実施時期: 2025年01月|2026.06.02 最終更新
プロジェクト期間: 半年未満
※イメージ画像です

プロジェクト概要
アプローチと成果
カテゴリー詳細
お問い合わせ
こんな課題を持つ企業におすすめの事例です
日本航空株式会社(JAL)は、DX戦略の一環としてAI活用を積極的に推進し、顧客体験価値の向上や安全な移動の提供を目指しています。しかし、客室乗務員が働く機内は通信環境が不安定であり、一般的なクラウド型AIの利用が困難でした。また、航空業界特有の専門用語が多く存在することも、AI導入の壁となっていました。
現場では、フライト中の限られた時間内で引き継ぎレポートを作成しなければならず、作業に集中できる時間の確保が難しいため、残業が発生するという課題を抱えていました。こうした背景から、通信環境に依存せずに機内で活用できるAIの導入が急務となっていました。
富士通と株式会社ヘッドウォータースは、オフライン環境下でも稼働するMicrosoftの小規模言語モデル(SLM)「Phi-4」を採用し、「業務特化型オンデバイス生成AI」の開発を支援しました。プロジェクトでは、デジタルテクノロジー本部と客室本部が連携して現場の課題を洗い出し、多数のユースケースの中から「フライト中の引き継ぎレポート作成」をテーマに選定しています。開発にあたっては、JALの過去のレポートデータをAIに学習させることで、航空業界特有の専門用語にも対応し、高精度な日本語および英語の文章を自動生成する特化型モデルを構築しました。
その後、リーダークラスの客室乗務員を対象に実証実験を実施し、実際の業務環境における有用性を検証しています。
改善・向上したこと
業務の自動化
対応時間・リードタイムの短縮
エラー・ミスの削減
社内ナレッジ活用
推進したこと
プロトタイプ開発(PoC)
実証実験の結果、客室乗務員の引き継ぎレポート作成時間を最大で3分の1に短縮することに成功しました。これにより、乗務員が旅客サービスに注力できる時間を新たに創出しています。また、AIがJAL仕様の標準的なレポートを生成することで、内容の修正発生率が低下し、管理者を含めたレポート業務全体の工数抑制にもつながりました。
今後は、対象となるレポートの種類を拡大し、全客室乗務員への展開を目指してプロジェクトを推進しています。
全社共通・汎用業務
AIによる定型業務の自動化
社内専用AIアシスタント構築
文書・ナレッジ
日報・議事録・メール履歴
採用したAI技術
テキスト・言語AI
文章自動生成
ライティング支援
自動要約
レポート作成
AIモデル・構築手法
(RAG / ファインチューニング / 他)
エッジAI(端末側で処理し外部にデータを出さない)
ローカルLLM(ローカル環境で動き外部にデータを出さない)
生成AI・LLMサービス
構築・利用したデータ基盤・インフラ
エッジデバイス・IoT機器
WarpBiz編集部の事例考察
本事例の成功の最大の要因は、機内という通信環境の制約を、オフラインで稼働する小規模言語モデル(SLM)の採用によって突破した点にあります。このアプローチは、地下施設や海上、建設現場など、通信インフラが不安定な他業種の現場業務にも広く応用できるでしょう。導入にあたっては、自社特有の専門用語を正確に学習させるための良質な過去データの準備が不可欠です。同様の現場課題を抱える企業は、エッジAIやSLMを活用した事例もぜひ参考にしてみてください。
関連度の高い事例を選定しています。少しお待ちください。