実施 2024.09 ・ 更新 2026.08.12
社内問合せ対応を1日2時間に、AIがFAQを自動生成するメーカーのヘルプデスク
※イメージ画像です

取り組み概要
やさしく事例解説
プロジェクト解析
実施・導入企業
こんな方へおすすめのAI解説です
- 社内からの質問に返し漏れが出る
- FAQの更新が追いつかない
- 問い合わせ対応で自分の仕事が進まない
どのようなAIの取り組み?
チャットボットと有人窓口を一つの流れにつなぎ、AIによるFAQ自動生成で社内問合せの対応工数を1日2時間程度まで下げたAI取り組み
業種
製造業(メーカー・製造)
取り組み領域
社内ヘルプデスク/問合せ対応
使ったAI
AIチャットボットとFAQ自動生成機能(PKSHA AI Helpdesk)
主な成果
問合せ対応工数が1日の半分から1日2時間程度へ、自己解決率は50%以上を維持
KMバイオロジクスのデジタルIT部が、社員からの問合せを受ける社内ヘルプデスクの仕組みを入れ替えた取り組みです。従来はキーワードが完全に一致しないと答えられないチャットボットと、Teams上の有人窓口を併用していましたが、FAQの整備が追いつかず、有人側には案件を管理する機能もありませんでした。選ばれたのは、PKSHA Technologyが提供する「PKSHA AI Helpdesk」です。本格的なITSM(IT部門の業務を管理する仕組み)を構えるより費用を抑えて案件管理機能を使え、窓口を既存のTeams上に置ける点が決め手となりました。稼働前にはFAQの準備と目標値・運用ルールの策定に時間を割き、運用開始後は有人対応の実績をもとにAIがFAQを生成・提案する機能を回しています。
出典:導入事例|KMバイオロジクス株式会社〜FAQ自動生成と案件管理の統合により、メンテナンスコストを大幅削減しながら、半数以上の問合せ対応自動化に成功!〜 発行元:株式会社PKSHA Technology
やさしく事例解説
何に困って、AIを入れたのか
窓口は用意されているのに使われない、という状態が続いていました。旧来のチャットボットはキーワードが完全に一致しなければ答えを返せず、その穴を埋めるためのFAQ登録は手が回らないまま積み残されていきます。受け皿だったTeams上の有人窓口には案件を管理する機能がなく、対応の漏れや遅れが繰り返し起きていました。しかもやり取りが全社に見える形だったため、質問すること自体をためらう社員もおり、せっかくの問答が社内の知識として残りにくい状況です。
編集部の見立てでは、ここでの本質はチャットボットの賢さ不足ではなく、問合せ対応が「その場で処理して消える作業」になっていたことにあります。答えが記録されず再利用されないので、FAQは人が別途書き起こすしかない。その手間が回答の網羅性を下げ、網羅性の低さが利用率を落とし、利用されない仕組みの保守にはさらに手をかけにくくなる。負担が増え続ける構造そのものが、限界を招いたのではないでしょうか。
どうやって、うまくいったのか
有人対応の実績からAIがFAQを生成・提案する機能を運用の中心に据えた点が、この取り組みの構造上の要になっていると考えられます。FAQの整備を「別途時間を取って行う作業」から切り離し、日々の問合せ対応そのものが次の自動回答の材料になる形へ組み替えたためです。旧来の運用が行き詰まった原因が担当者の努力量ではなく、更新の手間が問合せ件数に比例して増える設計にあったとすれば、この置き換えは症状ではなく原因に手を入れたことになります。
次に効いているのが、稼働前にFAQを揃え、SLO(対応にかける時間などの目標水準)や自己解決率の目標、運用ルールまで固めてから開けるという進め方です。過去に利用率が伸びなかった経験を「ツールの性能の問題」ではなく「立ち上げ方の問題」として捉え直し、社員が最初に触れたときの印象を設計対象に含めた点に特徴があります。社内システムは一度「使えない」と判断されると再訪されにくく、後から精度を上げても評価は戻りにくい。準備期間を惜しまない判断は、その回復しにくさを見越したものと読めます。
窓口を既存のTeams上に置き、社員の動線を変えないまま中身だけを差し替えた選び方も見逃せません。本格的なITSMを構えれば管理機能は充実しますが、費用も運用の重さも増していきます。必要だった案件管理の機能に的を絞り、全員がすでに開いている場所に入口を残す。この割り切りが、切り替えにともなう社員側の学習負担を最小限にしたのだと考えられます。
具体的に、どんな成果が出たのか
改善・向上したこと
推進したこと
この事例で出た成果
案件管理が徹底されたことで対応の遅れや漏れは防げるようになり、進捗が見える状態になった分、対応メンバーの精神的な負担も軽くなっています。AIによるFAQ生成・提案でメンテナンスにかかる時間は大幅に短縮され、運用開始以来、チャットボットの自己解決率は50%以上を維持。問合せ対応の工数は1日の半分ほどから1日2時間程度まで下がりました。旧システムより問合せの総数は増えており、避けられていた窓口が使われる窓口へ変わったことを示す数字と読めます。今後は他の窓口の一本化と、人事部や総務部を含む企画管理本部全体への展開が見込まれています。
うちでも使える?
応用が利きやすいのは、同じ質問が繰り返し寄せられ、答えが文章で書ける業務です。総務や人事の手続き案内、経費や申請ルールの確認など、担当者が毎回似た説明をしている領域なら、対応の記録がそのままFAQの材料になる循環は成り立ちやすいでしょう。すでに社内でTeamsなどのチャット基盤が定着していることも、切り替えの負担を左右します。
一方で、この事例の効きどころは「有人対応の中身がテキストで残る」ことに支えられています。相談が電話や立ち話で完結していて記録が残らない職場や、案件ごとに事情が違って過去の回答を再利用しにくい相談ごと(個別の労務トラブルや例外的な社内調整など)では、同じ形では回りません。事前にFAQと運用ルールを整える工数を確保できるかも、実行可能性を分けます。
まずは直近1か月に自分の部署へ届いた質問を眺め、そのうち何割が「同じ答えを返した」ものかを数えてみる。その比率が、この仕組みの効き目を占う最初の手がかりになります。
この事例は2024年9月時点の情報です。AI分野は変化が速いため、現在は同様の取り組みをより短い期間・少ない負担で実現できる場合があります。
プロジェクト解析
プロジェクト内容
AIツール・サービスの提供形態
導入部門・データ活用
導入部門:全社共通・汎用業務
活用したデータ:文書・ナレッジ
採用したAI技術・ツール
採用したAI技術:テキスト・言語AI
AIモデル・ツール
連携ツール
連携したシステム・外部サービス
プロジェクト実施・導入企業
株式会社PKSHA Technology
社内問合せ対応を自動化する「PKSHA AI Helpdesk(AI ヘルプデスク)」をはじめ、AI FAQ Assistant、ChatAgent、VoiceAgent などのお客様対応向けサービスと、AIバックオフィス、AI依頼管理、AIタスク実行などの社内対応向けサービスを提供する企業。
KMバイオロジクス株式会社
出典・参考情報
導入事例|KMバイオロジクス株式会社〜FAQ自動生成と案件管理の統合により、メンテナンスコストを大幅削減しながら、半数以上の問合せ対応自動化に成功!〜
発行元:株式会社PKSHA Technology
掲載企業の方へ:本記事は公開情報をもとに作成しています。内容の修正・削除、または貴社確認のうえでの公式掲載をご希望の場合はこちらからご連絡ください。
