実施時期: 2023年02月|2026.05.19 最終更新
企業規模: 1,000人以上
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アプローチと成果
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こんな課題を持つ企業におすすめの事例です
パナソニック コネクト株式会社は、製造業としての長年の知見を活かし、B2Bソリューションを展開しています。同社では、日々の業務における生産性向上や、社員のAIスキル底上げが急務となっていました。
特に製造業の要である品質管理の現場においては、経験豊富なベテラン社員のノウハウに依存する傾向が強く、貴重な情報が組織全体に共有されにくいという課題を抱えていました。さらに、過去の事例を検索し、その内容を精査・判断する作業には膨大な時間を要しており、業務の属人化と非効率なアナログ作業からの脱却が求められていました。世間で生成AIの普及が進む中、社員が個人判断で外部のAIサービスを利用することによる情報漏洩や著作権侵害といった「シャドーAI」のリスクも懸念されており、これらの複合的な課題を解決し、安全かつ効率的な業務環境を構築するため、同社は全社規模での生成AI導入プロジェクトを始動しました。
同社は2023年2月より、OpenAIの大規模言語モデル(ChatGPT)をベースに独自開発したAIアシスタントサービス「ConnectAI」を、国内の全社員約12,400人に向けて一斉展開しました。
単にツールを導入するだけでなく、社員が的確な指示を出せるよう、日常業務で頻出する15件のプロンプトサンプルをトップ画面に配置する工夫を凝らしています。さらに、2024年6月にはプロンプト添削機能を新たに追加し、より精度の高い回答を引き出せるようユーザーインターフェースを継続的に改善しています。 また、一般的な生成AIでは対応できない自社固有の専門的な質問に答えるため、自社特化AIの開発にも着手しました。ウェブサイトやニュースリリースなど約7,000ページに及ぶ公開情報を学習させた試験運用を経て、2024年4月からは社外秘である品質管理規定や過去の事例データ(630件、11,743ページ)を読み込ませた本格運用を開始しています。このシステムには、AIが参照した情報の引用元を明示する機能が実装されており、社員自身が回答の真偽を確実に確認できる安全な仕組みが構築されています。
改善・向上したこと
業務の自動化
生産性向上
属人化解消
社内ナレッジ活用
品質・安全性向上
推進したこと
AI活用の社内展開・定着
AIリテラシー向上
AIガバナンス・リスク管理
全社へのAI導入から1年間で、社員の労働時間を合計18.6万時間削減するという大きな成果を達成しました。1回の利用あたり平均約20分の業務短縮につながっており、直近3ヶ月の利用回数は前年同期比で41%増加するなど、社内での定着が進んでいます。
定性的な変化として、導入当初は単純な検索エンジン代わりの利用が主でしたが、現在では戦略策定の基礎データ作成や商品企画など、より高度で生産性の高い業務への活用へとシフトしています。また、懸念されていたシャドーAIによる情報漏洩や著作権侵害などのセキュリティインシデントは、導入後16ヶ月間一切発生していません。 品質管理に特化したAI機能についても、現場の社員から5点満点中3.5点という高い評価を獲得しています。
今後は、設計段階での問題特定や手戻り時間の削減による人手不足解消が期待されており、さらにはAIが自律的に業務を遂行する「オートノマスエンタープライズ」の実現に向けた構想も進められています。
自社活用(自社開発・活用推進)
全社共通・汎用業務
社内データのAI検索構築
社内専用AIアシスタント構築
AIによる定型業務の自動化
高セキュリティ環境構築
製造
研究開発支援
文書・ナレッジ
マニュアル・業務規定・FAQ
企画書・提案書・過去スライド
外部・Web・SNSデータ
Web記事・ニュース・ブログ
採用したAI技術
テキスト・言語AI
社内データ検索・Q&A
文章生成・ライティング
AIモデル・構築手法
(RAG / ファインチューニング / 他)
RAG(社内データ等をAIが参照して回答)
AIエージェント(AIが自律的にツールを使いタスク実行)
生成AI・LLMサービス
WarpBiz編集部の事例考察
本事例の最大の成功要因は、経営トップの強力な推進力のもと、全社員1万人超へ一気にAI環境を展開し、利用を促す企業文化を醸成した点にあります。また、ハルシネーション(もっともらしい嘘)を防ぐために引用元を明示する機能を実装したことは、正確性が命となる製造業の品質管理において非常に有効なアプローチです。この「社内規定や過去事例のAI検索化」は、建設業の安全基準確認やサービス業のマニュアル参照など、膨大な暗黙知を抱えるあらゆる業種へ横展開できる汎用性の高いアイデアと言えます。自社専用のAI環境構築を進める際は、AIに読み込ませる社内データ(コーパス)の整理・構造化が最初のハードルとなるため、事前のデータ整備計画が不可欠です。
自社の業務に合わせた安全なAIツールの導入を検討される方は、ぜひ他の事例記事も参考にしてみてください。
B2Bソリューションの中核を担う事業会社。製造業100年の知見とソフトウェアを組み合わせたソリューションや高度に差別化されたハードウェアの提供を通じて、サプライチェーン、公共サービス、生活インフラ、エンターテインメント分野のお客様をつなぎ、「現場」をイノベートすることに取り組んでいる。
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