実施 2026.06 ・ 更新 2026.08.14
総合不動産グループが生成AIアプリを自作、利用率を約6割まで広げた自走体制
企業規模:1,000人以上
※イメージ画像です

取り組み概要
やさしく事例解説
プロジェクト解析
実施・導入企業
こんな方へおすすめのAI解説です
- 社内からの問い合わせ電話が絶えない
- 規程やマニュアルを探すのに時間がかかる
- AIを入れても現場に広がらない
どのようなAIの取り組み?
ノーコードで作れる生成AIアプリ基盤とコンサルティング支援を組み合わせ、グループの生成AI利用率を約6割まで広げた取り組み
業種
総合不動産(不動産)
取り組み領域
社内DX/バックオフィスの社内照会対応
使ったAI
Alli LLM App Market(ノーコードの生成AIアプリ基盤)
主な成果
グループの生成AI利用率が約6割まで伸長
中央日本土地建物は、みずほフィナンシャルグループに系譜を持つ日本土地建物と中央不動産が2020年4月に経営統合して発足した総合不動産グループで、都市開発から住宅、賃貸、資産運用まで8つの事業分野を手掛けています。グループ全体の情報システム部門にあたる事務・システム部では、人事制度や社内規程・手続、システムの使い方に関する照会が電話で数多く寄せられる状況を背景に生成AIの活用を検討し、Allganize Japanが提供するAlli LLM App Marketをグループの生成AI基盤の一つとして採用しました。採用後は同社のコンサルティングプログラムを活用し、複数部署の個別業務に特化したアプリを6種類構築するとともに、社員向けの研修も併せて実施。現在は各部署が自らアプリを作って運用する「自走体制」づくりへ軸足を移しています。
出典:■導入事例■【中央日本土地建物様】コンサルティングプログラムを活用し、グループ各社への生成AI導入と現場の自走体制を早期確立 発行元:Allganize Japan株式会社
やさしく事例解説
何に困って、AIを入れたのか
きっかけは、バックオフィスに寄せられる社内照会でした。人事制度、社内規程や手続、システムの使い方といった問い合わせが電話で数多く届き、これをAIで代替できないかという発想から、ChatGPTが広く知られるようになる前の段階で展示会やイベントに足を運び、情報収集が続けられていました。
編集部の見立てでは、ここでの困りごとの本質は照会の「件数」ではなく、答えそのものは社内文書のどこかに存在しているのに、たどり着く経路が人の記憶と経験に依存していた点にあります。規程や手続は明文化されていても、どの文書のどこを見ればよいかを知っているのは担当者だけ、という状態であれば、聞かれる側の負担は減りません。しかも聞く側にも「同じことを何度も尋ねにくい」という心理的なコストがかかります。件数を減らす発想ではなく、探し方そのものを置き換える発想に向かったことが、この取り組みの出発点だったと考えられます。
どうやって、うまくいったのか
ツール選定の基準を、機能そのものではなく「誰が作り、誰が直すのか」に置いた判断が、その後の展開を大きく左右したと考えられます。ノーコード・ローコードでアプリを組めることを重視した背景には、業務を一番よく知る現場のユーザー自身が作成とメンテナンスを担うという前提がありました。加えて、ユーザー数に依存しない料金体系を評価軸に入れたことで、グループで1,000名を超える規模でもアカウントを絞る必要がなくなります。使う人を最初から限定しない設計にしておいたことが、後の裾野の広がりを準備したのではないでしょうか。
コンサルティングプログラムの使い方にも、この取り組みらしい特徴があります。全社員向けの告知の場で推進方針を示したうえで、手を挙げた部署と個別に向き合い、Alli LLM App Marketの説明にとどまらず「どの業務なら生成AIで効率化できそうか」を一緒に議論しながらアプリ候補を洗い出す進め方が取られました。経費精算の品目・決裁者の自動判定、重要事項説明書の作成補助、稟議書やメールからのナレッジ作成、案内文作成、改修工事の安全・品質面の助言、マニュアル通りかを見る書類チェック。いずれも部署固有の手順に紐づいており、汎用チャットボットの一律導入では出てこない粒度です。Allganize側がアイデア出しとアプリ構築、社内研修を担い、事務・システム部が推進と場づくりを担うという役割分担が、社内だけでは進みにくかった立ち上げの速度を支えたと見ています。
