実施時期: 2025年12月|2026.06.02 最終更新
※イメージ画像です

プロジェクト概要
アプローチと成果
カテゴリー詳細
お問い合わせ
こんな課題を持つ企業におすすめの事例です
キリンホールディングス株式会社では、これまでビールの香味における改善点の探索を、醸造家の知見と限定的なデータ分析を組み合わせて行っていました。しかし、職人の経験や暗黙知に依存する部分が大きく、より効率的かつ高精度な商品開発が求められていました。
一方で、同社には長年にわたり蓄積されてきた「お客様調査データ」と「成分分析データ」という膨大な資産が存在していました。そこで、これらのデータを最大限に活用し、お客様が感じる「おいしさ(官能評価)」に影響する重要成分を網羅的に特定するため、独自のAI開発プロジェクトを始動しました。
同社の飲料未来研究所は、お客様調査データと成分分析データをAIで統合した嗜好AI「FJWLA(フジワラ)」を独自に開発しました。このシステムは、お客様が「なぜおいしいと感じるのか」という定性的な評価を要因分解し、ビールづくりに直結させる技術です。
具体的には、基礎データから官能評価結果を予測し、各成分の寄与度を定量化する仕組みを構築しています。これにより、お客様調査で得られた香味の改善点を成分レベルで特定することが可能になりました。さらに、AIが導き出したデータと、これまで培ってきた醸造家の高度な知見を掛け合わせることで、理想とする香味を高精度に実現するアプローチを採用しています。
改善・向上したこと
対応時間・リードタイムの短縮
データ分析・意思決定支援
属人化解消
推進したこと
新サービス・製品開発
AI基盤・インフラ構築
本システムの導入により、醸造家は理想の香味実現に重要な成分を即時に把握できるようになり、試作設計や工程条件の検討が大幅に迅速化される見込みです。開発された「FJWLA」は、2026年3月以降に発売されるビール類から順次導入される予定です。 今後はビール類にとどまらず、RTDやワイン、清涼飲料などへ適用領域を拡張していく方針です。さらに、一連の解析技術とデータ基盤を「嗜好プラットフォーム」として位置づけ、市場での購買データなども統合することで、R&Dから商品開発、市場投入後の改善までを一気通貫で支援する体制の構築を目指しています。
自社活用(自社開発・活用推進)
__custom_business_scene__
新規事業開発
アイデア創出
製造
研究開発支援
数値・Excel・ログ
顧客リスト・会員属性(CRM)
品質検査・測定データ
採用したAI技術
AIモデル・構築手法
(RAG / ファインチューニング / 他)
機械学習(数値データからの予測・推論)
統計モデル(数値データに基づく傾向分析)
WarpBiz編集部の事例考察
本事例の最大の成功要因は、長年蓄積してきた顧客調査と成分分析という自社の独自データをAIと掛け合わせ、職人の暗黙知を定量的なデータで裏付けた点にあります。この「定性評価の定量化」というアプローチは、食品・飲料業界だけでなく、化粧品や日用品など、顧客の感覚的な評価が重要となる他業種の研究開発にも広く応用できるでしょう。導入にあたっては、AIの予測結果をそのまま鵜呑みにするのではなく、現場の専門家の知見と融合させる運用フローの設計が不可欠です。自社の独自データを活用した商品開発の高度化を検討される方は、ぜひ他のR&D領域のAI活用事例も参考にしてみてください。
ビールの香味成分を特定する嗜好AI「FJWLA」を独自に開発 | 2025年 | KIRIN - キリンホールディングス株式会社
発行元:キリンホールディングス株式会社
関連度の高い事例を選定しています。少しお待ちください。