実施 2025.06 ・ 更新 2026.08.12
経費精算の問い合わせをAIで自動応答9割、アビームコンサルティングの運用設計
企業規模:1,000人以上
※イメージ画像です

取り組み概要
やさしく事例解説
プロジェクト解析
実施・導入企業
こんな方へおすすめのAI解説です
- 同じ社内質問に何度も答えている
- 本業のかたわらで問い合わせ対応に追われる
- 社内ルールが一部の人にしか分からない
どのようなAIの取り組み?
社員が日常的に使うMicrosoft Teams上にAIヘルプデスクを置き、経費精算などの社内問い合わせの約9割を自動応答で解決した取り組み
業種
コンサルティング(サービス業)
取り組み領域
社内ヘルプデスク/経理の問い合わせ対応
使ったAI
PKSHA AI Helpdesk(AIチャットボット)
主な成果
社内問い合わせの約9割を自動応答で解決
アビームコンサルティングは、株式会社PKSHA Technologyが提供する「PKSHA AI Helpdesk」を使い、約7,500名のコンサルタントが利用する「AI ヘルプデスク【経理部門】」を立ち上げました。それまでメールで経理チームに届いていた経費精算などの社内問い合わせを、社員が日常の業務連絡で開いているMicrosoft Teams上で受け付ける形に切り替えています。運用面では、AIが自動で示すFAQ作成の提案を担当者が確認しながら新しいFAQを足していき、週に1回ほどの頻度で対話ログの分析と振り分け設定の見直しを行ってきました。あわせて、全社向けニュースレターの配信、社内勉強会での周知、新入社員向けオンボーディング資料への利用案内の掲載といった定着化の施策も並行して進めています。
出典:導入事例|アビームコンサルティング株式会社〜7,500名の問合せをAI ヘルプデスクで9割自動化 自社の改革から顧客のAI BPR実現へ〜 発行元:株式会社PKSHA Technology
やさしく事例解説
何に困って、AIを入れたのか
導入前の社内問い合わせは月に約100件、その多くが経費精算に関するものでした。受け手はコーポレート部門の経理チームで、3〜4名が自分の主業務を抱えたまま回答にあたるため、返信までに時間を要する状態が続いています。質問する側でも、経験の浅いメンバーが手順に迷い、本来の仕事が止まってしまう場面が生まれていました。
編集部の見立てでは、この困りごとの本質は件数の多さではありません。月100件は、専任を置くほどではないが片手間では捌ききれない、中途半端に厄介な水準です。それ以上に効いていたのは、社内ルールの答えが特定の担当者の中にあり、しかもメールという一対一のやり取りの中で使い切られていた構造ではないでしょうか。何度同じ質問に答えても、その回答は次に困る誰かには届きません。FAQ共有がタイムリーに行えず暗黙知が属人化していたという課題は、その帰結だと考えられます。
どうやって、うまくいったのか
質問の受け皿を専用の窓口ではなく、社員が普段から開いているMicrosoft Teamsの中に置いた設計が、この取り組みの土台になっています。メールで経理チーム宛に文面を整えて送る行為には、相手の手を止めさせる心理的な負担がつきまといますが、日常の会話が流れる場所に質問先があれば、聞くこと自体が特別な行動ではなくなります。経験の浅いメンバーほど「こんなことを聞いていいのか」で止まりやすいことを踏まえると、置き場所の選択は利便性の話にとどまらず、質問が表に出るかどうかを左右する設計判断だったとみています。
回答精度を導入時の作り込みではなく、運用の中で積み上げていく前提に立った点も見逃せません。AIが対話の内容から自動でFAQ作成を提案し、担当者がそれを確認して追加していく流れは、実際に聞かれた質問だけがナレッジ化されるため、使われないFAQを増やす無駄が生じにくい仕組みです。週1回程度の対話ログ分析と振り分け設定の見直しを続けることで、答えられなかった質問が次の改善材料に変わっていきます。属人化した暗黙知を、会議体で棚卸しするのではなく、日々の問い合わせそのものを入口にして文書へ移し替えた進め方といえます。
定着化を単発の告知で終わらせなかった運用も、成否を分ける要素です。ニュースレターや勉強会に加えて新入社員のオンボーディング資料へ利用案内を載せた措置は、人が入れ替わっても案内が自動的に届く経路を確保するもので、利用者の母数が約7,500名という規模では効き方が大きく変わってきます。
具体的に、どんな成果が出たのか
改善・向上したこと
推進したこと
この事例で出た成果
稼働後、月間の問い合わせ総数は150〜200件へと増えました。一方で、そのうち約9割はAIの自動応答で解決し、有人対応が必要な件数は月20〜30件程度まで減っています。ダッシュボードの分析では、FAQによる解決率が約97%、ドキュメント検索による解決率が約83%。総数が増えたにもかかわらず人手の負担が下がったという動きは、これまで聞かれないまま埋もれていた疑問が表に出てきたことを示していると読めます。コーポレート部門の対応工数が削減されただけでなく、問い合わせデータに基づいてナレッジを改善し続けるサイクルも確立されました。
うちでも使える?
応用しやすいのは、答えが社内ルールとして文書に落とせる領域です。経費精算のように正しい手順が一つに決まっていて、質問の型もある程度繰り返される業務であれば、FAQと文書検索の組み合わせで拾える割合は高くなります。総務の各種申請や情報システムの利用手続きなども、同じ性質を持つ領域です。
逆に、同じ社内問い合わせでも、案件ごとの契約条件や取引先の個別事情によって答えが変わる相談は、この形のままでは扱いにくいと考えられます。もう一つの前提は、週に一度ログを見てFAQを足す担当を置けるかどうか。この事例の精度は導入時点の完成度ではなく、その後の手入れの頻度に支えられており、それすら確保できない状況では、精度が上がらないまま使われなくなる展開もあり得ます。
手をつけるなら、直近1か月に経理や総務へ届いた質問メールを開き、ほぼ同じ回答文を貼り付けて返したものが何通あったかを数えてみてはいかがでしょうか。その通数が、AIに任せられる範囲のおおよその目安になります。
この事例は2025年6月時点の情報です。AI分野は変化が速いため、現在は同様の取り組みをより短い期間・少ない負担で実現できる場合があります。
プロジェクト解析
プロジェクト内容
AIツール・サービスの提供形態
導入部門・データ活用
導入部門:全社共通・汎用業務
活用したデータ:文書・ナレッジ
採用したAI技術・ツール
採用したAI技術:テキスト・言語AI
AIモデル・ツール
連携ツール
連携したシステム・外部サービス
プロジェクト実施・導入企業
アビームコンサルティング株式会社
出典・参考情報
導入事例|アビームコンサルティング株式会社〜7,500名の問合せをAI ヘルプデスクで9割自動化 自社の改革から顧客のAI BPR実現へ〜
発行元:株式会社PKSHA Technology
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