実施 2024.01 ・ 更新 2026.08.17
建設特化の生成AIを社内文書と接続、安藤ハザマが専門知識の検索と技術伝承に生かす
※イメージ画像です

取り組み概要
やさしく事例解説
プロジェクト解析
実施・導入企業
こんな方へおすすめのAI解説です
- 一般的なAIが自社の専門用語に対応できない
- 社内資料を探すのに時間がかかる
- ベテランの知識を若手に引き継げない
どのようなAIの取り組み?
建設分野に特化した生成AIを社内の施工計画書や技術文書とつなぎ、専門知識の検索と若手への技術伝承に取り組んだ事例
業種
総合建設業(建設)
取り組み領域
社内ナレッジ検索/技術伝承
使ったAI
建設特化の生成AI(AKARI Construction LLM)
主な成果
専門的な質問にも自社ノウハウに基づく回答を迅速に取得
安藤ハザマは2023年9月から全社で文章生成AIの利用を始め、書類の叩き台づくりや資料の要約といった場面で一定の効率化を進めてきました。ただ、インターネット上の情報をもとに答える汎用的なAIでは、建設業界特有の専門知識や社内に蓄積された独自ノウハウを問う質問に対して精度が出ない、という壁に突き当たっていました。そこで採り入れたのが、燈株式会社が提供する建設分野特化の生成AI『AKARI Construction LLM』です。社内データベースに入っている施工計画書や技術文書、研究開発データとAIを接続する環境を構築し、建設用語を正確に理解したうえで長年のノウハウを参照できるようにしました。あわせて、回答の根拠となった社内文書を画面上で示す機能も組み込んでいます。
出典:建設分野に特化した生成AIの社内運用を開始 | 新着情報|Be a ChangeBuilder. 安藤ハザマ 発行元:安藤ハザマ
やさしく事例解説
何に困って、AIを入れたのか
全社で文章生成AIを使い始めた時点で、書類作成や要約といった一般的な業務では手応えが得られていました。それでも現場が壁を感じたのは、建設ならではの専門的な問いや、自社が積み上げてきた独自ノウハウに関わる質問になった途端、回答の精度が大きく落ちてしまう場面でした。
編集部の見立てでは、ここでの困りごとの本質はAIの賢さではなく、AIが見ている参照先に自社の知識が一切含まれていなかったことにあります。答えのもとになる情報がインターネット上の一般論だけであれば、どれだけ文章生成が上手でも、自社の施工の考え方や過去の判断には届きません。そして肝心の知識は、社内の文書やベテランの経験の中に散らばったまま、どこに何があるかを知っている人にしか引き出せない状態だったのではないでしょうか。
どうやって、うまくいったのか
施工計画書や技術文書、研究開発データといった社内データベースを、そのままAIの参照先として接続した構成が起点になっています。ここで効いているのは、精度が出ない原因をモデルの性能不足と決めつけず、参照するデータの中身の問題として切り分けた判断でしょう。建設用語を正確に解釈できる特化型のLLM(大量の文章を学習した言語モデル)と、自社にしかない蓄積を組み合わせる形をとったことで、汎用AIでは踏み込めなかった専門領域が扱える範囲に入ってきたと考えられます。
回答の根拠となった社内文書を明示する機能も、実務で使えるかどうかを左右した工夫です。建設の判断は安全や品質に直結するため、答えだけを提示されても、その内容をそのまま業務に持ち込むのはためらわれます。出どころの文書までたどれる設計にすれば、利用者は回答を鵜呑みにするのではなく、裏づけを自分で確かめたうえで使えます。AIの精度を上げる努力と並行して、精度を人が検証できる状態をつくった点に、この設計の実用性があると見ています。
段階の踏み方にも読み解ける点があります。まず全社で汎用の文章生成AIを使い、どの業務なら十分で、どこから精度が落ちるのかを現場の実感として掴んだうえで、次の一手に進む流れです。そのうえで、建設特化のAIを手掛ける燈株式会社という外部の技術と、自社に蓄積された文書という内部の資産を役割分担させた組み立てになっています。
具体的に、どんな成果が出たのか
改善・向上したこと
推進したこと
この事例で出た成果
建設分野の専門的な質問に対しても、自社のノウハウに基づいた正確な回答を素早く得られる状態になりました。回答の生成に用いた文書が示されるため、情報の裏づけ確認がしやすく、的確な業務判断とさらなる効率化につながっています。今後は手書き文書のデータ化や外部データベースとの連携、画像・動画の生成への拡張も視野に、独自の生成AI環境を深めていく方針です。
うちでも使える?
この形が生きるのは、専門用語が日常的に飛び交い、過去の判断や手順が文書として社内に残っている業務です。設計、品質管理、研究開発のように「答えは社内のどこかにあるが、探し当てられる人が限られている」状況であれば、業種を問わず考え方を借りられるでしょう。
一方で、応用が難しい条件もはっきりしています。参照させたい知識が紙の書類や個人の手控えにしか存在しない場合、AIを接続しても参照先が実質的に空になり、汎用AIに聞いたときと結果は大きく変わりません。また、根拠の文書を示されても、その内容が正しいかを判断できる人が現場にいなければ、確認の仕組みは形だけになります。文書の電子化と整理は、導入の前段に置かれる実務的なハードルです。
まずは、若手から最近寄せられた質問を三つほど書き留め、その答えが載っている社内文書を実際に手元に出せるか試してみてください。すぐに出てこないなら、AIに渡す前に整えるべきものが見えてきます。
この事例は2024年1月時点の情報です。AI分野は変化が速いため、現在は同様の取り組みをより短い期間・少ない負担で実現できる場合があります。
プロジェクト解析
プロジェクト内容
AIツール・サービスの提供形態
導入部門・データ活用
導入部門:全社共通・汎用業務
活用したデータ:文書・ナレッジ
採用したAI技術・ツール
採用したAI技術:テキスト・言語AI
AIモデル・ツール
連携ツール
連携したシステム・外部サービス
プロジェクト実施・導入企業
燈株式会社
建設分野向け生成AI『AKARI Construction LLM』を提供する企業。代表取締役CEOは野呂侑希。
安藤ハザマ
出典・参考情報
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