渡す前にどうデータを整えるかを先に決める必要があります。
まず試すなら、提案書の入ったフォルダを一つ選び、普段は同僚に口頭で聞いている質問を三つほど書き出して投げてみる。答えの当たり外れを判定するより、どの粒度の問いなら返ってくるのかを見極めるところから。
この事例は2025年9月時点の情報です。AI分野は変化が速いため、現在は同様の取り組みをより短い期間・少ない負担で実現できる場合があります。
プロジェクト解析
プロジェクト内容
AIツール・サービスの提供形態
導入部門・データ活用
導入部門:全社共通・汎用業務
活用したデータ:文書・ナレッジ
採用したAI技術・ツール
採用したAI技術:テキスト・言語AI
AIモデル・ツール
連携ツール
連携したシステム・外部サービス
プロジェクト実施・導入企業
シナモンAI
RAGプロダクト「Super RAG」を提供する企業。代表は平野未来氏。チャンキングをはじめとする検索精度向上の独自技術を備えた、完成されたプロダクトとして「Super RAG」を提供している。
株式会社セゾンテクノロジー
出典・参考情報
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