実施 2024.06 ・ 更新 2026.08.17
管理栄養士のレポート作成が20分から5分に、生成AIで進む事務負担の圧縮
※イメージ画像です

取り組み概要
やさしく事例解説
プロジェクト解析
実施・導入企業
こんな方へおすすめのAI解説です
- 面談後の報告書づくりに時間を取られている
- 記録作業が多くて残業が減らない
- 専門職に本来の仕事へ集中してほしい
どのようなAIの取り組み?
生成AIに面談レポートの下書きを任せ、管理栄養士1件あたりの記録時間を20分から5分へ縮めたAI取り組み
業種
食事指導サービス(医療テック)
取り組み領域
栄養指導後のレポート作成
使ったAI
生成AI(レポート自動作成機能)
主な成果
レポート作成が1件20分から5分へ短縮
生活習慣病の患者や予備軍に向けた食事指導サービスを完全リモートで運営するタウンドクター株式会社が、管理栄養士の記録作業を対象に生成AIを組み込んだ事例です。患者との面談内容をもとにAIがレポートのドラフトを作り、管理栄養士はゼロから文章を書き起こす代わりに、出来上がった原稿を確認して仕上げる流れへ切り替えました。この機能は外部から調達したものではなく、精神科医と管理栄養士による医療チームが心理学の理論をもとに設計した食事指導プログラムを土台に、社内のAIエンジニアが開発してきた行動変容AI搭載の食事指導ツールへ、その一部として追加されています。
出典:【生成AIを用いた新機能リリース】AIによるレポート作成機能導入で生産性を向上し、管理栄養士の時給40%UPを実現 | タウンドクター株式会社のプレスリリース 発行元:タウンドクター株式会社
やさしく事例解説
何に困って、AIを入れたのか
同社は在宅で完結する食事指導の体制をつくり、子育て中の女性や副業を希望する若年層が働きやすい環境を整えてきました。その一方で、指導を終えたあとのレポートを一件ずつ手作業で書き起こす作業が、管理栄養士に重くのしかかっていました。
編集部の見立てでは、ここでの困りごとは「作業が面倒」という次元ではなく、稼働時間の内訳が偏っていたことにあります。働く場所や時間を自由に選べても、一回の仕事に占める少なくない部分が記録に吸われていれば、専門職としての知見を発揮した時間に対する見返りは薄まります。働きやすさは整っているのに待遇の実感が追いつかない、その差を生んでいたのは指導の本体ではなく、その周りにくっついた付帯作業の側だったのではないでしょうか。
どうやって、うまくいったのか
AIを差し向ける先を、栄養指導そのものではなく指導後の記録作業に絞った切り分けが、この取り組みの土台になっています。対人の専門性が問われる面談部分には手を付けず、誰が担当しても似た形に落ち着く付帯作業だけを機械側へ渡す線引きです。専門職の判断が結果を左右する領域を避けたことで、品質への懸念を抱え込まずに済む範囲でAIを動かせたと考えられます。
レポートを完成品ではなくドラフトとして生成させた設計も効いています。管理栄養士は白紙から文章を組み立てる負荷から解放される一方、内容が適切かどうかを見極める判断は手元に残ります。医療に関わる記録は誤りが許されない性質を持ちますが、最終形を人が握る構造であれば、AIの出力が毎回完璧でなくても実務に乗せられます。
機能を独立したツールとしてではなく、すでに使われている食事指導ツールの一部として組み込んだ点にも注目したいところです。同社の指導は医療チームが心理学の理論をもとに設計したプログラムに沿って進み、社内のAIエンジニアが行動変容AIを載せたツールを開発してきました。指導の型が言語化され、面談で扱う内容がツール上に集まっている環境なら、レポートを書き起こすための材料と観点は最初から揃っています。別のシステムと連携させる手間も、現場に新しい操作を覚え直させる必要も生じにくい構え。
具体的に、どんな成果が出たのか
改善・向上したこと
推進したこと
この事例で出た成果
1件あたり20分を要していたレポート作成は5分にまで縮み、30分の栄養指導を含めた1回あたりの業務時間は50分から35分へ短縮されました。これにより管理栄養士の実質的な時給は40%以上向上し、2,000円を超える見込みとなっています。手作業から解放された時間は患者への対応や指導の質を高める方向へ振り向けられており、同社は今後も新しい技術を取り入れながら、働き方の改善とサービス品質の向上を両立させる方針です。
うちでも使える?
応用が利きやすいのは、対人のやり取りとその記録がセットになっている業務です。訪問看護や介護の記録、相談窓口の対応履歴、商談後の議事録のように、話した内容を決まった観点でまとめ直す作業が毎回発生する現場であれば、下書きを機械に任せて人が仕上げる分担はそのまま持ち込めます。
一方で、この事例が成立した条件も見ておく必要があります。指導プログラムが理論に沿って設計され、何を聞き取り何を書き残すかがあらかじめ定まっていたからこそ、AIは的外れでないドラフトを出せています。記録の書式や着目点が担当者ごとにばらばらで、書くべき内容が暗黙のまま置かれている業務では、同じ仕組みを載せても下書きの質が安定しません。時間当たりの生産性が待遇に直結する働き方であることも、効果が見えやすかった理由の一つです。
まず試すなら、直近の面談や訪問を一件選び、そのやり取りだけを材料に記録を書き起こしてみるところから。手元の会話メモだけで埋まる欄と、担当者の解釈がなければ埋まらない欄の境目が見えれば、どこまでを機械に渡せるかの判断がつきます。
この事例は2024年6月時点の情報です。AI分野は変化が速いため、現在は同様の取り組みをより短い期間・少ない負担で実現できる場合があります。
プロジェクト解析
プロジェクト内容
AI導入・支援形態
導入部門・データ活用
導入部門:全社共通・汎用業務
活用したデータ:文書・ナレッジ
採用したAI技術・ツール
採用したAI技術:テキスト・言語AI
AIモデル・ツール
プロジェクト実施・導入企業
タウンドクター株式会社
生活習慣病患者/予備軍に対して管理栄養士を介した食事指導サービス(N・Partner)を展開する医療テック企業。クリニック・健康保険組合・自治体を顧客に持ち、2021年9月より自治体、2022年3月よりクリニックや企業健保向けにサービスを提供。精神科医と管理栄養士からなる医療チームを中心に、心理学の理論に基づく行動変容を促す食事指導プログラムを開発し、AIエンジニアが行動変容AIを搭載した食事指導ツールを開発している。事業内容は生活習慣病患者/予備軍向けICT食事コーチングサービスの展開。
出典・参考情報
掲載企業の方へ:本記事は公開情報をもとに作成しています。内容の修正・削除、または貴社確認のうえでの公式掲載をご希望の場合はこちらからご連絡ください。
