実施時期: 2023年06月|2026.05.19 最終更新
※イメージ画像です

プロジェクト概要
アプローチと成果
カテゴリー詳細
お問い合わせ
こんな課題を持つ企業におすすめの事例です
株式会社三越伊勢丹は、グループ売上高の約8割を占める百貨店事業において、長年フォーマルギフトを強みとしてきました。しかし、近年はお中元やお歳暮といったフォーマルギフト市場が縮小傾向にある一方で、カジュアルギフト市場が拡大を続けています。この市場の変化に対応し、新たな顧客層であるミレニアル世代を開拓するため、同社はギフト特化型ECサイト「MOO:D MARK」の新設を決断しました。
しかし、プロジェクト立ち上げにあたり大きな課題がありました。集められたメンバーは百貨店のバイヤーなどで構成されており、デジタル事業やECサイト構築の経験が全くない状態だったのです。経営陣からは「1年という短期間でのローンチ」と「環境変化に柔軟に対応できるサイト構築」が求められており、IT未経験のチームがいかにして迅速にシステムを構築し、運用体制を整えるかが急務となっていました。
この課題を解決するため、三越伊勢丹は株式会社セールスフォース・ジャパンが提供する「Commerce Cloud」と「Marketing Cloud」の導入を決定しました。従来のウォーターフォール型ではなく、アジャイル型で迅速に開発でき、自社の要件に合わせた柔軟なカスタマイズが可能である点が評価されました。
導入にあたっては、セールスフォース・ジャパンの担当者が伴走し、IT未経験のメンバーでもシステムを操作できるよう手厚いコーチングを実施しました。これにより、外部に依存せず自社内で運用を完結できる内製化体制を構築しています。
具体的な機能として、Commerce Cloudに搭載されたAI「Einstein」を活用し、顧客の閲覧履歴や購買行動から最適な商品を自動で提案するレコメンド機能を実装しました。さらに、Predictive Sort機能を用いて、サイト訪問者一人ひとりに合わせて商品一覧の並び順を最適化しています。また、Marketing Cloudの「Journey Builder」を利用し、顧客の属性や行動に基づいたシナリオを作成することで、誕生日月のクーポン配信やカート落ちフォローなどのマーケティング施策を自動化する仕組みを整えました。
改善・向上したこと
業務の自動化
生産性向上
売上・収益の向上
データドリブン文化の定着
推進したこと
AI×新規事業開発
組織変革・DX推進
内製化・自走体制の構築
プロジェクト開始から約1年という短期間で新サイトのローンチに成功し、IT未経験のメンバーによる内製運用が実現しました。AIを活用したレコメンド機能は非常に高い効果を発揮しており、サイト全体の売上に占めるレコメンド経由の割合は平均40%、最高で48%を記録しています。サイトオープンから2年後には、レコメンドによる売上が3.2倍へと大きく伸長しました。
また、マーケティング施策の自動化により、会員登録後のフォローやメルマガ配信にかかっていた手作業の時間が削減され、大幅な業務効率化を達成しています。その結果、メールマガジンの会員数は約4倍に増加し、メルマガ経由の売上も約4倍に拡大しました。
さらに、システムの運用を通じて現場メンバーの意識にも変化が生まれています。「この作業を自動化して効率化したい」といった自発的なアイデアがチーム内で活発に議論されるようになり、データに基づいた新しい施策が次々と生み出されるデータドリブンな組織文化が定着しつつあります。
マーケティング
レコメンド・Web接客
ECサイト運用・商品ページ最適化
コピーライティング・メルマガ
MA/CRM連携
顧客行動分析
小売・流通・EC
パーソナライズ・商品レコメンド
数値・Excel・ログ
売上・受注・販売実績
顧客リスト・会員属性(CRM)
Webログ・行動履歴
採用したAI技術
AIモデル・構築手法
(RAG / ファインチューニング / 他)
機械学習・統計モデル(数値データからの予測・分析)
その他のツール
連携したシステム・SaaS
Salesforce
WarpBiz編集部の事例考察
本事例の成功の最大の要因は、IT未経験の現場メンバーがベンダーの伴走支援を受けながら、システムの運用を内製化し、アジャイルに改善を繰り返した点にあります。このアプローチは、専門のIT部門を持たない中小企業のEC運営やデジタルマーケティングにも広く応用可能です。導入にあたっては、単なるツール導入にとどまらず、現場が自走できるような教育やサポート体制をベンダーと構築することが重要になります。同様のAI活用を検討される方は、ぜひ他の事例記事もご覧いただき、自社に合ったツール探しにご活用ください。
関連度の高い事例を選定しています。少しお待ちください。