実施 2025.07 ・ 更新 2026.08.14
通信遅延を約30%短縮、VPN撤廃でクラウド型セキュリティに移行したIT企業
プロジェクト期間:半年未満
企業規模:1,000人以内
※イメージ画像です

取り組み概要
やさしく事例解説
プロジェクト解析
実施・導入企業
こんな方へおすすめのAI解説です
- クラウドの利用状況が見えない
- 社外からのVPN接続が重い
- 情シスの保守作業に手が回らない
どのようなAIの取り組み?
セキュリティ機能をクラウド側へ移すSSEへの移行により、通信の遅延を約30%短縮し、社内VPN機器の撤廃まで進めたITインフラ刷新の取り組み
業種
DX事業(IT・情報サービス)
取り組み領域
情報システム部門/ネットワーク・セキュリティ
使ったAI
Netskope(クラウド型セキュリティサービス/SSE)
主な成果
通信の遅延を実測で約30%短縮
Speeeは不動産・リフォーム・介護領域を対象とするレガシー産業DXを軸に、DXコンサルティングと金融DXを展開する企業で、社内のIT基盤整備は情報システム部が担っています。SaaSをはじめとするクラウドサービスの利用が広がるにつれ、誰がどのサービスをどう使っているのかの可視化と制御が難しくなり、あわせて全通信をデータセンターのファイアウォールへ集約する構成では、社外で働くユーザーが使うVPNのリソースが限界に達していました。同社はCTC(伊藤忠テクノソリューションズ)の提案を受け、Web通信を保護するSWGやクラウド利用を制御するCASB、アクセス権限を絞るZTNAを統合したSSE(セキュリティサービスエッジ)ソリューション「Netskope」の採用を決めます。導入は2025年7月に始まり、9月からの段階的なリリースを経て、10月までに約1,000名規模へ展開が完了しました。
出典:Netskopeを採用した株式会社Speee 様の事例 | CTC - 伊藤忠テクノソリューションズ 発行元:伊藤忠テクノソリューションズ株式会社(CTC)
やさしく事例解説
何に困って、AIを入れたのか
導入前に抱えていたのは、性質の異なる二つの詰まりです。ひとつは、クラウドサービスの利用が広がった結果、どのユーザーが何をどう使っているのかが見えなくなっていたこと。とりわけ個人アカウントによるクラウドストレージ利用の増加が懸念され、データの適切な配置と管理が事業継続に関わる条件として意識されていました。もうひとつは、社外で活動するユーザーの通信までデータセンター経由に固定する構成で、VPNのリソースが逼迫し、その機器の調整や保守に情報システム部の手が取られ続けていたことです。
編集部の見立てでは、この二つは別々の問題というより、同じ構造から出た症状です。守るための仕組みが社内の一点に集約されていたために、利用が広がるほど、その一点へ負荷も判断も集まっていく。上場企業として求められるガバナンスと、ベンチャー時代から続くスピード感や現場の自律性を同じ土俵で成立させる余地が、構成上ほとんど残っていなかった。そこが困りごとの本質だったのではないでしょうか。
どうやって、うまくいったのか
全ユーザーを一律のポリシーで縛るのではなく、本当に危険なラインだけを見極め、その手前では各自がある程度自由に動ける環境をつくる。この線引きを製品選定より先に決めたことが、以降の判断を貫く軸になっています。複数のSSEソリューションを比較する際の評価基準も、制御の強さではなく、一人ひとりのクラウド利用状況をどこまで細かく把握し、どこまできめ細かく手当てできるかに置かれました。リスクの高い操作をした利用者にその場でポップアップ通知で警告を出し、双方向のやり取りで個別に指導できる機能が重視されたのも、禁止ではなく是正で運用するという方針の延長線上にあります。
セキュリティ機能の置き場所をデータセンターからクラウド側へ移す構成変更は、通信の交通整理と情報システム部の運用負荷軽減を、ひとつの手で解こうとする選択でした。SWG・CASB・ZTNAという役割の異なる機能を一つのサービスに束ねる形をとれば、機器ごとに個別の維持管理を抱え込む状態からも距離を置けます。
