実施 2025.09 ・ 更新 2026.08.17
フジパンが社内コンテストで生成AIを全社に浸透、月295人日の削減効果
企業規模:1,000人以上
※イメージ画像です

取り組み概要
やさしく事例解説
プロジェクト解析
実施・導入企業
こんな方へおすすめのAI解説です
- 生成AIを入れたのに現場で使われない
- 社員ごとのAI習熟度の差が大きい
- AI活用を全社に広げたいが進まない
どのようなAIの取り組み?
全社員参加の生成AIコンテストを軸に活用を後押しし、月間約295人日分の業務時間削減効果を生んだAI取り組み
業種
食料品製造業(製造業)
取り組み領域
全社の業務効率化/社内AI活用推進
使ったAI
exaBase 生成AI(法人向け生成AI)
主な成果
月間約295人日分の業務時間削減効果
フジパン株式会社は、現場起点のDXを担う専門部署を中心に、株式会社エクサウィザーズの法人向けサービス「exaBase 生成AI」を全社へ導入しました。ツールを配って終わりにはせず、全社員を対象とした「生成AIチャレンジコンテスト」を1か月間開催し、個人賞と団体賞を設けて、日々の業務の小さな気づきから部門をまたぐ複雑な課題まで幅広くアイデアを募っています。期間中はエクサウィザーズの伴走支援を受けながらオンラインの活用講習会を開き、社内向けの情報発信も継続しました。集まった優れたアイデアのうち、商談準備の自動化や事業評価プロセスの効率化といったものは、AIへの指示文をひな形化したプロンプトテンプレートとして社内ポータルに登録され、個人の工夫が全社で使える資産へと組み替えられています。
出典:成功の鍵は「遊び心のあるコンテスト」。フジパンが全社を巻き込み、AI活用を“自分ごと化”させた戦略とは - 株式会社エクサウィザーズ 発行元:株式会社エクサウィザーズ
やさしく事例解説
何に困って、AIを入れたのか
生成AIの利便性に着目した一方で、現場からは「触っていいのか不安」「何に使えるかわからない」という戸惑いの声が上がり、社内には誰も明文化していないはずの「使ってはいけない」という空気が広がっていました。AI人材の不足、業務の属人化、現場ごとのDXリテラシーのばらつきも重なっています。
編集部の見立てでは、ここでの本質的な問題は技術力の差ではなく、使ってよいかどうかの判断が個人に預けられたまま放置されていた点にあります。判断の責任が個人に降りている状態では、慎重な人ほど手を出さず、結果として何も起きません。ツールを配っても動かないという現象は、能力の不足というより、最初に踏み出した人が損をしかねない構図が残っていたことの表れではないでしょうか。
どうやって、うまくいったのか
1か月という期限を切って全社員からアイデアを募るコンテスト形式が、最初の一手として効いたと考えられます。コンテストは、会社の側が公式に「試してよい」と宣言する装置であり、個人の裁量で手を出す行為を、参加という正当な行動へ置き換えます。賞という目に見える動機を添えたことで、様子見に回っていた層にも動き出す理由が生まれた。失敗しても構わない遊びの余白を残した設計も、この転換を後押ししています。
個人賞と団体賞を並立させた設計は、集まるアイデアの幅を意図的に広げる仕掛けとして機能しました。個人賞は日常業務の中の小さな気づきをすくい上げ、団体賞は一人では動かせない部門横断の課題へ目を向けさせます。片方だけであれば、身近な工夫ばかり、あるいは大掛かりな構想ばかりに偏っていたはずです。
優秀なアイデアをプロンプトテンプレートとして社内ポータルに登録する運用は、コンテストを一過性の催しで終わらせないための要でしょう。生成AIの使い勝手は指示の出し方に大きく左右され、その勘所が本人の中に留まる限り、効果は周囲へ広がりません。指示文をひな形として置き直せば、応募しなかった社員も出来上がった型から使い始められる。提供元のエクサウィザーズが伴走支援と全社向け講習会を担い、社内の推進部署が情報発信を続けるという役割分担も、この流れを支えています。
具体的に、どんな成果が出たのか
改善・向上したこと
推進したこと
この事例で出た成果
コンテストには想定を大きく上回る425件の応募が集まり、月間で約295人日分、時間にして約141,000分に相当する業務時間の削減効果が生まれました。事後アンケートでは9割以上の社員が次回も参加したいと回答しており、生成AIに向けた心理的なハードルが下がったことがうかがえます。あわせて社内に潜在していたAI関心層が多数見つかり、現在はグループ横断のAIプロジェクトチームが立ち上がりました。今後は事務作業の効率化にとどまらず、商品開発や顧客体験の改善へ活用を広げる展望が示されています。
うちでも使える?
この進め方が効きやすいのは、資料づくりや社外向け文面の作成、情報の整理といった文章仕事が、特定の部署ではなく全社に薄く広く散らばっている組織です。一人あたりの削減時間は小さくても、参加者の数がそのまま積み上がるため、コンテストという横断的な形式と相性がよいと考えられます。
一方で、製造ラインや配送のように就業時間中に端末へ向かう時間を取りにくい職種が多い場合、同じ土俵で競う形式は参加者が偏ります。また、高いセキュリティ水準と提供元の手厚いサポートがあったからこそ「触ってよい」と会社として言い切れた面もあり、利用範囲の線引きが曖昧なまま募集をかけると、かえって現場の不安を強めかねません。
最初の一歩は、大会を組むより小さくて構いません。次の定例で「今週AIに任せてみたこと」を一人ひと言ずつ話す時間を数分取り、うまくいった指示文はその場で共有フォルダへ貼っておく。型が2つ3つ溜まった時点で、初めて全社に広げるかどうかを考えても遅くはないはずです。
この事例は2025年9月時点の情報です。AI分野は変化が速いため、現在は同様の取り組みをより短い期間・少ない負担で実現できる場合があります。
プロジェクト解析
プロジェクト内容
AIツール・サービスの提供形態
導入部門・データ活用
導入部門:全社共通・汎用業務
活用したデータ:文書・ナレッジ
採用したAI技術・ツール
採用したAI技術:テキスト・言語AI
AIモデル・ツール
プロジェクト実施・導入企業
フジパン株式会社
出典・参考情報
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