実施 2026.06 ・ 更新 2026.08.14
自社データと生成AIを連携させ、50超の業務別アプリを定着
プロジェクト期間:半年〜 1年
企業規模:1,000人以上
※イメージ画像です

取り組み概要
やさしく事例解説
プロジェクト解析
実施・導入企業
こんな方へおすすめのAI解説です
- 社内チャットボットが使われていない
- 問い合わせ対応に人手を取られている
- ベテランしかできない業務がある
どのようなAIの取り組み?
RAGを軸にした生成AIプラットフォームで50以上の業務別アプリを社内に広げ、社内問い合わせ対応の工数を月32.3時間削減したAI取り組み
業種
医薬品製造(製造業)
取り組み領域
社内問い合わせ対応/文書チェック・ナレッジ活用
使ったAI
Alli LLM App Market(生成AIプラットフォーム/RAG)
主な成果
社内問い合わせ対応の工数を月32.3時間削減
明治グループの医薬品事業を担うMeiji Seika ファルマは、期待した回答が返らず利用率が落ちていた社内チャットボットの刷新と、社内に積み上がった文書の活用を目的に、Allganize Japanが提供する生成AIプラットフォーム「Alli LLM App Market」を採用しました。選定にあたっては複数のサービスを並行して試し、3,000人弱の全社利用を前提に、ユーザー数を問わない従量課金型の料金体系、業務に耐えるRAG(社内データを検索してAIの回答に使う仕組み)の精度、回答根拠の分かりやすさ、部門ごとの権限設定、SharePointやMicrosoft Entraとの連携、多言語対応などを総合的に比較しています。現在は全社共通のチャットボットに加えて、新医薬品の承認申請資料の一次チェック、MR(医薬情報担当者)の活動報告の分析、輸出関連法の該非判定の支援など、50を超える業務別アプリが全本部で稼働しています。
出典:◼︎導入事例◼︎【Meiji Seika ファルマ様】承認申請資料のチェックからMR活動報告の分析・示唆抽出まで。 製薬企業の全社AI活用 発行元:Allganize Japan株式会社
やさしく事例解説
何に困って、AIを入れたのか
刷新前に使われていたのはFAQ型のチャットボットで、AIというより検索で答えを引き当てる仕組みに近いものでした。期待する回答が返ってこない場面が多く、「使いづらい」という印象が広がって利用率は下がっていきます。加えて元データの手入れには相応の工数がかかり、利用部門が自分たちで直しにくい画面や仕組みだったことも負担になっていました。
編集部の見立てでは、ここでの本質的な問題は回答精度そのものよりも、答えを直せる人が現場から切り離されていた構造にあったのではないでしょうか。情報システム部だけがメンテナンスの窓口になっていると、現場が答えの古さや誤りに気づいても手を入れられません。使われないから更新されず、更新されないからさらに使われない。精度の話に見えて、実際には運用の担い手をどこに置くかという設計の問題だったと考えられます。
どうやって、うまくいったのか
選定の軸を機能比較ではなく、3,000人弱が同時に使う状態から逆算して組み立てた点が、その後の展開を大きく左右したと考えられます。ユーザーライセンス制ではなく従量課金型を選ぶ判断は、全社に配ってから費用が跳ね上がる展開を最初に潰しておくもので、技術の進化が速い領域で一つのツールに固定的な投資を寄せないという構えとも整合します。あわせて、利用できる機能やアクセスできるアプリ、参照できるデータに部門単位で制限をかけられることを条件に据えており、便利さと管理のしやすさを同時に成立させる前提が置かれていました。回答とともに参照元のプレビューが表示される点を評価軸に入れたことも、根拠を確かめながら使う業務利用を想定した選び方です。
推進体制では、各本部にデジタルビジネス・アンバサダーを置き、課題の選出そのものを現場側に預けた設計が効いています。アンバサダーは公募制で、自ら手を挙げた社員が現場のニーズを聞き取り、AIアプリの構想をまとめたうえで情報システム部と組んで形にします。動き方や実現方法を各本部に任せているため、テーマ設定が実務の困りごとから離れにくく、作った本人が業務フローへの組み込みまで面倒を見る流れが生まれています。