展開の進め方は、すでに社内にある資産を前提に組み立てられています。各ユーザーの端末にMDM(モバイルデバイス管理)が入っていたため、Netskopeエージェントの配布はその仕組みに乗せる形で進み、7月の導入開始から9月の段階的リリース、10月の展開完了という順序が保たれました。サービス開始時こそ操作制限に関する問い合わせが急増したものの、提案元のCTCとNetskopeの双方がサポートに入る体制が事前に敷かれていたことで、本番移行まで止まらずに進んでいます。調達をAWSマーケットプレイスのCPPO(パートナー企業経由でソフトウェアを購入できる仕組み)に寄せた判断も、窓口と管理プロセスを増やさない方向に効いた設計と読み解けます。
具体的に、どんな成果が出たのか
改善・向上したこと
推進したこと
この事例で出た成果
SWG機能によって通信経路が最適化された結果、実測値として約30%のレイテンシ(通信遅延)の短縮が確認されています。社内アンケートでも過半数を超えるユーザーが「繋がりやすくなった」「体感速度が向上した」と回答しました。データセンターに置かれていたVPN機器の撤廃も進み、運用・保守の手間がなくなったことで情報システム部の業務負担は大幅に軽減されています。ファシリティ全般のコスト削減については、現時点では見込みとして示されている段階です。セキュリティ面では、クラウド利用をアカウント単位で可視化し、アップロードやダウンロードといった操作ごとにリスクを判定して制御できるようになりました。一連の成果は経営陣からも評価され、プロジェクトを主導した担当者が社内表彰を受けています。
うちでも使える?
近い形が使えそうなのは、業務の主戦場がクラウドサービスに移っていて、社外から働くユーザーが多く、端末管理の仕組みがすでに全社に行き渡っている組織です。この事例で配布がスムーズに進んだのはMDMが先にあったからで、端末を把握できていない状態から始めると、展開そのものが最初の山場になります。
一方で、基幹の業務システムが自社のデータセンターに残り、拠点間の閉域通信や特定の機器構成に業務が依存している場合は、通信経路をクラウド側へ寄せる効果が出にくくなります。もうひとつ難しいのは、危険なラインをどこに引くかを決められる主体が社内にいないケースです。この取り組みの要は製品ではなく「どこまでを自由にするか」の合意であり、その判断を誰が担うかが曖昧なままだと、結局は一律禁止に寄って利用者の不満だけが残ります。
まずは直近1か月分のログで、個人アカウントのクラウドストレージへ社内のファイルが出ていないかを確かめてみてはどうでしょうか。見えている量と、見えていない量の差が、次に何を整えるべきかを教えてくれます。
この事例は2025年7月時点の情報です。AI分野は変化が速いため、現在は同様の取り組みをより短い期間・少ない負担で実現できる場合があります。
プロジェクト解析
プロジェクト内容
AIツール・サービスの提供形態
導入部門・データ活用
導入部門:全社共通・汎用業務
活用したデータ:数値・Excel・ログ
採用したAI技術・ツール
AIモデル・ツール
連携ツール
連携したシステム・外部サービス
プロジェクト実施・導入企業
伊藤忠テクノソリューションズ株式会社
AWSマーケットプレイスのCPPO(Channel Partner Private Offers)スキームに対応してSSEソリューション「Netskope」を提供するITソリューション企業。自社でもNetskopeの大規模ユーザーとして社内活用の経験と実績を有する。
株式会社Speee
出典・参考情報
Netskopeを採用した株式会社Speee 様の事例 | CTC - 伊藤忠テクノソリューションズ
発行元:伊藤忠テクノソリューションズ株式会社(CTC)
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