更新 2026.08.17
山岳トンネル工事の点検時間を40%削減、チャットで設備状況を確認するAI活用
※イメージ画像です

取り組み概要
やさしく事例解説
プロジェクト解析
実施・導入企業
こんな方へおすすめのAI解説です
- 監視する画面が増えすぎて煩雑
- 日々の点検作業に時間がかかる
- 危険な現場を離れた場所から把握したい
どのようなAIの取り組み?
使い慣れたチャットツールから会話形式で設備の稼働状況を確認できるようにし、山岳トンネル工事現場の点検時間を40%削減したAI取り組み
業種
総合建設業(建設)
取り組み領域
工事現場の設備監視・点検
使ったAI
生成AIアシスタント「BizStack Assistant」
主な成果
日々の点検作業時間を40%削減
山岳トンネル工事の現場に、MODE, Inc.が提供する統合型IoTプラットフォーム「BizStack」と、生成AIを使ったアシスタント機能「BizStack Assistant」が導入されました。現場監督者は手元のスマートフォンから、普段使っているチャットツールに話しかける感覚でポンプなどの設備の稼働状況を確かめられます。異常が起きた場面では、センサーやカメラが捉えたデータに加え、復旧手順をまとめたナレッジもチャット上に呼び出せるよう設計されています。複雑な画面操作を挟まずに必要な情報へたどり着ける環境が整い、日々の点検作業にかかる時間は40%削減されました。
出典:BizStack Assistant導入事例 西松建設株式会社|MODE, Inc. 発行元:MODE, Inc.
やさしく事例解説
何に困って、AIを入れたのか
トンネル工事の現場には多数のセンサーが張りめぐらされ、それぞれに対応するダッシュボードが動いていました。ポンプ一台の稼働を確かめるにも複数のシステムをまたぐ必要があり、画面の操作を覚えるところから始めなければならない。監視モニターが増えるほど、管理の負担も積み上がっていきます。
編集部の見立てでは、この困りごとの本質はデータの不足ではありません。むしろデータは十分に集まっていて、詰まっていたのは集めたあとの取り出し口でした。センサーを増やすほど現場の状況は精緻に映し出される一方、それを読み解くための操作量も比例して膨らんでいく。可視化を積み上げた結果として把握そのものが重くなるという逆転が、暗く狭いトンネルという一刻を争う環境で表面化していたのではないでしょうか。
どうやって、うまくいったのか
情報の入口を新しい専用画面ではなく、現場監督者が普段から使っているチャットツールに寄せた設計が、この取り組みの核にあります。自然な会話でたずねれば設備の稼働状況が返ってくる形にしたことで、操作の習得という工程そのものが手前から消えました。現場に新しいツールを持ち込むとき、最後に立ちはだかるのは機能不足よりも「覚えるのが面倒」という壁です。既存の習慣の上に情報アクセスを載せる判断は、その壁を回避する現実的な解と言えます。
もう一つ効いているのは、可視化で止めず、異常時の復旧手順というナレッジまで同じ導線に載せた点です。センサーやカメラのデータを見られるだけでは、監督者は「何が起きているか」を知った時点で止まり、次に取るべき行動は別の場所へ探しに行くことになります。データと手順を同じチャット上で連続して引き出せるようにした設計は、状況把握と初動判断のあいだにあった切れ目をなくす狙いだと読み取れます。
土台としては、複数のシステムに散っていたデータを統合型のIoTプラットフォームで束ね、その上に生成AIのアシスタント機能を重ねる二層の構成が採られています。基盤とアシスタント機能はMODE, Inc.が提供し、現場側は山岳トンネル工事という固有の使いどころを持ち込む。この役割分担があったからこそ、チャットという入口の手軽さと、裏側で複数系統のデータを引き当てる仕組みが両立したと考えられます。スマートフォンを起点に据えた点も、坑内という移動の多い環境では効いているはずです。
具体的に、どんな成果が出たのか
改善・向上したこと
推進したこと
この事例で出た成果
直感的に情報へアクセスできる環境が整ったことで、日々の点検作業時間は40%削減されました。異常発生時も現場のデータと復旧手順を素早く呼び出せるようになり、初期対応のスピードが大きく向上しています。暗く狭いトンネル内で大型施工機械が稼働する危険な現場を、遠隔からリアルタイムに把握できるようになった点は、作業員の安全確保にもつながっています。今後は研究開発拠点「N-フィールド」でのテストを経て、ダムや道路、ビルなど多様な建設現場への横展開が目指されています。
うちでも使える?
この手法が効くのは、設備の状態がすでに機械で読み取れる形になっていて、なおかつ「その情報を取り出す作業」が担当者の負担になっている場面です。工場のライン、物流倉庫の設備、ビル設備の管理など、センサーは入れたものの確認画面が増える一方という状況なら、入口をチャットに一本化する発想はそのまま検討に値します。異常時の復旧手順が文書として残っているかどうかも、応用の可否を分ける条件になります。手順が特定の担当者の頭の中にしかない状態では、チャットから呼び出せる中身が用意できません。
逆に、判断の主軸が数値ではなく目視や打音、においといった人の感覚にある点検では、同じ効果は期待しにくいでしょう。機器がネットワークにつながっておらず、記録が紙や手入力のままの現場も、まず接続の話から始める必要があります。
最初の一歩としては、直近で異常対応にあたった一件を選び、担当者がどの画面をどの順で開き、どこで手が止まったかを追いかけてみてはいかがでしょうか。その道順の長さが、そのまま短縮できる余地の大きさを示します。
プロジェクト解析
プロジェクト内容
AIツール・サービスの提供形態
導入部門・データ活用
導入部門:全社共通・汎用業務
活用したデータ:文書・ナレッジ
採用したAI技術・ツール
採用したAI技術:テキスト・言語AI
AIモデル・ツール
連携ツール
連携したシステム・外部サービス
プロジェクト実施・導入企業
MODE, Inc.
BizStackおよびBizStack Assistantを提供する企業。東京オフィス(東京都千代田区)とサンフランシスコオフィス(米国カリフォルニア州)を持つ。
西松建設株式会社
出典・参考情報
BizStack Assistant導入事例 西松建設株式会社|MODE, Inc.
発行元:MODE, Inc.
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