実施 2025.06 ・ 更新 2026.08.17
NECライベックスが弁当販促で販売数200%、AIで社内向け店舗の客層を可視化
※イメージ画像です

取り組み概要
やさしく事例解説
プロジェクト解析
実施・導入企業
こんな方へおすすめのAI解説です
- 施策の当たり外れが担当者の勘頼み
- 人数が足りず販促物の制作が追いつかない
- 客層が特殊で一般の市場データが使えない
どのようなAIの取り組み?
クレジットカードの購買データと複数のAIを組み合わせ、社員向け売場ごとの顧客の好みを可視化して弁当の販売数量を利用前の200%に伸ばしたAI取り組み
業種
オフィスコンビニ運営(福利厚生サービス)
取り組み領域
マーケティング/販促企画・制作
使ったAI
マーケティング施策立案ソリューション「BestMove」(画像生成AI・予測AI等)
主な成果
弁当の販売数量が利用前の200%に到達
NECグループの社員に向けてオフィスコンビニや複合施設などの福利厚生サービスを運営するNECライベックスは、利用者が社員に限られる閉じた市場のなかで、販促の企画をどう組み立てるかという問題を抱えていました。ここで使われたのが、NECが提供するマーケティング施策立案ソリューション「BestMove」です。大手クレジットカード会社の購買データにNEC独自の属性拡張技術を重ねて拠点ごとの利用者の好みを浮かび上がらせたうえで、ブログや口コミから仮説を集める仕組み、施策の反応を事前に見積もる仕組み、ポスター用のビジュアル案を作る画像生成AIまでを一続きに使う進め方が取られました。ある弁当の販売プロモーションでは、販売数量が利用前の200%に達しています。
出典:クローズドマーケットの壁をAIで突破 売上200%を実現したNECライベックスの挑戦 発行元:日本電気株式会社
やさしく事例解説
何に困って、AIを入れたのか
利用者がNECグループの社員に限られるため、世の中一般の市場分析やマーケティングの定石がそのままでは当てはまらず、何をどう売るかの判断はバイヤーや担当者の経験則に委ねられていました。加えて社内のクリエイターの手が足りず、企画が固まっても販促物の制作が追いつかない状態が続いていました。
人手不足のひとことで片づけたくなる状況ですが、編集部の見立てでは、困りごとの中心にあったのは制作能力の総量ではなく、限られた制作時間をどの企画に注ぎ込むべきかを決める客観的な根拠が存在しなかったことにあります。確信の持てない企画は優先順位を上げにくく、結果として制作は後回しになり、プロモーションが後手に回る。根拠の不在が、リソース不足という体感をいっそう強めていたのではないでしょうか。
どうやって、うまくいったのか
一般的な市場データが効かない相手を、外部データの読み替えによって捉え直した点が、この取り組みの出発点になっています。素材となったのは大手クレジットカード会社のビッグデータで、そこにNEC独自の属性拡張技術を重ねることで、年齢や性別といった標準的な区切りではなく「職域販売」という自社の実態に近い条件で顧客層を絞り込めるようにしました。自前のデータがないから分からない、と結論づけずに、外にある大きなデータを自社の商圏の形に切り直す発想が、拠点ごとに異なる趣味嗜好の可視化を可能にしたと考えられます。
ニッチな商品ほど判断材料が乏しくなるという弱点を、統計以外の情報源で補う設計も効いています。NECの知見発見技術、いわゆるThinkWell技術を使い、個人のブログや口コミサイトといった雑多なオープンデータをたどりながら連鎖的に情報を集め、仮説を立てては評価する作業を自動で繰り返す仕組みが組まれました。そこへ反応予測AIや、わずかな手がかりから規模を概算するフェルミ推定をAIに担わせる工程を挟み、施策の効果を実行前に見積もる段取りが加わっています。仮説を数多く出す工程と、出したものを絞り込む工程が分けられ、人の役割が「決めること」に寄せられた構成と読めます。
分析で終わらせず、販促物の制作までを同じ流れに載せた点も見逃せません。広告見出しやキャッチコピーに合うビジュアル案を画像生成AIが即座に提示することで、企画とアウトプットの間にあった待ち時間そのものを削る設計になっています。さらに、うまくいった施策の中身をナレッジ共有AIや施策案学習AIが部門内に蓄積・共有していく構えを取っており、これは一度きりの効率化ではなく、経験則頼みへの逆戻りを防ぐ装置として働くはずです。
具体的に、どんな成果が出たのか
改善・向上したこと
推進したこと
この事例で出た成果
ある弁当の販売プロモーションでは、狙う層に合わせたクリエイティブとキャッチコピーのポスターを展開し、短時間で完売、販売数量は利用前の200%に達しました。企画検討から販促物制作までの時間も大幅に短縮され、少人数のままスピードを出せる状態になっています。現場からは、導き出されるアウトプットに根拠と信憑性があるため安心して施策を実行できるという声が上がっており、今後は日用品や食料品といった最寄り品、健康保険組合と連携した家庭用常備薬の拡販へと活用領域を広げることが期待されています。
うちでも使える?
相性がよいのは、利用者が会員や特定の所属者に限られていて、世間一般の市場調査がそのままでは当てはまらない事業です。社員向けの購買や食堂、組合員向けサービス、特定業界だけを相手にする販売など、母集団が閉じているぶん、外部の購買データを条件付きで読み替える余地が大きい領域では、同じ考え方を試す価値があります。
一方でこの進め方は、売場の品揃えやポスターを短い周期で入れ替えられること、そして結果が販売数として早く返ってくることを前提にしています。商談期間が長く一件ごとの受注で成否が決まるビジネスや、扱う商品を簡単に差し替えられない業態では、同じ回し方は成立しにくいでしょう。AIが出した仮説や案をそのまま採用するのではなく、どれを使うかを見極める担当者の目も欠かせません。
まず試すなら、直近で売れた商品と売れなかった商品を一つずつ選び、なぜそうなったと考えているかを担当者に言葉にしてもらうところから。勘の中身が文章になって初めて、データで確かめられる問いになります。
この事例は2025年6月時点の情報です。AI分野は変化が速いため、現在は同様の取り組みをより短い期間・少ない負担で実現できる場合があります。
プロジェクト解析
プロジェクト内容
AIツール・サービスの提供形態
導入部門・データ活用
導入部門:マーケティング
活用したデータ:文書・ナレッジ
採用したAI技術・ツール
採用したAI技術:テキスト・言語AI
AIモデル・ツール
プロジェクト実施・導入企業
NEC
マーケティング施策立案ソリューション「BestMove」を提供。大手クレジットカード会社のビッグデータと生成AI、独自の属性拡張技術や知見発見技術(ThinkWell技術)を活用し、顧客の趣味嗜好性の見える化や顧客の絞り込みを実現する。
株式会社NECライベックス
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