実施 2025.08 ・ 更新 2026.08.14
調布市が職員30名に生成AI研修、グループ演習中心で活用に自信ありが50%超へ
プロジェクト期間:半年未満
企業規模:1,000人以上
※イメージ画像です

取り組み概要
やさしく事例解説
プロジェクト解析
実施・導入企業
こんな方へおすすめのAI解説です
- 導入したAIが使われていない
- 職員ごとに使いこなしの差が大きい
- 研修が実務につながらない
どのようなAIの取り組み?
グループワーク中心の実務研修で、自治体職員の生成AI活用スキル定着に取り組んだAI取り組み
業種
地方自治体(公共・行政)
取り組み領域
職員向け生成AI研修/デジタル人材育成
使ったAI
生成AI(文章を扱うAI)とプロンプト設計
主な成果
研修後に生成AI活用へ「自信あり」の回答が50%超に
東京都調布市は、行政のデジタル化を進めるために各課へ「デジタル化推進員」を指名し、2025年度からは職員用の業務ポータルに生成AIツールを組み込んで全正職員約1,200名に活用を促してきました。ただ、使いこなしの度合いには開きが残っていました。そこで市は、クラスメソッドの「生成AI実務導入研修」を採用し、推進員から希望者を募った30名を対象に、2025年8月末から11月初旬にかけて2回構成の研修を実施します。1回目では生成AIの基礎と、AIへの指示文を設計するプロンプトエンジニアリングをハンズオンで学び、約2カ月の間隔をはさんだ2回目では、市役所の実務を想定した活用方法をグループで議論し、発表しました。
出典:調布市様事例|グループワーク中心の研修で生成AIの実務的スキルを獲得。調布市のデジタル行政推進を加速 |クラスメソッド 発行元:クラスメソッド
やさしく事例解説
何に困って、AIを入れたのか
調布市が生成AIの試験導入に踏み出したのは2023年度で、当初の対象は約130名のデジタル化推進員でした。全庁的な試験運用を経て2025年度に本格運用へ移り、業務ポータル経由で全正職員約1,200名が使える状態になった一方、「使い方がわからない」という声が上がり、職員間で活用度の温度差が生まれる懸念も残っていました。
編集部の見立てでは、ここでの困りごとの本質は、ツールが行き渡っていないことではなく、目の前の仕事と生成AIが結びつかないことにあったのではないでしょうか。窓口での案内や庁内文書の作成といった具体的な場面で「これに使えそうだ」と思い浮かばなければ、画面を開けても手は止まります。使えるようにすることと、使いたくなることの間に空いた溝をどう埋めるか。市が選んだのは、ツールの追加ではなく人への投資でした。
どうやって、うまくいったのか
研修を2回に分け、その間に約2カ月の空白をあえて置いた設計が、この取り組みの骨格です。1回目でプロンプトエンジニアリングの基礎をハンズオンで身につけた受講者は、いったん職場に戻って実務のなかで生成AIを試し、そこで詰まった点を2回目のアウトプット研修に持ち込みます。研修室のなかで完結させず、現場での試行を挟んで往復させる構造が、学んだ知識を自分の業務の言葉へ翻訳する余地を生んだと考えられます。
事前・中間・振り返りの3回にわたるアンケートを、プログラムの調整材料として使った点も見逃せません。受講者の習熟度や理解度を先に把握してカリキュラムを組み替え、2回目では回答内容を踏まえて実務に即した題材を用意する。加えて、行政の業務環境で成り立つ使い方や、行政ならではの制限を前提に据えたことで、受講者が学びを自分の課へ持ち帰る際の手間が下がったのではないでしょうか。IT関連職種ではない受講者に合わせて平易な言葉で進め、難しい用語には解説を添える運び方も、この設計と一続きのものです。
対象を各課のデジタル化推進員に絞り、そこから希望者を募った人選も、効果の広がり方を左右しています。30名を10人ずつ3グループに分けたグループワークと発表というかたちは、個人が使えるようになるだけでなく、自分の考えを人に説明する練習の場にもなります。学んだ人が自分の課に戻って広めることを前提に置くなら、伝える力そのものを研修に組み込む配置は理にかなっています。
具体的に、どんな成果が出たのか
改善・向上したこと
推進したこと
この事例で出た成果
研修前のアンケートで多かった「自信がない」という回答は研修後に0となり、「ある程度自信がある」「非常に自信がある」が合わせて50%を超えました。アウトプット研修のあとには「業務への活用イメージが湧いた」という回答が目立ち、新任職員の案内練習に使うプロンプトや、マニュアルを読み込ませたチャットボットといった案が受講者から出ています。部署を横断した情報交換やコミュニケーションも活発になり、受講者が自分の課で使い方を共有した結果、課内で生成AIを使う職員が以前より増えました。
うちでも使える?
この進め方が効きやすいのは、ツールはすでに配られているのに使われていない、という状態にある組織です。研修を1回で終わらせず、実務で試す期間をはさんで2回に分ける組み立て自体は、業種を問わず取り入れられます。各部署に旗振り役にあたる人がいて、その人たちの時間を確保できるなら、学びが広がる経路も作りやすいはずです。
一方で、そのまま持ち込みにくい場面もあります。生成AIの利用環境がまだ整っていない段階では、間の2カ月に試す場所がなく、往復させる設計が空回りします。日々の業務が個別性の高い判断の連続で、標準的な文書作成や案内対応がほとんどない職場でも、グループで扱える共通の題材を作りにくいでしょう。研修を任せる相手を選ぶ際も、自分たちの業務環境や制約を前提に内容を組み替えてくれるかどうかが分かれ目になります。
まず動くなら、直近1カ月で現場から出た「使い方がわからない」という声を、どの業務のどの場面で出たものかまで具体的に聞き取ってみてはどうでしょうか。
この事例は2025年8月時点の情報です。AI分野は変化が速いため、現在は同様の取り組みをより短い期間・少ない負担で実現できる場合があります。
プロジェクト解析
導入部門・データ活用
導入部門:全社共通・汎用業務
活用したデータ:帳票・紙の資料
採用したAI技術・ツール
採用したAI技術:テキスト・言語AI
連携ツール
連携したシステム・外部サービス
プロジェクト実施・導入企業
クラスメソッド株式会社
ChatGPTやAmazon Bedrockなどの各種生成AIサービスの選定からインフラ構築、アプリ開発まで支援を行う企業。生成AI総合支援サービスや「生成AI実務導入研修」を提供し、自治体での支援実績を持つ。
調布市
出典・参考情報
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