実施 2019.06 ・ 更新 2026.08.14
リコーのAI人材育成、オンライン講座での資格取得から行動予測モデルの開発へ
企業規模:1,000人以上
※イメージ画像です

取り組み概要
やさしく事例解説
プロジェクト解析
実施・導入企業
こんな方へおすすめのAI解説です
- データを可視化しただけで止まっている
- AIを扱える社員が社内にいない
- 外部採用が難しく育成するしかない
どのようなAIの取り組み?
オンラインのAI育成講座とメンターへの質問体制を通じて、社内の技術者がAIエンジニア向け資格を取得し、センサーデータを使った行動予測モデルの開発までつなげたAI人材育成の取り組み
業種
オフィス機器・IoTデバイス(製造業)
取り組み領域
AI人材育成/IoTデータ活用の開発
使ったAI
AI_STANDARD(オンラインAI育成講座)/機械学習・深層学習
主な成果
受講した技術者がJDLAのE資格に一発合格し、学会で行動予測手法の論文を発表
複合機やIoTデバイスを使ったサービスを医療機関・学校・工場などへ展開する株式会社リコーは、音波と電波を用いたデバイスから集まる大量のデータを、可視化の先にある予測や最適化へ生かせる人材を必要としていました。そこで選ばれたのが、株式会社STANDARDが提供するオンライン学習プログラム「AI_STANDARD」です。デジタルビジネス事業本部センシングソリューションセンターの技術者が、AIエンジニア育成講座を受けたうえで、さらに約1か月をかけてE資格(日本ディープラーニング協会が認定するエンジニア向け資格)の対策テキストに取り組み、一発合格を果たしました。その後は機械学習・深層学習のアルゴリズムを体系的に理解し、2019年6月の人工知能学会全国大会では、病院内の行動ログと属性情報から医療スタッフの行動を予測する手法をまとめた論文の発表にまで至っています。
出典:AIだからこそできるソリューション開発を目指しE資格に一発合格 - 株式会社STANDARD 発行元:株式会社STANDARD
やさしく事例解説
何に困って、AIを入れたのか
センサーから集めたデータを整理して見える形にするところまでは自社でこなせる一方、その先にある未来予測にもとづくレコメンドや最適化へ進もうとすると、AIの知識が足りない。データを持ちながら使い切れない、この途中で止まる状態が出発点にありました。
編集部の見立てでは、困りごとの本質はツールや計算環境ではなく、データの意味を読み解いて仮説を立てられる人が社内にいないという一点に集約されます。可視化は起きたことを映す作業ですが、予測は何が効いているのかを仮定し、モデルを選び、検証していく営みで、必要になる力の質が違います。AIエンジニアの獲得もしくは育成が急務という判断のうち、同社が育成側に寄せたのは、外から人を招くより、扱うデータと現場の事情を一番よく知っている技術者に理論を足すほうが近道だと踏んだためでしょう。
どうやって、うまくいったのか
学習の到達点をJDLAのE資格という社外の物差しに置き、そこへ至る教材を二段構えにした設計が効いています。まずAIエンジニア育成講座で機械学習・深層学習の土台をつくり、そのうえでより高度な内容を扱うE資格対策テキストへ進む流れです。この対策テキストは試験問題の例題解説と対策テキストで構成されており、アカデミックな知見が問われる試験の傾向を、独学では見えにくいうちに先回りして押さえられる作りになっています。
学ぶ場所と時間を平日の帰宅後・自宅に寄せた形式選択も、続けられるかどうかを大きく左右しました。週末は家族と過ごしたいという生活側の条件が先にあり、それを崩さずに済むオンライン講座が選ばれています。学習を生活のリズムに合わせて組み込む進め方は、試験直前に思うような時間が取れない局面が来ても、学習そのものを手放さずに乗り切れる余地を残します。
疑問をその場でメンターに投げられる仕組みは、限られた学習時間の目減りを防ぐ役割を担っていました。理論の細部で詰まったとき、独学なら調べ直しに時間が溶けていきますが、理論も実務も押さえた相手からすぐ的確な答えが返る環境であれば、つまずきは短い中断で終わります。かなり細かい質問まで受け止める運用になっていた点が、短時間でも集中して試験対策に向かえる状態を支えたと編集部は見ています。
具体的に、どんな成果が出たのか
改善・向上したこと
推進したこと
この事例で出た成果
受講した技術者は難関とされるJDLAのE資格に一発合格し、機械学習・深層学習のアルゴリズムとネットワークを体系的に理解したうえで、最適な実装方式やモデルを自ら選べる状態になりました。実務面では、2019年6月の第33回人工知能学会全国大会で『病院内行動ログおよび属性情報を用いた行動予測手法の実現』を発表しています。センサーデータによる行動予測から人員配置の最適化を図るという研究であり、資格取得が知識の証明にとどまらず、自力で開発テーマを立てて形にする段階まで届いたことを示す結果です。
うちでも使える?
この進め方が噛み合いやすいのは、すでに手元にデータが溜まっていて、集計や可視化までは自力で到達している組織です。扱う対象を熟知した技術者に理論を足す構図なので、学んだ内容が翌週の仕事に接続しやすく、学習の目的が「資格のため」に閉じません。逆に、分析対象となるデータがまだ整っていない段階では、学び終えても適用先が見つからず、知識が寝てしまう恐れがあります。
もう一点、この事例の学習は業務時間外の自宅学習が土台になっており、本人の意欲と可処分時間に支えられている構図であることは見落とせません。個人の資格取得が組織の力に変わるかどうかは、周囲の環境に左右されます。実際、この事例でも、企画部などビジネス側がAIを理解すること、エンジニアが自ら仮説検証のプロセスを回せるようになることが、次の課題として挙げられています。まずは次の会議で、社内にあるグラフや集計表のうち「先を読めたら誰かの判断が変わるもの」を一つだけ選び、それが予測に変わったら何が動くのかを話題にしてみるあたりから。
この事例は2019年6月時点の情報です。AI分野は変化が速いため、現在は同様の取り組みをより短い期間・少ない負担で実現できる場合があります。
プロジェクト解析
導入部門・データ活用
導入部門:全社共通・汎用業務
活用したデータ:機械・設備・位置
採用したAI技術・ツール
採用したAI技術:AIモデル・構築手法
AIモデル・ツール
プロジェクト実施・導入企業
株式会社STANDARD
JDLA(一般社団法人日本ディープラーニング協会)認定プログラムであるAI人材育成サービス「AI_STANDARD」(AIエンジニア育成講座、E資格対策テキスト、メンターによる質問対応)を提供し、人材育成を柱にDXの実現とDXの内製化まで一気通貫で支援する企業。
株式会社リコー
出典・参考情報
AIだからこそできるソリューション開発を目指しE資格に一発合格 - 株式会社STANDARD
発行元:株式会社STANDARD
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