更新 2026.08.15
技術者120名がAIオンライン講座、21名がAI資格に合格したSIerの育成策
プロジェクト期間:3年以上
企業規模:1,000人以内
※イメージ画像です

取り組み概要
やさしく事例解説
プロジェクト解析
実施・導入企業
こんな方へおすすめのAI解説です
- AIを扱える人材が社内に育たない
- 現場が忙しく研修の時間を取れない
- 自社の技術力を客観的に示せない
どのようなAIの取り組み?
AI人材育成のオンライン講座を全社の技術者育成計画に組み込み、資格取得を到達点に据えて技術力の底上げを進めたAI取り組み
業種
ソフトウェア開発・SIer(IT・通信)
取り組み領域
技術者向けAI人材育成・社内研修
使ったAI
AI_STANDARD(AI人材育成のオンライン講座)
主な成果
約120名が受講し、21名がG検定に合格
TCSグループの中核を担うソフトウェア開発企業、コムシス株式会社が、社内の技術者に向けたAI教育に取り組んだ事例です。同社は2019年度に3か年の技術者育成計画を策定し、「AI」「より高度なIoT」「モデルベース開発」の3領域に絞って技術力の底上げを進めています。AI領域では、株式会社STANDARDが提供するオンライン講座「AI_STANDARD」を採用し、AIリテラシー講座を入口にAIマネジメント講座、AIエンジニアリング講座、E資格対応講座までを段階的に受講する形をとりました。到達点は、JDLA(一般社団法人日本ディープラーニング協会)が実施するG検定・E資格の取得に置かれ、3か年で全技術社員の60%以上を有資格者にする方針が掲げられています。
出典:最新のAIテクノロジーを駆使して社会課題を解決してSociety 5.0へ - 株式会社STANDARD 発行元:株式会社STANDARD
やさしく事例解説
何に困って、AIを入れたのか
コムシスはIoT機器や車載システムなどのソフトウェア開発を長く手がけてきた企業で、Society 5.0を見据えて事業を広げる方針を持っていました。ただ、新しい事業を進めるには、それを支える技術力が先に要ります。同社が課題として挙げたのは、まさにこのベースとなる技術力の底上げでした。
編集部の見立てでは、この困りごとの本質は「AIを知っている人が何人いるか」という人数の問題ではなく、何十年も積み上げてきた開発の実績と、AIという新しい技術のあいだに、社内で共有できる物差しがなかったことにあるのではないでしょうか。どの技術者がどこまで扱えるのかを測る基準がなければ、育成の計画も、顧客への説明も輪郭を持ちません。
どうやって、うまくいったのか
育成する技術領域を「AI」「より高度なIoT」「モデルベース開発」の3つに特化集中させた設計が、この取り組みの起点になっています。育成は対象を広げるほど一人あたりの学習が浅くなりますが、事業拡大の方針と直結する領域だけを選び、そこに3か年という期限を切ったことで、育成が「余力があればやること」から計画の一部へ移ったと考えられます。全技術社員の60%以上という到達人数を先に決めている点も、進捗を数で測れる形に落とし込む工夫です。
到達点を社内独自の基準ではなく、JDLAのG検定・E資格という外部の資格に置いた判断も効いています。第三者が定めた基準であれば、学ぶ側は何をどこまで身につければよいかがはっきりし、会社としてはAIを扱える体制であることを社外に説明する材料も同時に手に入ります。教材の選定でも、提供元がJDLA正会員であること、東京大学 越塚登教授の監修下にあることを確認したうえでAI_STANDARDを採用しており、資格という到達点と教材の中身を一本の線でつないでいます。
学習の形式をオンライン講座に寄せたことは、稼働中の技術者を育てるうえで現実的な選択でした。開発プロジェクトに入っている技術者を研修のために一定期間拘束するのは難しく、時間と場所の制約を外さなければ、計画は初年度で息切れしかねません。加えて、講座で基礎を固めたあと実践的ワークショップや実プロジェクトでの支援へ進む段階が用意されており、学習と実務を一連のサイクルとして回そうとしている点に、この育成計画の特徴があります。
具体的に、どんな成果が出たのか
推進したこと
この事例で出た成果
2019年度には約120名の技術者がAI_STANDARDの各講座を受講し、この時点でG検定の合格者が21名生まれています。同年度内にはG検定・E資格を合わせて60名近くの合格者を輩出する計画が置かれ、3か年計画としては全技術社員の60%以上を有資格者にする方針が示されています。2020年度からは実践的ワークショップの活用も予定されており、資格取得を出発点に実務へつなげる段階へ入ります。
うちでも使える?
この進め方が応用しやすいのは、身につけるべき技術の範囲を事業方針から絞り込めて、かつその技術に外部の資格や共通の評価基準が存在する分野です。基準が社外にあれば、学習の到達点を一から定義せずに済み、進み具合も人数で把握できます。
一方で、そのまま真似ると空回りしやすい場面もあります。資格の内容が日々の業務と離れている場合、合格者は増えても案件は動かず、取得そのものが目的にすり替わってしまいます。この事例では講座の後ろに実践的ワークショップや実プロジェクトが控えていますが、学んだ人が腕を試す場を用意できない組織では、知識は使われないまま薄れます。受け皿があるかどうかが、応用できるかの分かれ目になります。
始めるなら、今期の育成計画に「いつまでに」「何人が」という数字を1つ入れてみるところから。数字が入った途端、教材選びも学習時間の作り方も、具体的な検討に変わります。
プロジェクト解析
導入部門・データ活用
導入部門:全社共通・汎用業務
採用したAI技術・ツール
AIモデル・ツール
プロジェクト実施・導入企業
株式会社STANDARD
JDLA(一般社団法人日本ディープラーニング協会)正会員として、東京大学 越塚登教授監修のもとAI教材「AI_STANDARD」を提供する企業。AIリテラシー講座、AIマネジメント講座、AIエンジニアリング講座、E資格対応講座などのオンライン講座や実践的ワークショップを通じ、人材育成を柱にDXの実現とDXの内製化までを一気通貫で支援している。
コムシス株式会社
出典・参考情報
最新のAIテクノロジーを駆使して社会課題を解決してSociety 5.0へ - 株式会社STANDARD
発行元:株式会社STANDARD
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