実施時期: 2023年03月|2026.05.19 最終更新
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プロジェクト概要
アプローチと成果
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こんな課題を持つ企業におすすめの事例です
肉用牛の肥育現場では、飼料費など生産コストの増大により生産基盤の弱体化が懸念されています。その一方で、牛の体調や状態を管理するためには、スタッフが直接牛舎を見回る必要があり、多大な人手と労力がかかっているのが実情です。特に、起立困難などの異常を早期に発見できなければ、牛の死亡や緊急出荷につながり、経営に大きな損失をもたらしてしまいます。
しかし、広大な牛舎を少人数で24時間監視することは現実的ではありません。こうした人手不足とアナログな監視体制という課題を解決するため、西日本電信電話株式会社をはじめとするコンソーシアムは、最新の通信技術とAIを活用した実証プロジェクトを開始しました。
本プロジェクトでは、西日本電信電話株式会社や富士通株式会社などが連携し、鹿児島県の「うしの中山 大隅ファーム」にて実証実験を行いました。まず、半屋外で電波が漏洩しやすい牛舎の環境に合わせて、指向性アンテナと漏洩同軸ケーブル(LCX)を組み合わせた「ローカル5G」の通信環境を構築しています。これにより、他者の土地への電波漏洩を防ぎつつ、牛舎内の安定した大容量通信を実現しました。
このネットワーク基盤の上に、1,008台もの4Kカメラを各牛房に設置し、AI画像解析サーバーと連携させています。導入された監視カメラソリューション「Dr.Cowsビュー」により、牛の活動量や体調レベル、転倒などの異常をAIが自動で検知し、事務所のスタッフへリアルタイムにアラートを通知する仕組みを構築しました。さらに、異常が検知された際には、ローカル5G経由で遠隔操作できる「見回りロボット」が現場へ急行します。ロボットに搭載されたフルHDカメラを通じて、スタッフは事務所にいながら牛の詳細な状態を視認できる体制を整えました。
改善・向上したこと
業務の自動化
人手不足の解消
コスト削減
推進したこと
プロトタイプ開発(PoC)
AI基盤・インフラ構築
ローカル5GとAI画像解析、そして見回りロボットを組み合わせた監視体制により、大きな業務効率化の成果が確認されています。最大64台のカメラ映像を同時に閲覧できる環境が整い、熟練スタッフが遠隔からでも牛の健康状態を正確に把握できるようになりました。また、見回りロボットの遠隔操作も遅延なくスムーズに行え、現場へ駆けつける手間が大幅に削減されています。
定量的な試算では、見回り業務の軽減により年間約2,400万円、異常の早期発見による死亡牛や緊急出荷の回避で年間約1,200万円、合計で年間約3,600万円のコスト削減効果が見込まれています。今後はAIの検知精度をさらに向上させ、起立困難牛の検知率100%を目指すとともに、他の大規模農場への横展開も視野に入れた取り組みが進められています。
全社共通・汎用業務
現場監視・見回り業務
農林水産業
生育状況のモニタリング
画像・動画・3D
監視カメラ・防犯映像
採用したAI技術
画像AI
外観検査・検品・異常検知
動画AI
監視・異常行動検知
その他のツール
構築・利用したデータ基盤・インフラ
エッジデバイス・IoT機器
ローカル5G
その他のツール
見回りロボット
WarpBiz編集部の事例考察
本事例の最大の成功要因は、ローカル5Gという強力な通信インフラを整備した上で、AIカメラとロボットを組み合わせ、現場の「見回り」という物理的な制約を打破した点にあります。このアプローチは、畜産業に限らず、広大な敷地を持つ工場やプラント、建設現場などでの安全監視や設備点検にも応用できるでしょう。導入にあたっては、現場の特殊な環境に適した通信ネットワークの設計と、AIの誤検知を減らすための継続的なデータ学習が不可欠です。同様の遠隔監視やAI画像解析の導入を検討されている方は、ぜひ他の事例記事も参考に、自社の環境に最適なソリューション探しにお役立てください。
関連度の高い事例を選定しています。少しお待ちください。