実施 2023.05 ・ 更新 2026.08.17
りそな銀行が年130万時間を削減、現場主導のノーコード開発による業務自動化
プロジェクト期間:3年以上
※イメージ画像です

取り組み概要
やさしく事例解説
プロジェクト解析
実施・導入企業
こんな方へおすすめのAI解説です
- 紙の回覧と押印で仕事が止まる
- ファクス照会の回答待ちが長い
- IT部門任せで改善が進まない
どのようなAIの取り組み?
ローコード・ノーコード開発ツールと内製したRPAで紙の回覧や手作業を電子化し、グループ全体で年間130万時間の業務削減につなげた取り組み
業種
銀行業(金融)
取り組み領域
バックオフィス業務/事務処理の自動化
使ったAI
ローコード・ノーコード開発ツール「Pleasanter」+内製RPA
主な成果
グループ全体で年間130万時間の業務を削減
りそな銀行は2017年からRPAによる自動化を進めてきましたが、紙の回覧や押印を前提とした業務はそもそもシステム化されておらず、自動化の対象にできない状態が残っていました。そこで導入されたのが、インプリムのローコード・ノーコード開発ツール「Pleasanter(プリザンター)」です。外国為替業務では未処理取引の管理簿をシステム化し、交渉記録を電子化することで紙の回覧と押印を廃止。不渡・取引停止情報の照会業務では、手形交換所が提供するCSVデータに着目し、Excel VBAで内製したRPAツールで毎日自動取得して蓄積するWebデータベースを構築しました。開発は業務部門が主導し、外部ベンダーのシステムエンジニアが常駐してマンツーマンで開発手法を教える体制が組まれています。
出典:りそな銀行、RPAとローコード/ノーコード開発で年130万時間の業務を削減 | IT Leaders 発行元:IT Leaders
やさしく事例解説
何に困って、AIを入れたのか
外国為替業務の未処理取引の管理簿では、紙の回覧と押印が延々と繰り返されていました。不渡・取引停止情報の照会業務では、手形交換所へファクスで問い合わせ、回答が返るまで半日を要していました。
ここで注目したいのは、この銀行がすでに数年にわたってRPAを回してきた組織だという点です。困りごとの本質は「自動化する道具がなかったこと」ではなく、道具が働ける形のデータが業務の入口に存在しなかったことではないでしょうか。RPAは画面上の操作を代行する仕組みですから、起点が紙の束であれば手の掛かりようがありません。自動化を進めた組織ほど、残るのは自動化できない業務ばかりになっていく——編集部の見立てでは、この事例が向き合ったのは、そうした自動化の頭打ちの局面です。
どうやって、うまくいったのか
紙の回覧を温存したまま自動化を重ねるのではなく、回覧と押印という手続きそのものを作り替えた設計が効いています。外国為替業務では、未処理取引の管理簿をシステム上に置き、交渉記録も電子化しました。誰がどの取引をどこまで見たのかが押印ではなくデータとして残る形に変わったわけで、この転換があってはじめて、後続の自動化が接続できる土台が生まれます。
もう一つの要因は、手形交換所が提供するCSVデータに目をつけた発想の切り替えです。「ファクスの回答を待つ」という前提を、「配布されているデータを毎日取りに行く」という前提に置き換えたことで、待ち時間そのものが業務から消えます。しかもその取得役を担ったのは、Excel VBAで内製されたRPAツールでした。現場が扱い慣れた道具を使う選択は、要件定義や見積もりのやりとりを挟まずに手を動かせるという意味で、内製化の速度に直結する判断だと考えられます。
三つ目は、開発能力そのものを業務部門へ移す体制づくりです。外部ベンダーのシステムエンジニアが常駐し、担当者にマンツーマンで開発手法を教え、月例会でグループ各社の成功事例を回す。ツールを配って終わりにせず、つまずいた時に隣に聞ける相手と、他部署の成功例が流れてくる経路を同時に用意した点に、この伴走支援の設計意図が表れています。
具体的に、どんな成果が出たのか
改善・向上したこと
推進したこと
この事例で出た成果
業務部門でRPA開発を経験した担当者は約400人に達し、稼働中のロボットは3000を超えました。グループ全体の業務削減時間は年間130万時間で、そのうちローコード・ノーコード開発が関係するシステムによる削減が41万時間を占めています。個別業務では、外国為替業務のシステム化で年間3200時間、不渡・取引停止情報のWebデータベース構築で年間7500時間の削減。現場のスタッフ自らが業務改善に取り組む文化が定着したことも、時間の数字と並ぶ到達点として示されています。
うちでも使える?
相性がよいのは、紙の回覧や押印が手順として残っていて、なおかつ扱う情報が本来は定型的に整理できる業務でしょう。とりわけ、取引先や公的機関から定期的に届く情報を人が転記している業務は、この事例の不渡・取引停止情報の照会に近い構図です。元データが電子的な形で配布されていれば、手順を丸ごと組み替えられる余地があります。
一方で、そのまま真似しにくい条件もあります。システムエンジニアが常駐して一人ひとりに教える体制は相応の人手と期間を要するため、支援を数か月で切り上げれば、作れる人が育つ前に開発が止まる可能性があります。また、押印やファクスが社外との取り決めや慣行として決まっている業務は、自社の判断だけでは廃止できません。まずは、いま人が転記している外部からの情報について、その元データがCSVやWeb上で配布されていないかを一件だけ確認してみる。手順を変えられる業務かどうかは、その一点で見当がつきます。
この事例は2023年5月時点の情報です。AI分野は変化が速いため、現在は同様の取り組みをより短い期間・少ない負担で実現できる場合があります。
プロジェクト解析
プロジェクト内容
AIツール・サービスの提供形態
導入部門・データ活用
導入部門:全社共通・汎用業務
活用したデータ:帳票・紙の資料
採用したAI技術・ツール
採用したAI技術:テキスト・言語AI
AIモデル・ツール
連携ツール
連携したシステム・外部サービス
プロジェクト実施・導入企業
りそな銀行
りそなグループの銀行。本店は大阪府大阪市。業務プロセス改善のため、RPAとローコード/ノーコード開発ツールを活用し、業務部門みずからシステムを内製化している。
出典・参考情報
りそな銀行、RPAとローコード/ノーコード開発で年130万時間の業務を削減 | IT Leaders
発行元:IT Leaders
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