実施 2024.10 ・ 更新 2026.08.17
通話をその場で文字化する音声認識AI、北國銀行のコンタクトセンター支援
※イメージ画像です

取り組み概要
やさしく事例解説
プロジェクト解析
実施・導入企業
こんな方へおすすめのAI解説です
- 問い合わせが増えて対応が追いつかない
- メモを取りながらの電話応対がつらい
- クレームの兆しに気づくのが遅れる
どのようなAIの取り組み?
音声認識AIで通話をその場で文字にし、電話応対の負担軽減と管理体制の強化に取り組んだAI取り組み
業種
銀行(金融)
取り組み領域
コンタクトセンター/電話応対
使ったAI
音声認識AI(PKSHA Speech Insight)
主な成果
手書きメモが不要になり、応対品質が向上
北國銀行は、約120名のスタッフが顧客対応にあたるコンタクトセンターに、株式会社PKSHA Communicationが提供するオペレーター業務高度化AIアシスタント「PKSHA Speech Insight」を導入しました。高精度な音声認識AIが顧客との通話をリアルタイムでテキストに変換し、応対中のオペレーターがその内容を目で追える仕組みです。あわせて、スーパーバイザー(SV、オペレーターを統括する立場の管理者)向けには、特定のキーワードや要因を検知するとアラートを出すモニタリング機能が備えられています。導入にあたってはPKSHAグループの開発力を活かした個別カスタマイズが行われ、中長期的な業務改善を見据えた柔軟なシステム連携基盤も整えられました。手書きメモを取りながら情報を検索するという煩雑な作業から解放され、聞き返しや質問の重複が減っています。
出典:北國銀行、コンタクトセンター業務高度化AI「PKSHA Speech Insight」を導入 | 株式会社PKSHA Technologyのプレスリリース 発行元:株式会社PKSHA Technology
やさしく事例解説
何に困って、AIを入れたのか
店舗の統廃合によって対面で片づいていた用件が電話に流れ込み、デジタル化・キャッシュレス化によって顧客のニーズそのものも多様になりました。その結果、問い合わせ件数が増えただけでなく、一本一本の応対内容が複雑になり、オペレーターの負担が重くのしかかっていました。
編集部の見立てでは、この困りごとの本質は件数の多さそのものではなく、一本の通話のなかでオペレーターが同時に背負う作業の重なりにあります。相手の話を聞き取り、要点を手で書き留め、さらに手元で情報を検索する——この三つが並行して走る状態では、通話が複雑になるほど処理しきれない部分が生まれます。人を増やして本数をさばけるようにしても、一本あたりの負荷は変わりません。数ではなく密度の問題として立ち上がっていたからこそ、増員ではなく応対中の作業そのものを軽くする方向が選ばれたのではないでしょうか。
どうやって、うまくいったのか
音声認識AIの出力先を、事後にまとめる記録ではなく応対中のオペレーターの手元に置いた設計が、この取り組みの起点になっています。通話を文字に起こす技術自体は珍しいものではありませんが、多くの場合その用途は応対後の記録や分析に向かいます。ここでは書き起こしが会話と同時に目の前に現れるため、記憶しておくための手書き作業を丸ごと外すことができました。オペレーターの手と注意を、検索や対話といった人間にしかできない部分へ振り向けさせる配分の変更だったと読めます。
同じ音声テキストをSV側の監視に二次利用した組み立ても、実運用を成り立たせた要素です。約120名規模のセンターで進行中の通話をすべて人が聞き続けるのは現実的ではなく、SVの目は構造的に足りません。特定のキーワードや要因を機械が拾い、判断と介入は人が担うという分業にすることで、限られた人数でも異変に手を届かせる形が組まれています。文字化という一つの土台から、現場支援と管理強化という性格の違う二つの機能を同時に引き出した点に、この設計の効率のよさがあります。
提供元であるPKSHA Communicationと組み、個別カスタマイズと連携基盤の整備まで導入時に踏み込んだ進め方も、この事例に固有の判断でしょう。金融の窓口では商品名や手続きの呼称など、その組織でしか使われない言葉が通話に頻出します。既製の仕組みをそのまま当てるのではなく、開発元の技術力を前提に中長期の業務改善まで見据えた基盤を敷いたことが、機能を後から足していける余地を残しています。
具体的に、どんな成果が出たのか
改善・向上したこと
推進したこと
この事例で出た成果
リアルタイムの書き起こしによって手書きメモが不要になり、オペレーターが顧客との対話に集中できる環境が整いました。不必要な聞き返しや質問の重複が減り、応対はスムーズになっています。SVはアラートを手がかりにクレームやトラブルの予兆を早期に発見し、素早くサポートへ入れる体制が確立されました。加えて、自分の応対が文字として可視化されたことで、オペレーターが言葉遣いや伝わりやすい話し方を自ら意識するようになり、応対品質の向上につながっています。この最後の変化は機能として狙ったものというより、可視化がもたらした副次的な効果として起きた点が興味深いところです。
うちでも使える?
この形が効きやすいのは、業務の中身が音声として全部そこに現れる仕事です。インサイドセールスやITヘルプデスクのように、複雑な会話を交わしながら同時に調べものや記録をこなす電話業務であれば、業種を問わず考え方を持ち込めます。逆に、対応の要点が言葉ではなく画面操作や書類の中にある業務では、通話を文字にしても得られるものは限られます。
導入の可否を分けるのは、むしろ言葉の扱いです。業界特有の専門用語や方言が飛び交う現場では認識の精度がそのまま使い勝手を左右するため、辞書登録やAIモデルの調整を続けられる担当と手順を用意できるかが前提になります。アラートについても、検知した後に動ける人が配置されていなければ、通知が積み上がるだけで終わりかねません。
まずは直近でSVが途中から入った通話を数件思い出し、どの言葉が出た時点なら気づけたかを並べてみる。そこに共通の語句が見つかるなら、検知で拾える性質の業務です。
この事例は2024年10月時点の情報です。AI分野は変化が速いため、現在は同様の取り組みをより短い期間・少ない負担で実現できる場合があります。
プロジェクト解析
プロジェクト内容
AIツール・サービスの提供形態
導入部門・データ活用
導入部門:顧客対応・サポート
活用したデータ:音声・音響
採用したAI技術・ツール
採用したAI技術:音声AI
AIモデル・ツール
連携ツール
連携したシステム・外部サービス
プロジェクト実施・導入企業
株式会社PKSHA Communication
「Weave Trust:企業と顧客の信頼性を紡ぎ、コミュニケーションを”選ばれ続ける理由”へ」を事業ビジョンに、コンタクトセンターに最適化された複数のAI SaaSと、企業ごとの多様なニーズに応えるAI Solutionを組み合わせた「AI Suite for Contact Center」の開発・提供を行う。株式会社PKSHA Technologyのグループ会社。
株式会社北國銀行
出典・参考情報
北國銀行、コンタクトセンター業務高度化AI「PKSHA Speech Insight」を導入 | 株式会社PKSHA Technologyのプレスリリース
発行元:株式会社PKSHA Technology
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