実施時期: 2023年03月|2026.05.19 最終更新
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プロジェクト概要
アプローチと成果
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こんな課題を持つ企業におすすめの事例です
三菱電機ビルソリューションズは、昇降機やビルシステムなどの開発・製造・保守、各種ビル設備の監視サービスなどを提供しています。同社では、事業を支える基幹システムの全面リニューアルを進めており、その一環としてデータの積極的な利活用を見据えていました。しかし、システムが整っても実際に活用するのは「人」であるため、システム刷新と並行してデータ利活用スキルの習得と文化の醸成が急務となっていました。
これまでも独自のアルゴリズムを用いた故障予知などのプロジェクトに挑戦してきましたが、一部の組織に限られた取り組みにとどまっていました。その最大の理由は、データ利活用におけるROI(投資利益率)の低さでした。AI開発をスクラッチで行うには高度なノウハウが必要であり、現場の社員にはハードルが高く、外部委託すれば多額のコストがかかります。リターンの見込みが立たない状態では意思決定も慎重にならざるを得ず、全社的なデータ利活用の大きな障壁となっていました。そこで、各業務のプロフェッショナルである現場の社員自身が分析を行う「市民データサイエンティスト」の育成を目指し、新たなプロジェクトを始動しました。
現場主導のデータ活用を実現するため、AI開発プロセスを自動化する「dotData」を導入しました。dotDataは、データ加工や特徴量の設計、機械学習などのプロセスを自動化できるため、専門知識を持たない現場の社員でも扱いやすい点が特徴です。また、派生的な説明変数の自動生成機能や、業界特有の専門用語を登録できる辞書機能、日本語対応といった実用性の高さに加え、ユーザー数が増えてもライセンス費用が変わらない定額制であることも、全社展開を後押しする決め手となりました。
ツールの導入と並行して、NECが提供する「DX人材育成サービス」を活用し、実践的なOJT(On-the-Job Training)を実施しました。総務・人事部門や建物管理部門などから8つのチームが参加し、自部門の実際の業務課題をdotDataを用いて解決する演習に取り組んでいます。
プロジェクトを推進する事務局では、現場のモチベーションを維持するための工夫も凝らしています。データクレンジングなどの前処理で挫折しないよう、最初は少量のデータから始めるようアナウンスを行いました。さらに、8チームが一堂に会する経過報告会を定期的に開催することで、参加者同士の競争意識を刺激し、通常業務と並行しながらも演習の成果を追求できる環境を整えています。
改善・向上したこと
データ分析・意思決定支援
データドリブン文化の定着
属人化解消
推進したこと
AI人材の育成
AI活用の社内展開・定着
組織変革・DX推進
内製化・自走体制の構築
実践的な演習を通じて、総務・人事部門による「人員変動予測」や、建物管理分野における「空調の設定温度と室温の相関分析」など、実際の業務への適用が見込める具体的な成果が生まれ始めています。
参加した社員からは「最初は難しいと身構えていたが、やってみると意外にできた」「少しでも成果が出ると楽しいので継続したい」といった前向きな声が多く寄せられており、現場のデータ活用に対する意識変容が確認されています。経営陣からも「途中で形骸化させず継続してほしい」と強力な後押しを受けており、全社的なデータ利活用文化の定着に向けて確かな手応えを得ています。今後は参加チーム数をさらに拡大し、将来的にはグループ会社全体への展開も視野に入れています。
全社共通・汎用業務
データ利活用
バックオフィス・管理部門(人事・経理・法務)
人員変動予測
製造
設備異常検知・予知保全
エネルギー・インフラ
エネルギー消費最適化
文書・ナレッジ
日報・議事録・メール履歴
数値・Excel・ログ
人事・勤怠・給与データ
機械・設備・位置
設備稼働ログ・機械センサー
採用したAI技術
テキスト・言語AI
自然言語処理
AIモデル・構築手法
(RAG / ファインチューニング / 他)
機械学習・統計モデル(数値データからの予測・分析)
AI構築プラットフォーム
WarpBiz編集部の事例考察
本事例の成功の最大の要因は、AI開発の専門知識が不要な自動化ツール(dotData)の導入と、実践的なOJTを組み合わせることで、現場社員の「市民データサイエンティスト化」を実現した点にあります。特に、挫折しやすいデータ前処理の段階で「最初は少量のデータから始める」という事務局の細やかなフォローアップが、現場のモチベーション維持に大きく貢献しています。このアプローチは、製造業やインフラ業界に限らず、営業部門の需要予測やマーケティング部門の顧客分析など、あらゆる業種の現場主導型DXに応用可能です。導入にあたっては、ツールの選定だけでなく、本事例のように定期的な報告会を設けて社内の競争意識や連帯感を醸成する仕組みづくりが重要になります。同様のAI活用やDX人材育成を検討される方は、ぜひ他の事例記事もご覧いただき、自社に合ったツールや支援サービス探しにご活用ください。
関連度の高い事例を選定しています。少しお待ちください。