実施 2025.07 ・ 更新 2026.08.17
パナソニック ホームズが顧客対応履歴を生成AIで統合、訪問準備を支える仕組み
※イメージ画像です

取り組み概要
やさしく事例解説
プロジェクト解析
実施・導入企業
こんな方へおすすめのAI解説です
- 顧客の過去のやり取りが担当者ごとにバラバラ
- 訪問前の資料探しに時間を取られている
- お客様の事情がベテランの頭の中にしかない
どのようなAIの取り組み?
物件情報と各接点の対応履歴を統合した基盤に生成AIを重ね、訪問担当者が必要な情報をその場で引き出せるようにしたAI取り組み
業種
住宅メーカー(建設・不動産)
取り組み領域
アフターサービス/訪問対応
使ったAI
生成AI「Gemini」(顧客データ統合基盤と連携)
主な成果
訪問前の情報収集・準備の手間を大幅に削減
パナソニック ホームズは、住宅の引き渡し後に続くアフターサービスを支えるため、訪問対応支援システム「P-GAIROS(ピー・ガイロス)」を開発し、全社での運用を始めています。中核にあるのは、オーナーの物件情報と、これまでさまざまな接点で積み上がってきた対応履歴をひとつにまとめた顧客データ統合基盤です。ここにGoogleの生成AI「Gemini」を組み合わせることで、メンテナンスやサポートのために訪問する担当者が、蓄積された膨大なデータの中から必要な情報を瞬時に引き出せるようにしました。住まいや暮らしのニーズが多様化し、労働人口も減っていくなかで、限られた人員のまま的確で迅速なアフターサービスを届ける体制をつくることが、この取り組みの出発点になっています。
出典:生成AIによるオーナーさま訪問対応支援システムの運用を開始 - プレスリリース - パナソニック ホームズ株式会社 企業情報 - Panasonic 発行元:パナソニック ホームズ株式会社
やさしく事例解説
何に困って、AIを入れたのか
住宅を買う人が見ているのは建物の性能だけではありません。保証やアフターサービスといった、引き渡した後の対応力が重視されており、同社の調査でもその期待の高さが示されています。一方で担い手となる人員は増やしにくく、限られた体制で的確かつ迅速に応えることが急務になっていました。
編集部の見立てでは、この困りごとの本質は「情報が足りない」ことではなく、「情報はあるのに、必要な瞬間に取り出せない」ことにあったのではないでしょうか。住宅は引き渡しから何十年も関係が続き、点検、修繕の相談、問い合わせと接点が積み重なります。その一つひとつは記録されていても、接点ごとに置き場所が分かれていれば、訪問直前の担当者にとっては「探す作業」に変わってしまう。人手が細っていく局面では、この探索にかかる時間がそのままサービス品質の上限を決めてしまいます。
どうやって、うまくいったのか
生成AIを載せる前に、顧客データ統合基盤という土台を先に築いた順序が効いています。物件情報と、これまでの各接点で蓄積されてきた対応履歴を集約・統合し、同じオーナーの情報として束ね直したうえでGeminiを組み合わせている。生成AIが返す答えの確からしさは、参照先のデータがどれだけ整っているかにほぼ規定されますから、統合を先行させたこの設計は、AIを「それらしく答える道具」ではなく「事実を引き出す道具」に寄せる判断だったと読めます。
用途を訪問前の情報把握という一点に絞り込んだことも大きいでしょう。汎用の相談相手としてAIを置くのではなく、引き渡し後のメンテナンスやサポートで現地へ向かうという、日々必ず発生する業務動線の直前に置いている。何を聞きたいのかが場面によって決まっていれば、必要な情報を瞬時に引き出すという要件も明確になり、現場が使いこなすまでの距離が短くなります。
全社での運用として立ち上げた点にも、設計思想がのぞきます。一部門の試行にとどめれば効果検証はしやすい反面、基盤に集まる履歴は限られたままです。使う人と入る情報を同じ基盤の上でそろえることで、対応の記録がふたたび次の訪問の材料になる循環が成り立つ。
具体的に、どんな成果が出たのか
改善・向上したこと
推進したこと
この事例で出た成果
運用開始により、訪問担当者は過去の対応履歴やオーナーの嗜好、現在の状況を訪問前に瞬時に把握できるようになりました。一人ひとりに合わせた提案や対応を迅速に行える状態になり、事前の情報収集や準備にかかる手間も大幅に削減されています。数値としての公表はありませんが、準備時間の短縮と提案の質という、ふつうは両立しにくい二つが同じ仕組みから生まれている点に、この成果の意味があります。同社は今後もDXを進め、最適なサービスを提供し続ける仕組みづくりに取り組む方針を示しています。
うちでも使える?
応用が利きやすいのは、一度売って終わりではなく、点検や修理、相談といった接点が長く続く商売でしょう。自動車の販売や保険、定期訪問のあるBtoB営業など、顧客ごとの経緯を踏まえて話すことが価値になる領域とは相性がよいはずです。前提として必要なのは、履歴が何らかの形でデータとして残っていること、そして物件番号や顧客IDのように、別々の接点の記録を同じ人に結び直せる共通のキーが存在することです。
逆に、やり取りが担当者の手帳やメールの下書き、個人のメモに散っている段階では、AIを載せてもつなぐ材料そのものがありません。接点ごとに記録の粒度や書式がばらばらで、同一人物かどうかの判定が人手の確認頼みという場合も、統合の手前で足が止まります。
まず試すなら、直近の訪問を一件選び、担当者が事前準備で開いた画面と資料をそのまま順に書き留めてみるとよいでしょう。どこに情報が散らばっているかは、その経路にそのまま現れます。
この事例は2025年7月時点の情報です。AI分野は変化が速いため、現在は同様の取り組みをより短い期間・少ない負担で実現できる場合があります。
プロジェクト解析
プロジェクト内容
AI導入・支援形態
導入部門・データ活用
導入部門:全社共通・汎用業務
活用したデータ:文書・ナレッジ
採用したAI技術・ツール
採用したAI技術:テキスト・言語AI
AIモデル・ツール
連携ツール
連携したシステム・外部サービス
プロジェクト実施・導入企業
パナソニック ホームズ株式会社
注文住宅、分譲住宅・マンション、賃貸住宅経営、土地活用、リフォーム、中古住宅売買などを手がける住宅メーカー。「生涯ご満足」をミッションに掲げ、2024年7月に経済産業省の『DX認定』を取得している。
出典・参考情報
生成AIによるオーナーさま訪問対応支援システムの運用を開始 - プレスリリース - パナソニック ホームズ株式会社 企業情報 - Panasonic
発行元:パナソニック ホームズ株式会社
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