実施 2022.01 ・ 更新 2026.08.14
予測精度を約10%改善、国分グループ200倉庫の需要予測AIによる自動発注
プロジェクト期間:2年 〜 3年
※イメージ画像です

取り組み概要
やさしく事例解説
プロジェクト解析
実施・導入企業
こんな方へおすすめのAI解説です
- 経験と勘に頼った発注から抜け出せない
- 欠品と余剰在庫を同時に抱えている
- 発注数の確認作業に時間を取られている
どのようなAIの取り組み?
需要予測AIと基幹システムの連携により、200を超える倉庫で酒類・食品の自動発注を進め、予測精度を約10%改善したAI取り組み
業種
酒類・食品卸売業(小売・流通)
取り組み領域
物流拠点の需要予測・発注/在庫管理
使ったAI
需要予測AIサービス「Perswell」(機械学習)
主な成果
需要予測の精度を約10%向上、導入は200倉庫を突破
酒類・食品の卸売を担う国分グループは、全国の物流拠点で行っている発注・在庫管理に、DATAFLUCTの需要予測AIサービス「Perswell(パースウェル)」を組み込みました。狙いは定番商品の発注を自動化することです。お得意先からの将来の受注量をAIが予測し、その結果を国分グループの基幹システムへ連携したうえで、手元の在庫数や欠品を防ぐための調整を加えて発注数が決まる流れが組まれています。予測モデルは全商品をまとめて扱う汎用の一本ではなく、より細かい粒度で構築され、需要動向に影響する外部データを取り込みながら高頻度で自動的に再学習される設計です。社内外のデータを集めて統合する土台には、同社のデータプラットフォーム「AirLake」が併せて使われました。2022年1月に本番導入が始まり、対象はチルド、冷凍、アイス、加工食品、酒類と幅広いカテゴリーに広がっています。
出典:国分グループの物流拠点200倉庫強で需要予測AIサービス「Perswell」を導入。予測精度を約10%改善し、商品の需要予測と自動発注を実現 | DATAFLUCT[データフラクト] 発行元:株式会社DATAFLUCT
やさしく事例解説
何に困って、AIを入れたのか
国分グループは国内外の約10,000の仕入先から約60万アイテムを仕入れ、約35,000軒のお得意先へ届けるため、全国約300拠点の物流センターを動かしています。以前の需要予測は過去の実績と担当者の経験値に頼るやり方で、精度が十分でないために在庫過多や欠品が生じ、販売機会の損失や予定外の調達業務が発生していました。人手不足を背景にメーカー側の納品までの期間が延び、入荷頻度が減るという外部環境の変化も重なっています。
編集部の見立てでは、ここでの困りごとの本質は取扱アイテム数の多さそのものではなく、予測のズレが必ず誰かの緊急対応という形で現場に跳ね返る構造にあったのではないでしょうか。新商品も特売品も定番品も同じ人の判断でさばいている限り、精度を上げる努力はそのまま個人の負荷として積み上がっていきます。
どうやって、うまくいったのか
予測モデルを細かい粒度で分け、高い頻度で自動的に再学習させる設計が、この取り組みの中核にあります。学習済みモデルをしばらく使い続け、一定期間が過ぎたら学習し直すという一般的な進め方では、一日ごとに状況が動く酒類・食品の卸売には追いつきません。需要動向に影響を与える外部データを取り込みながら、直近の変動を都度モデルへ反映させる運用にした点が、日々表情の変わる商材の予測を成り立たせた要因と考えられます。
予測と発注判断を切り分け、AIの出力をそのまま発注数にしなかった点も見逃せません。Perswellが担うのはお得意先からの未来の受注を予測するところまでで、その先は基幹システム側で現在の在庫数や欠品防止のための調整を重ねて発注数が決まります。予測は外れうるものと割り切り、業務ルールで受け止める余地を残した切り分けであり、これが多数の拠点へ広げても運用に耐えられた条件ではないでしょうか。
データを集めて統合する土台を併せて整えたことも、要因の一つに数えられます。社内データだけでは日々の変動要因を捉えきれないため、様々な種類のデータを収集・統合して外部システムへ連携できるデータプラットフォーム「AirLake」が活用されました。モデル構築はDATAFLUCT側のデータサイエンティストが担う分担になっており、自社にデータ分析の専門人材を抱えていなくても機械学習による予測を業務に組み込める形が取られています。
具体的に、どんな成果が出たのか
改善・向上したこと
推進したこと
この事例で出た成果
導入前と比べて需要予測の精度は約10%向上し、自動発注できる商品の増加、欠品率の減少、余剰在庫の減少が進んでいます。発注現場からは、確認などの作業時間が大幅に減ってより重要な業務に時間を回せるようになった、自動発注が中心になると経験の少ない若手担当者でも業務品質が高いレベルで安定する、といった声が挙がっています。導入拠点は200倉庫を突破し、2024年中に導入可能な全倉庫への拡大・導入完結を目指す段階です。
うちでも使える?
応用しやすいのは、受注や出荷の実績が日次でデータとして残っていて、発注の判断基準をある程度ルールとして書き出せる商品群です。この事例で最初の対象になったのが定番商品だった点は示唆的で、繰り返し動く商品ほど予測の当たり外れを業務ルール側で吸収しやすくなります。逆に、実績の蓄積が乏しい新商品や、単発の販促・イベントで需要が跳ね上がる商品、発注量が取引先との個別のやり取りで決まるような領域では、同じやり方をそのまま持ち込むのは難しいと考えられます。高頻度の再学習も、データが自動で集まり続ける状態があって初めて回るものです。
最初の一歩としては、扱っている商品を定番とそれ以外に分けたうえで、定番の一カテゴリだけを取り出し、直近数か月の発注数と実際の受注数のズレを日次で並べてみる。予測をAIに任せる価値がどこにあるのかは、そのズレの出方に現れます。
この事例は2022年1月時点の情報です。AI分野は変化が速いため、現在は同様の取り組みをより短い期間・少ない負担で実現できる場合があります。
プロジェクト解析
プロジェクト内容
AIツール・サービスの提供形態
導入部門・データ活用
導入部門:全社共通・汎用業務
活用したデータ:数値・Excel・ログ
採用したAI技術・ツール
採用したAI技術:AIモデル・構築手法
AIモデル・ツール
連携ツール
連携したシステム・外部サービス
プロジェクト実施・導入企業
株式会社DATAFLUCT
データサイエンスで企業と社会の課題を解決する企業。予測高度化・業務最適化AI「Perswell」やデータプラットフォーム「AirLake」を提供し、自社データサイエンティストが需要予測モデルの構築を行う。代表取締役CEOは久米村隼人。
国分グループ本社株式会社
出典・参考情報
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