更新 2026.08.15
ブリヂストン、全新入社員が2ヶ月でAIモデル構築まで学ぶデジタル研修
プロジェクト期間:半年未満
※イメージ画像です

取り組み概要
やさしく事例解説
プロジェクト解析
実施・導入企業
こんな方へおすすめのAI解説です
- 新人研修にデジタル教育を入れたい
- ツールの使い方研修で終わってしまう
- デジタルに強い人が一部に偏っている
どのようなAIの取り組み?
文系・理系を問わず全新入社員がPythonでAIモデルを作り切るまでを学ぶ、2ヶ月間のデジタル研修に取り組んだ事例
業種
タイヤ・ゴム製品製造(製造業)
取り組み領域
新入社員研修/DX人材育成
使ったAI
Pythonによる AIモデル構築(機械学習)
主な成果
配属後の新人が起点となり業務改善プロジェクトを推進
タイヤメーカーから「ソリューションカンパニー」への変革を進めるブリヂストンは、文系・理系を問わず全新入社員を対象に、約2ヶ月間のデジタル研修を実施しています。半年間ある新入社員研修のうち3分の1をこの領域に充てる設計で、Pythonのプログラミングの基礎から、最終的にAIモデルを構築するところまでを全員が手を動かして経験します。総仕上げには自社のソリューションビジネスの実データを使ったワークショップを置き、学んだ内容が配属後の実務にどうつながるのかを体感できる構成にしました。習熟度の高い社員と初学者をあえて同じチームに混ぜる編成も特徴です。研修は、法人向けDX研修を手がけるキカガクをパートナーに選び、既存のパッケージをカスタマイズする形で共同設計されました。
出典:導入事例:株式会社ブリヂストン様 | 全新入社員をDXの担い手に。2ヶ月の研修がもたらした、新人が起点となる業務変革の連鎖 | 法人向けDX研修ならキカガク 発行元:株式会社キカガク
やさしく事例解説
何に困って、AIを入れたのか
ブリヂストンは2017年にDX推進組織を立ち上げ、中級・上級の高度デジタル人材やデータサイエンティストの育成を進めてきました。育成された人材が各部署で現場の課題をデジタルで解決する体制も整いつつありましたが、社内外をつなぎバリューチェーンを横断する全社的なDXを進めるには、一部の社員のスキルだけでは届かないという判断がありました。加えて、デジタル系の研修が「ツールの使い方研修」に陥りがちだという課題感も、以前から社内で共有されていました。
編集部の見立てでは、ここでの困りごとの本質は人数の不足ではなく、課題を見つける人とそれを技術で解けるように翻訳できる人が別々に存在していたことにあります。デジタルが専門職の担当領域として切り出されている限り、現場が抱えるもやもやは誰かの手を経ないと技術に届きません。全新入社員という母集団に照準を合わせた背景には、この分業そのものを解消しにいく意図があったのではないでしょうか。
どうやって、うまくいったのか
文系・理系を問わず全員に「PythonでAIモデルを作り切る」という到達目標を一律に置いた設計が、この研修の性格を決めています。企画側にとってもチャレンジングな水準ですが、データ活用やAI活用の勘所は理屈の説明では届かず、自分で手を動かして初めてつかめるという判断が背景にありました。ツールはあくまで手段であり本質は課題解決にある、という考え方を、到達目標の置き方そのものに落とし込んだ点が効いたと考えられます。
習熟度の高い社員と初学者をあえて同じチームに編成したやり方も、この規模の研修を成立させた要素でしょう。教える側は説明を通じて知識が定着し、初学者は講師よりも距離の近い同期から学べます。入社時点のスキル差を平準化して解消するのではなく、差そのものを学習エネルギーに転換した設計と言えます。
総仕上げに自社の実際のソリューションビジネスのデータを使うワークショップを据えた点も見逃せません。一般的な学習用データでは味わえないデータ活用の難しさと面白さを扱うことで、研修と配属後の実務が地続きになります。パートナー選定でも、既存パッケージにとらわれず自社データを組み込めるカスタマイズ対応力と、講義のあとにこまめに演習を挟む構成が評価軸に置かれました。学びを持ち帰る先を最初から実務に固定した設計思想が、一貫して貫かれています。
具体的に、どんな成果が出たのか
改善・向上したこと
推進したこと
この事例で出た成果
配属された新入社員が起点となり、現場の小規模な改善から本格的なプロジェクトの組成まで、複数の成果事例が生まれています。外部のデータ分析コンペでは、新入社員が上級者に混じってモデル作成や分析アプローチで高い評価を獲得しました。既存社員向けの中級研修(PBL:課題解決型学習)にエントリーし、先輩や上司を巻き込んで業務改善を進める例も出ています。受け入れる側の既存社員にも健全な危機感が生まれ、組織全体のデジタル活用への意識変革が加速しました。想定外の効果として、自社データを扱ったことで自社ビジネスへの関心が高まるというエンゲージメント(仕事や会社への前向きな関わり)の向上も生まれています。
うちでも使える?
応用しやすいのは、新人研修にまとまった期間を確保でき、演習に出せる自社データを持っている組織です。とりわけ重要なのは、配属先に新人が手を出せる課題が実際にあるかどうか。学んだ力を使う場がなければ、到達目標を高く設定しても数ヶ月で錆びついてしまいます。
一方、採用人数が数名規模で研修に2ヶ月を割けない場合や、データが部門ごとにファイル単位で散らばっていて演習用に切り出せない場合は、同じ形をそのまま持ち込むのは難しいでしょう。新人の提案を受け止める余裕が現場になければ、既存社員が刺激を受けるという連鎖も起きにくくなります。規模を縮めるなら、期間より「自社のデータを触る」一点を優先するのが現実的です。
まずは、直近の社内研修の教材を1本開いて、ツールの操作説明で終わっていないかを見てみてはいかがでしょうか。
プロジェクト解析
導入部門・データ活用
活用したデータ:数値・Excel・ログ
採用したAI技術・ツール
採用したAI技術:AIモデル・構築手法
AIモデル・ツール
プロジェクト実施・導入企業
株式会社キカガク
法人向けDX研修を提供する企業。業界業種を問わず1000社以上の企業に研修を導入し、DX人材育成の課題解決を支援している。対面での大規模な新入社員向け研修の運営実績を持ち、顧客の要望に応じたカリキュラムのカスタマイズに対応する。
株式会社ブリヂストン
出典・参考情報
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