更新 2026.08.14
SIerの金融部門がAI育成講座を受講、AIの限界を線引きした顧客提案へ
企業規模:1,000人以上
※イメージ画像です

取り組み概要
やさしく事例解説
プロジェクト解析
実施・導入企業
こんな方へおすすめのAI解説です
- 顧客のAI要望に即答できない
- 社員ごとにAIの理解度がバラバラ
- AIを使うべきか判断できない
どのようなAIの取り組み?
育成課題別のAI講座を通じて、金融向けのSEがAIの適用可否を自ら判断し顧客へ提案できる状態づくりに取り組んだ事例
業種
SIer(IT・通信)
取り組み領域
金融向けSE部門/AI人材育成
使ったAI
AI人材育成プログラム「AI_STANDARD」
主な成果
AIの可否を線引きした顧客提案ができる状態に
銀行や証券会社を担当する株式会社アイネスの金融ソリューション本部が、株式会社STANDARDのAI人材育成プログラム「AI_STANDARD」を活用し、SEのAIリテラシー向上に取り組みました。導入の決め手として挙げられているのは3点です。AIリテラシー習得講座・AIマネジメント講座・AIエンジニア育成講座と育成課題別に学べる構成、通常のシステム開発とAI開発の違いや契約における知財面の留意点まで扱う実ビジネスに即した内容、そして日本ディープラーニング協会に教育プログラムが認定されていること。受講した社員は顧客への提案場面で学びを使い、講座で得た知識を社内へ発信する動きも生まれています。
出典:「AIは万能ではない」ことを理解してこそ、顧客に最適な提案ができる - 株式会社STANDARD 発行元:株式会社STANDARD
やさしく事例解説
何に困って、AIを入れたのか
金融業界の顧客はテクノロジーに敏感でデジタル化への投資にも積極的であり、その要望に応えるには「そもそもAIとは何か」という理解が欠かせない、という認識が出発点になっています。機械学習やディープラーニングを理解するだけでなくビジネスに活用できる人材を育てたい、というSEの付加価値向上の狙いに加えて、SIerとしての危機感も語られています。アプリケーションの一機能としてAIを選ぶこともあれば、オープンソースのAIエンジンを選ぶこともある。漠然とAIと付き合うのではなく、方法論を理解したうえで何が最適かを選べる状態にならなければならない、という問題意識です。
編集部の見立てでは、ここでの困りごとの本質は技術力の不足ではなく、AIを使うべきか否かを判断する物差しが社内になかったことにあります。「AIを活用すれば何でもできるのでしょう」と顧客から持ちかけられたとき、判断基準がなければ、期待を膨らませたまま受けるか、無難に引き取るかのどちらかに寄ってしまう。提案の当否が担当者個人の勘に委ねられる状態こそが、受注機会の面でも後工程の面でも不安定さの源だったのではないでしょうか。
どうやって、うまくいったのか
育成課題別に講座を分けた設計が、この取り組みの土台になっています。AIリテラシー習得講座、AIマネジメント講座、AIエンジニア育成講座という区分は、全員に同じ深さの知識を配るのではなく、役割ごとに必要な理解の解像度を変えるという考え方に立っています。顧客と会話する層には「AIは魔法ではない」という線引きの感覚を、実装に関わる層には仕組みそのものを届ける。この住み分けがあれば、同じ社内でAIの話をしても議論が噛み合わなくなる事態を避けやすくなります。
通常のシステム開発とAI開発の違いや、契約面における知財の留意点までカリキュラムに含めた点も、選定理由としてはっきり挙げられています。技術の解説だけを学んでも、見積もりや契約条件を詰める段になって止まってしまえば、商談は前に進みません。知識をそのまま提案と契約の実務に接続できる形で渡した設計は、顧客のシステムを請け負うという業態の事情に正面から合わせたものです。第三者機関である日本ディープラーニング協会の認定も、プログラムの中身を社内で説明し導入を決める際の裏づけとして働いたと考えられます。
学んだ内容を個人に閉じ込めない運用も見逃せません。受講メンバーの一人は、AIに関わる業務をしていない社員にも関心を持ってもらうため、人気アニメを題材にレコメンド機能を解説し、講座で学んだことをどう実際の業務に生かしたかまで書いたレポートを社内へ発信しています。手を動かしながら中の仕組みを学ぶ講座の構成と、その学びを社内に通じる言葉へ翻訳して配り直す動きが重なることで、研修が一過性のイベントで終わりにくくなります。
具体的に、どんな成果が出たのか
改善・向上したこと
推進したこと
この事例で出た成果
AIリテラシー習得講座を受けた社員からは、できることとできないことの線引きを理解できた結果、顧客に対して「ここまでは出来ますが、これは出来ません」と自信を持って提案できるようになったという変化が挙げられています。AIエンジニア育成講座をわずか一ヶ月で修了した社員は、言語解析について説明変数を絞り込むよう促すなど、根拠を伴う具体的な説明ができるようになり、早速実業務に活かしています。今後はSI開発に機械学習やディープラーニングの要素を加えた開発や、顧客先に常駐する場面での各自の判断によるAI活用提案を進めていく方針が示されています。
うちでも使える?
応用しやすいのは、顧客の相談に技術的な判断で応える立場の組織です。受託開発や提案営業のように、「それはAIで解けるのか」という問いに現場が即答を求められる業務であれば、講座で得た線引きの感覚がそのまま商談の質に跳ね返ります。逆に、学んだ直後に試せる案件が手元にない環境では、同じ効果は期待しにくいはずです。この事例では、金融という具体的な顧客領域があり、顧客先に常駐して最も近い場所で相談を受けるという適用先が最初から存在していました。研修の効き方は、教材の質だけでなく、知識を差し込む先が近くにあるかどうかにも左右されると考えられます。
まず試すなら、直近の商談で顧客から寄せられた「AIでできますか」という質問を数件書き出し、自社が今「できる」「できない」「条件付きでできる」のどれで答えられるかを突き合わせてみる。答えが割れた質問こそ、自社に必要な学習範囲を示しています。
プロジェクト解析
採用したAI技術・ツール
採用したAI技術:AIモデル・構築手法
AIモデル・ツール
プロジェクト実施・導入企業
株式会社STANDARD
人材育成を柱に、DXの実現とその先のDXの内製化まで一気通貫で支援する企業。日本ディープラーニング協会に認定された教育プログラムを含むAI人材育成サービス「AI_STANDARD」を提供し、AIリテラシー習得講座、AIマネジメント講座、AIエンジニア育成講座など育成課題別の講座を展開している。
株式会社アイネス
出典・参考情報
「AIは万能ではない」ことを理解してこそ、顧客に最適な提案ができる - 株式会社STANDARD
発行元:株式会社STANDARD
掲載企業の方へ:本記事は公開情報をもとに作成しています。内容の修正・削除、または貴社確認のうえでの公式掲載をご希望の場合はこちらからご連絡ください。