構想、環境構築、PoC(小規模な試験導入)、運用移管という四段階を定型化した進め方も、定着を左右する要素です。基盤づくりは情報システム部が担い、検証は依頼部門と開発側が実際の業務に即して行い、完成後は依頼部門へ引き渡して各部門が運営・管理する。作って渡す相手を最初から決めておくこの分担は、冒頭で述べた「直せる人が現場にいない」状態を構造的に避ける組み立てになっています。承認申請資料のチェックで、過去の膨大な申請資料そのものをRAGの参照元に据えた設計も、経験の量に頼っていた部分を参照できる形に置き換える発想と言えます。
具体的に、どんな成果が出たのか
改善・向上したこと
推進したこと
この事例で出た成果
社内チャットボットの切り替えによって活用が進み、問い合わせに対応する部門の工数は1か月あたり32.3時間削減されました。経費精算システムのガイド対応でも、公式チャットボットと比べて回答精度の高さが実感され、問い合わせ自体が減っています。数値以外では、業務フローに沿ったアプリがたたき台を即座に示すことで、経験の浅い担当者でも一定の水準で作業を進められるようになり、属人化していた複雑な業務の標準化やアウトプット品質の向上につながっています。今後は、より多くの業務プロセスへの生成AIやAIエージェントの組み込み、RAGを活用したナレッジ基盤の強化が予定されています。
うちでも使える?
応用しやすいのは、答えのもとになる文書が電子で残っていて、その内容に責任を持つ部門がはっきりしている業務です。この事例で問い合わせ対応の負荷が下がった背景には、関連ドキュメントのメンテナンスを各部署が担う分担があり、社内規定や手続き案内のように「所管部署が明確な情報」ほど、この形は移植しやすいと考えられます。人が最終判断を持ったまま、初案づくりや一次チェックをAIに任せる使い方も、業種を問わず試しやすい入り口です。
一方で、そのまま真似しにくい条件もあります。参照させたい過去資料が紙や個人のパソコンに散らばっている場合は、AI以前に集約から始める必要があります。各部門から自発的に手を挙げる人が出てこない組織では、アンバサダーのような仕組みだけを形式的に置いても回りません。機密度の高い情報を扱うなら、誰がどのデータに触れられるかを部門単位で切り分けられるかどうかが先に問われます。
まずは自部門で直近1か月に届いた問い合わせを見返し、その答えが載っている文書を今どの部署が更新しているかを確かめてみてはいかがでしょうか。更新者がすぐ名指しできる領域が、最初の一つを置く場所になります。
この事例は2026年6月時点の情報です。AI分野は変化が速いため、現在は同様の取り組みをより短い期間・少ない負担で実現できる場合があります。
プロジェクト解析
プロジェクト内容
AIツール・サービスの提供形態
導入部門・データ活用
導入部門:全社共通・汎用業務
活用したデータ:文書・ナレッジ
採用したAI技術・ツール
採用したAI技術:テキスト・言語AI
AIモデル・ツール
連携ツール
連携したシステム・外部サービス
プロジェクト実施・導入企業
Allganize Japan株式会社
企業向け生成AI基盤「Alli LLM App Market」を提供。100以上の業務特化アプリ・AIエージェント、独自開発RAG、オンプレミス環境をオールインワン搭載し、製造・メガバンク・自治体など300社以上の大手企業が導入する日本リージョン対応の企業向け生成AI活用プラットフォームを展開している。
Meiji Seika ファルマ株式会社
出典・参考情報
◼︎導入事例◼︎【Meiji Seika ファルマ様】承認申請資料のチェックからMR活動報告の分析・示唆抽出まで。 製薬企業の全社AI活用
発行元:Allganize Japan株式会社
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