実施 2022.07 ・ 更新 2026.08.12
鳴りやまない問い合わせ電話をどう減らすか、全国展開のヨガスタジオが選んだ解決策
プロジェクト期間:2年 〜 3年
※イメージ画像です

取り組み概要
やさしく事例解説
プロジェクト解析
実施・導入企業
こんな方へおすすめのAI解説です
- 同じ質問への電話対応に追われている
- 問い合わせ対応の人件費が膨らんでいる
- 顧客が自分で答えを探せる場がない
どのようなAIの取り組み?
顧客向けFAQサイトへの導線を作り込み、月9万件規模だった電話の呼量を段階的に減らして電話窓口の終了まで進めた取り組み
業種
ホットヨガスタジオ運営(フィットネス・サービス)
取り組み領域
カスタマーサポート/問い合わせ対応
使ったAI
PKSHA FAQ(FAQシステム)
主な成果
電話の呼量が月6,000件まで減少し、人員数と人件費を半減
ホットヨガスタジオを運営するLAVA Internationalは、コロナ禍で月間最大9万件まで膨らんだ電話問い合わせと、事業拡大に伴うサポートコストの増大という二重の負荷を抱えていました。問い合わせ内容を調べたところ8割以上が繰り返し寄せられる典型的な質問だったことから、PKSHA Technologyの「PKSHA FAQ」で顧客向けFAQサイトを構築し、自己解決を促す方向へ舵を切ります。設置しただけでは利用が伸びなかったため、会員向けメールマガジンや店頭のポップを使った周知を重ね、2023年3月には店舗とホームページから電話窓口の案内を削除してFAQへ直接誘導する施策に踏み切りました。呼量は段階的に下がり、2025年3月末のホットヨガの電話窓口終了と、人員数・人件費の半減につながっています。
出典:導入事例|株式会社LAVA International〜PKSHA FAQで月9万件の電話窓口撤廃を決断 業務効率向上と工数削減により人件費が半減 発行元:株式会社PKSHA Technology
やさしく事例解説
何に困って、AIを入れたのか
月間最大9万件という入電数と、事業の成長に合わせて膨らむカスタマーサポートのコスト。この二つが同時にのしかかり、コールセンターの機能も体制も根本から組み直さざるを得ない状況になっていました。
ただ、困りごとの本質は件数の多さそのものではなかったと考えられます。問い合わせの8割以上が簡単に答えられる定型的な質問だったという分析結果は、裏返せば、顧客が自力で答えにたどり着く経路が用意されていなかったことを示しています。答えはすでに社内にあるのに、それを受け取る手段が電話しかない。だから同じ質問が何度も窓口へ集まり、人を増やす以外の解き方が見えにくくなっていた、という構造だったのではないでしょうか。
どうやって、うまくいったのか
最も効いたのは、2023年3月に店舗とホームページから電話窓口の案内を消し、顧客の入り口そのものを付け替えた判断です。FAQを用意するだけでは、電話という慣れた経路が残る限り自己解決には移りません。注目したいのは、この思い切った変更がFAQの利用がある程度定着した段階で実行されている点で、受け皿が育つ前に窓口を絞れば、行き場を失った不満が別の形で噴き出したはずです。順序を踏んだうえで導線を切り替えた設計だからこそ成立した施策と読めます。
次に挙げたいのが、サイトを公開した後も周知を止めなかった運用です。導入当初は設置しただけで利用が伸び悩む壁にぶつかっており、会員向けメールマガジンや店頭ポップという既にある顧客接点を使って案内を重ねることで、利用率を押し上げていきました。告知を開設時の一度きりで終わらせず、継続する作業として組み込んだ点が、後の導線変更を支える土台になっています。
三つ目は、専門知識を持つ担当者に依存しない運用の形を前提に置いたことです。ベンダーが提供するヘルプサイトの運用ノウハウや他社の改善事例を参照しながら現場の担当者が手を入れられる体制にしており、外部に頼まないと直せない作りであれば、FAQは公開した時点の内容のまま古びていきます。社内の問い合わせ対応で10年以上使って勝手を把握していたシステムを顧客向けへ広げた選び方も、運用の負荷が読める状態から始められるという点で無理がありません。さらに緊急のお知らせをFAQのトップに表示できるインフォメーション機能を組み合わせたことは、電話をなくしても重要事項を確実に届けられる状態を先に確保しておく備えだったと見ています。
具体的に、どんな成果が出たのか
改善・向上したこと
この事例で出た成果
FAQへの誘導を強めた効果は数字にはっきり表れ、導入から1年で月間約2万件の呼量が減り、電話対応を終えた月には月6,000件まで下がりました。2025年3月末にホットヨガの電話問い合わせ窓口を完全に終了してFAQとメール対応へ移行し、人員数と人件費は半減しています。同じ質問への繰り返し対応や感情的な意見への応対が減ったことでオペレーターの負担も軽くなり、空いた時間を改善活動に充てた結果、メンバーの主体性向上や産休後の復職率上昇、離職率の低下といった変化も生まれました。今後はAIを使った問い合わせ対応の完全自動化を目指し、人手を個別カウンセリングなど価値の高いサポートへ振り向ける展望が示されています。
うちでも使える?
応用しやすいのは、寄せられる質問の大半が定型で、答えが社内に文章として存在している窓口です。BtoCのサービス業に限らず、社内ヘルプデスクや取引先からの一次問い合わせのように、同じ内容が繰り返し届く領域であれば、この事例の考え方はそのまま持ち込めます。
一方で、そっくり真似しにくい条件もあります。この取り組みが機能した背景には、会員向けメールマガジンと店頭という、告知を届けられる自社の接点があった点が大きく、顧客との接触が単発で終わる事業では周知の段階でつまずきやすいはずです。身体の状態や契約事情を聞き取ったうえで個別に判断する相談が中心の窓口も、答えを事前に用意する形とは相性がよくありません。電話の案内を外す判断も、FAQの網羅性と探しやすさ、そしてメールなどの代替手段が確実に働くことが前提になります。
小さく試すなら、まず案内の一部だけを差し替えてみる手があります。よく聞かれる質問を数本だけFAQ化し、そのテーマに関する案内文の連絡先をFAQへのリンクに置き換えて、入電がどう動くかを一か月眺めてみてはいかがでしょうか。
この事例は2022年7月時点の情報です。AI分野は変化が速いため、現在は同様の取り組みをより短い期間・少ない負担で実現できる場合があります。
プロジェクト解析
プロジェクト内容
AIツール・サービスの提供形態
導入部門・データ活用
導入部門:顧客対応・サポート
活用したデータ:文書・ナレッジ
採用したAI技術・ツール
採用したAI技術:テキスト・言語AI
AIモデル・ツール
プロジェクト実施・導入企業
株式会社PKSHA Technology
PKSHA FAQ(FAQシステム)をはじめ、お客様対応向け・社内対応向けのAIサービスを提供
株式会社LAVA International
出典・参考情報
導入事例|株式会社LAVA International〜PKSHA FAQで月9万件の電話窓口撤廃を決断 業務効率向上と工数削減により人件費が半減
発行元:株式会社PKSHA Technology
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