実施 2026.04 ・ 更新 2026.08.15
山梨県の看護人材育成事業にIT企業のDX専門家が参画、県内2病院で実証へ
プロジェクト期間:半年〜 1年
※イメージ画像です

取り組み概要
やさしく事例解説
プロジェクト解析
実施・導入企業
こんな方へおすすめのAI解説です
- 人手不足で現場が回らない
- システムは入っているのに活用が進まない
- デジタルに強い人材を育てたい
どのようなAIの取り組み?
デジタル技術に強い看護人材の育成に向け、自治体の検討会議と県内2病院での現場実証を並行して進める事例
業種
看護・病院(医療・ヘルスケア)
取り組み領域
看護現場のデジタル活用/人材育成
使ったAI
未公表(デジタル技術活用の助言・実証が中心)
主な成果
参画公表の段階で、効果検証はこれから
山梨県は、看護の質向上と業務改善を主導できる人材「アドバンスト・エッセンシャルワーカー(AEW)」の育成事業を立ち上げ、その検討会議の委員として株式会社FIXERに参画を要請しました。同社はDXアドバイザー2名を派遣し、会議では現場で求められる人材像の整理や、育成手法・処遇改善策を具体化する議論に加わります。これと並行して県内2ヶ所の病院にもアドバイザーとして入り、2026年12月までを想定期間として、現場のICT導入・活用状況の分析、デジタル技術を用いた業務効率化策の提案、AEW候補者への技術支援といった試験的な運用から効果検証までを担当します。病院で得られた知見は検討会議へ戻され、育成の設計に反映される流れになっています。
出典:FIXER、山梨県の看護人材育成事業に参画 〜DXアドバイザーとして医療現場の課題解決と生産性向上を支援〜 - 株式会社FIXER 発行元:株式会社FIXER
やさしく事例解説
何に困って、AIを入れたのか
看護職は心身への負担の大きさから離職率が高く、人材の確保と定着が急を要する課題になっています。山梨県では多くの医療機関で電子カルテが使われている一方、AIをはじめとする先端技術の活用は限定的で、デジタル技術による業務改善は十分に進んでいませんでした。
注目したいのは、大きなシステムはすでに現場に入っているという点です。困りごとの本質は道具の不足ではなく、その道具を日々の業務の形に合わせて使い替え、どこを削れるかを見極める役割が、現場のどこにも置かれていなかったことにあるのではないでしょうか。システムの導入判断は組織として行われても、その先の使いこなしは個々の看護職の工夫任せになりやすい。しかも、そうした工夫は評価や報酬に結びつきにくく、担い手が生まれにくい構造だったと考えられます。
どうやって、うまくいったのか
人材像・育成手法・処遇改善を一つの検討テーブルに載せた枠組みが、この事業の設計上の要になっています。デジタル活用の話を技術習得の話だけに閉じず、より高い専門性を持つ人材として報酬や社会的信頼を得るところまでを含めて人材像を定義する。育成した人が現場に残るかどうかを左右するのは、身につけた技術の中身よりも、その技術に見合う役割と処遇が用意されるかどうかです。研修だけを切り出さずに議論の対象を広げた点が、育成が一過性で終わることを避ける方向に働くと見ています。
検討会議と病院現場を並行させ、現場で得た知見を会議へ戻す循環をあらかじめ組み込んだ進め方も見逃せません。あるべき人材像を会議室で先に固めてしまうと、現場の実態と噛み合わない要件が並びがちですが、ICTの活用状況の分析から試験的運用、効果検証までを同じ担当者が一貫して見て、その結果を議論に持ち帰る形にすれば、人材像は現場の実情に沿って修正されていきます。派遣先を県内2ヶ所に絞ったのも、広く浅く回るより、業務の中に入り込んで検証を成立させるための判断でしょう。
外部の技術者を「助言役」として現場に置き、事業主体は自治体が担うという役割分担も、この取り組みの性格を決めています。山梨県が育成事業そのものを主導し、FIXERはDXアドバイザー2名を派遣してデジタル技術活用の専門家として関わる。提案して終わりではなく試験的運用と効果検証まで担う構成であるため、提案の妥当性がその場で検証にさらされる仕組みになっています。
具体的に、どんな成果が出たのか
推進したこと
この事例で出た成果
本事業は参画が公表された段階で、効果を示す数値はまだ出ていません。県内2病院への派遣は2026年12月までが想定期間とされ、試験的運用の結果はこれから検証されます。今後については、山梨県と連携して看護の現場で業務改善を主導できる人材育成モデルの構築を支援し、そこで得た知見を医療業界全体のDX推進や働き方改革、エッセンシャルワーカーの地位向上につなげる方針が示されています。評価の焦点は、2病院での検証結果が育成の中身にどこまで具体的に反映されるかに置かれることになりそうです。
うちでも使える?
この進め方が応用しやすいのは、複数の拠点を抱え、基幹となるシステムはすでに入っているのに使いこなしが浅いまま止まっている組織です。業界団体や親会社が旗を振り、拠点ごとの実情を少数の現場で検証しながら、求める人材の要件と処遇の見直しを同じ場で議論する形は、医療に限らず成立します。
一方で、そのまま持ち込みにくい条件もあります。業務の中身が案件ごとに大きく変わり手順を共通化しにくい職場では、2拠点程度の検証から得た知見が他へ広がりません。外部の助言役に現場のデータや業務の実態を開示できない場合も、分析そのものが成り立たない。さらに、人材像を定義しても評価制度や賃金の仕組みを動かす権限が事業側にないと、育成だけが先行して定着につながりにくくなります。
手始めとしては、すでに導入済みのシステムのうち現場がほとんど使っていない機能を一つ選び、なぜ使われないのかを担当者に直接聞いてみてはどうでしょうか。新しい道具を探す前に、その答えの中に改善の担い手を置くべき場所が見えてくるはずです。
この事例は2026年4月時点の情報です。AI分野は変化が速いため、現在は同様の取り組みをより短い期間・少ない負担で実現できる場合があります。
プロジェクト解析
プロジェクト内容
AI導入・支援形態
導入部門・データ活用
導入部門:バックオフィス・管理部門(人事・経理・法務)
プロジェクト実施・導入企業
株式会社FIXER
2009年創業。Microsoft Azureの国内展開初期から、企業・官公庁・自治体のエンタープライズシステムを中心にクラウドを活用したIT基盤の構築と高度化を支援。近年は生成AIを生産性向上の中核技術と位置付け、自社開発の生成AIサービス「GaiXer」および閉域ネットワーク内で完結するオンプレミス型生成AI「Sovereign GaiXer」を提供している。
山梨県
出典・参考情報
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