そのうえで、作る主体を情報システム部門から各部署へ引き渡す動線が用意されました。いつでも参照できる自社独自のチュートリアル動画とマニュアルを整え、社内レクチャーを重ねる。さらに社内報で顔写真付きのユースケースを紹介し、本部管理部門のフロアにいる推進チームの顔を現場に知ってもらう。ここで効いているのは技術ではなく、相談してよい相手が誰かを可視化する運用の工夫です。他部署が作ったアプリが同じ基盤上で目に入り、「うちでも作りたい」という声が自然に生まれる構造も含め、横のつながりが広がりの回路として機能しています。
具体的に、どんな成果が出たのか
改善・向上したこと
推進したこと
この事例で出た成果
グループの生成AI利用率は約6割まで伸び、社内のナレッジ検索や「どの規程・手続を参照すればよいか」を尋ねる一次窓口として使われています。調べものや確認事項を自分で解決できるケースが増えたことで、問い合わせ対応の省力化が図られました。キャリア入社者からは、誰に聞けばよいか分からないときに基本的なことを調べられて助かるという声が届いており、相手がAIであれば同じ質問を繰り返しても心理的な負担が小さい点も、使いやすさにつながっています。情報収集やアイデアの壁打ちといった用途にも広がり、グループ会社の一部では自作の専用チャットボットの利用が始まっています。
うちでも使える?
応用しやすいのは、社内規程やマニュアル、手続の文書が正本として整っていて、その内容を巡る照会が特定の部署に集中している組織です。加えて、経費精算の判定や書類のチェックのように、判断の根拠が文書として書き出せる業務であれば、非エンジニアがノーコードで組んだアプリでも実用の水準に届きやすいでしょう。
一方で、条件が合いにくい場面もあります。規程や手順書が改訂されないまま個人のフォルダやメールに散在し、どれが最新か決まっていない状態では、AIが参照する土台そのものが揺らぎます。案件ごとに例外判断が積み重なり、その判断理由が誰にも書き残されていない業務も、アプリ化の効果は限定的です。また、少人数の組織であれば、ユーザー数に依存しない料金体系という利点はそれほど効きません。
最初の一歩としては、直近1か月に電話やチャットで受けた社内照会を5件だけ書き留め、それぞれの答えが「どの文書の何ページに書いてあるか」を実際に辿ってみるのが手軽です。すぐ辿り着けた質問と、担当者の記憶に頼るしかなかった質問。この線引きが見えた時点で、AIに任せられる範囲はかなり具体的に描けるはずです。
この事例は2026年6月時点の情報です。AI分野は変化が速いため、現在は同様の取り組みをより短い期間・少ない負担で実現できる場合があります。
プロジェクト解析
プロジェクト内容
AI導入・支援形態
AIツール・サービスの提供形態
導入部門・データ活用
導入部門:全社共通・汎用業務
活用したデータ:文書・ナレッジ
採用したAI技術・ツール
採用したAI技術:テキスト・言語AI
AIモデル・ツール
プロジェクト実施・導入企業
Allganize Japan株式会社
企業向けオールインワン生成AI・AIエージェントプラットフォーム「Alli LLM App Market」を提供。100以上の業務特化アプリ・AIエージェント、独自開発RAG、オンプレミス環境を搭載し、製造・メガバンク・自治体など300社以上の大手企業が導入。
中央日本土地建物株式会社
出典・参考情報
■導入事例■【中央日本土地建物様】コンサルティングプログラムを活用し、グループ各社への生成AI導入と現場の自走体制を早期確立
発行元:Allganize Japan株式会社
掲載企業の方へ:本記事は公開情報をもとに作成しています。内容の修正・削除、または貴社確認のうえでの公式掲載をご希望の場合はこちらからご連絡ください。
