実施時期: 2025年09月|2026.05.19 最終更新
企業規模: 1,000人以上
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プロジェクト概要
アプローチと成果
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こんな課題を持つ企業におすすめの事例です
パナソニック コネクトは、2025年6月に「カスタマーハラスメント対応方針」を社外に向けて発信し、毅然とした対応をとることを宣言しました。翌7月にはグループ共通の対応マニュアルを社内に公開し、法律事務所との顧問契約を結ぶなど、全社的な相談体制の構築を進めてきました。
しかし、社内アンケート調査の結果、過去2年間でカスタマーハラスメントの疑いがある行為を受けた社員のうち、33%が「誰にも相談しなかった」と回答し、被害が潜在化している実態が浮き彫りになりました。こうした状況を重く受け止め、社員が一人で抱え込まずに気軽に相談できる環境を整備するため、AIを活用した新たなアプローチの検討を開始しました。
同社は、社内向けAIアシスタント「ConnectAI」の機能拡張として、カスタマーハラスメントに関する悩みや疑問に答える特化型AI「With(ウィズ)」を独自に開発し、社内展開を開始しました。このAIは、正当な理由のない過度の要求や時間拘束、脅迫、差別的発言などの相談が入力されると、社内マニュアルに基づいた適切な回答案を提示する仕組みです。
開発にあたっては、AIの回答精度を担保するための技術選定に工夫が凝らされています。一般的に社内データを活用するAIにはRAG(Retrieval-Augmented Generation)が用いられますが、RAGは参照するドキュメント量が増えると検索精度が低下し、回答が不安定になるという弱点があります。今回のプロジェクトでは、参照すべきデータが「対応例を含んだカスハラ対応マニュアル」のみと限定的であったことに着目し、生成AIが対象ファイルの全文を直接参照するCAG(Cache-Augmented Generation)技術をあえて採用しました。
改善・向上したこと
社内ナレッジ活用
品質・安全性向上
従業員満足度・働き方改善
推進したこと
AIガバナンス・リスク管理
AI活用の社内展開・定着
CAG技術を採用した結果、RAGを用いた場合と比較してAIの正答率が約1.3倍に向上するという定量的な成果が得られました。安定した高精度な回答が可能になったことで、社員はより確実な対応策を迅速に得られるようになっています。
この取り組みにより、カスタマーハラスメントに対する初動対応が強化されただけでなく、社員が安心して働ける心理的・物理的な職場環境の構築に大きく貢献しています。
自社活用(自社開発・活用推進)
全社共通・汎用業務
社内専用AIアシスタント構築
情シス・社内DX
社内ヘルプデスク自動化
バックオフィス・管理部門(人事・経理・法務)
社内規定検索・総務QAチャット
文書・ナレッジ
マニュアル・業務規定・FAQ
採用したAI技術
テキスト・言語AI
社内データ検索・Q&A
AIモデル・構築手法
(RAG / ファインチューニング / 他)
RAG(社内データ等をAIが参照して回答)
CAG(Cache-Augmented Generation)
その他のツール
WarpBiz編集部の事例考察
本事例の成功の最大の要因は、参照データがマニュアルのみという要件を見極め、一般的なRAGではなくCAGを採用して回答精度を劇的に引き上げた技術的判断にあります。このアプローチは、特定の社内規定やコンプライアンス・法務相談など、参照元が限定的で正確性が強く求められる他部門のヘルプデスク業務にも広く応用できるでしょう。ただし、CAGは対象ドキュメントのデータ量が膨大になると処理コストや速度に影響が出る可能性があるため、導入時はデータ規模に応じた技術の使い分けに注意が必要です。自社の課題やデータ環境に合った最適なAI技術の選定については、ぜひ他の事例記事もご覧ください。
B2Bソリューションの中核を担う事業会社。製造業100年の知見とソフトウェアを組み合わせたソリューションや高度に差別化されたハードウェアの提供を通じて、サプライチェーン、公共サービス、生活インフラ、エンターテインメントのお客様をつなぎ、「現場」をイノベートすることに取り組んでいる。
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