実施 2025.05 ・ 更新 2026.08.17
現場確認60分が3分に、高速道路の車線規制をIoTと生成AIで可視化した実証実験
※イメージ画像です

取り組み概要
やさしく事例解説
プロジェクト解析
実施・導入企業
こんな方へおすすめのAI解説です
- 現場の状況確認に時間を取られている
- 現場担当者に問い合わせが集中している
- 毎月の報告集計を手作業でやっている
どのようなAIの取り組み?
高速道路工事の車線規制について、位置情報と現場映像をIoTと生成AIで一元化し、1日約60分かかっていた状況確認が約3分になることを確かめた実証実験の取り組み
業種
建設業(土木・インフラ)
取り組み領域
高速道路工事の車線規制帯管理
使ったAI
生成AIアシスタント+IoTプラットフォーム(BizStack / BizStack Assistant)
主な成果
実証実験で現場確認時間が1日約60分から約3分へ短縮
高速道路のリニューアル工事で車線規制を行う鉄建建設株式会社が、規制帯の管理をIoTと生成AIで支える実証実験に取り組みました。MODE, Inc.のIoTプラットフォーム「BizStack」と、生成AIを使ったアシスタント機能「BizStack Assistant」を組み合わせ、規制帯の起点・終点や工事車両の出入口にある保安設備の位置をGPSで計測して一つの画面に集約。現場カメラの映像と地図上の位置は、普段使いのチャットアプリから呼び出せるようにしました。あわせて規制履歴を一括出力する機能も追加し、月次報告の集計を自動化しています。実証では、現場確認に要する時間や問い合わせ回数、集計作業の負荷がどう変わるかが検証されました。
出典:IoTと生成AIで高速道路リニューアルプロジェクトの安全管理を革新!~MODEと協業の実証実験成果~ | 鉄建建設株式会社 発行元:鉄建建設株式会社
やさしく事例解説
何に困って、AIを入れたのか
車線規制を伴う床版の取替工事では、規制帯がいまどうなっているかを安全のために絶えず把握し続けなければなりません。従来は現場に常駐する規制管理者へ無線や電話での問い合わせが集中し、状況を自分の目で確かめるには移動を含めて1日およそ60分。毎月の報告に向けた集計も、手作業で積み上げる必要がありました。
編集部の見立てでは、困りごとの本質は問い合わせの件数そのものではなく、規制帯の位置や保安設備の状態といった一次情報が、常駐している特定の人の目と記憶の中にしか置かれていなかった点にあります。情報の入口がひとりに絞られていれば、工事に関わる人が増えるほど連絡はその一点へ集まり、確かめるたびに移動が発生する。人的負荷の高さは働き方の問題というより、情報の置き場所が決まっていない構造から生まれていたのではないでしょうか。
どうやって、うまくいったのか
まず効いたのは、規制帯の起点・終点や保安設備の位置をGPSで計測し、地図上の座標としてプラットフォームに載せた設計だと考えられます。人が見て言葉で説明していた「どこに何があるか」を、誰が参照しても同じ値になる形へ置き換えたわけです。ここに外部の渋滞情報サービスを結びつけたことで、規制を続けるか緩めるかという判断が、現場からの伝言を待たずに材料の揃った状態で行えるようになりました。位置という共通の座標軸を先に用意したことが、後続の仕組みすべての土台になっています。
次に注目したいのが、情報の呼び出し口を新しい専用画面ではなく、すでに使われているチャットアプリに寄せた点です。生成AIのアシスタント機能を介して、カメラ映像や地図上の位置を会話の流れの中で取り出せるようにした構成は、屋外で作業する人に新しい操作を覚えさせない現実的な落としどころだと言えます。工事現場では手袋や騒音といった制約があり、操作の手数がわずかに増えるだけで使われなくなる。使う場所を変えずに情報だけを届ける割り切りが、実運用に耐える鍵になったのではないでしょうか。
三つ目は、リアルタイムの可視化で止めず、規制履歴の一括出力まで射程に入れたことです。位置情報を継続的に取得していれば、その記録はそのまま報告の材料になります。日々の確認を楽にする仕組みと、月次の事務作業をなくす仕組みを別々に作らず、同じデータから両方を引き出す組み立てにした判断が、投じた手間に対する回収の幅を広げています。
具体的に、どんな成果が出たのか
改善・向上したこと
推進したこと
この事例で出た成果
実証実験では、情報が一か所に集まったことで規制管理者への問い合わせ回数が大幅に減り、現場の人的負荷が軽くなりました。チャットアプリからリアルタイムに映像を確認できるようになった結果、1日あたり約60分を要していた現場状況の確認は約3分程度まで短縮されています。規制履歴が自動で記録され一括で出力できるようになったことで、毎月およそ100分かかっていた集計・記録作業も不要に。転記ミスが起きにくくなり、情報の正確さが増したという定性的な効果も確認されました。今後はセンシング情報を増やし、適用できる範囲を広げていく方針が示されています。
うちでも使える?
応用しやすいのは、作業の対象が広い範囲に散らばっていて、その状況を知る人が限られている現場です。工場構内の車両や資材の動き、屋外設備の点検、催事会場の配置管理などは、位置と映像という二つの情報で「いまどうなっているか」をかなりの部分まで表せます。判断に必要な情報が座標と画像に還元できるかどうかが、最初の見極めどころ。
一方で、この事例がうまくいったのは、規制帯の起点・終点や保安設備という、位置が定まっていて写せば状態が分かる対象を扱っていたからでもあります。音や振動、手触りといった目視以外の感覚が判断を左右する作業や、時々刻々と形が変わって画角に収まらない対象では、同じ形での置き換えは難しくなります。屋外の通信環境が不安定な場所も、リアルタイム性が前提の仕組みとは相性が良くありません。
まずは、現場へかかってくる問い合わせのうち、写真一枚と地図上の一点で答えが済むものがどれくらいあるか、数日分の通話や無線のやり取りを振り返ってみてはいかがでしょうか。その割合が高ければ、可視化の効果は見積もりやすくなります。
この事例は2025年5月時点の情報です。AI分野は変化が速いため、現在は同様の取り組みをより短い期間・少ない負担で実現できる場合があります。
プロジェクト解析
プロジェクト内容
AIツール・サービスの提供形態
導入部門・データ活用
導入部門:全社共通・汎用業務
活用したデータ:数値・Excel・ログ
採用したAI技術・ツール
採用したAI技術:テキスト・言語AI
AIモデル・ツール
連携ツール
連携したシステム・外部サービス
プロジェクト実施・導入企業
鉄建建設株式会社
高速道路リニューアルプロジェクトの床版取替工事などを手掛ける建設会社。MODE, Inc. と協業し、IoTプラットフォーム「BizStack」と生成AIアシスタント「BizStack Assistant」を活用した車線規制帯管理の実証実験を実施した。
出典・参考情報
掲載企業の方へ:本記事は公開情報をもとに作成しています。内容の修正・削除、または貴社確認のうえでの公式掲載をご希望の場合はこちらからご連絡ください。
