実施時期: 2021年01月|2026.05.19 最終更新
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アプローチと成果
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こんな課題を持つ企業におすすめの事例です
大腸がんは罹患者数・死亡数ともに増加傾向にあり、予防には前がん病変である腫瘍性ポリープの早期発見と切除が極めて重要です。しかし、実際の内視鏡検査では、肉眼での認識が困難な病変や解剖学的な死角、さらには医師の技術格差などにより、約24%の病変が見逃されているという課題がありました。こうした見逃しを減らし、前がん病変の発見率を向上させることが、大腸がんの予防と早期発見に直結します。
そこで、国立がん研究センターと日本電気株式会社(NEC)は、医師の診断をサポートし、見逃しを防ぐためのAI開発プロジェクトを開始しました。
国立がん研究センターとNECは、内視鏡AI診断支援医療機器ソフトウェア「WISE VISION 内視鏡画像解析AI」を共同開発しました。このシステムには、1万病変以上の早期大腸がんおよび前がん病変の内視鏡画像25万枚(静止画・動画)を学習データとして活用しています。国立がん研究センター中央病院の専門スタッフが画像一枚一枚に詳細な所見を付与し、AIに学習させました。
特に、発見が難しいとされる表面型や陥凹型の腫瘍を重点的に深層学習させている点が大きな特徴です。検査中、AIは大腸内視鏡に映し出される画像全体をリアルタイムで解析し、病変を検出すると通知音と円マークで医師に知らせます。また、主要内視鏡メーカー3社の機器に接続可能であり、既存の設備に端末とモニターを繋ぐだけで即座に導入できる利便性も備えています。
改善・向上したこと
品質・安全性向上
エラー・ミスの削減
属人化解消
推進したこと
新サービス・製品開発
AI×新規事業開発
性能検証試験において、AIは約83%の病変を正しく検出することに成功しました。視認しやすい隆起型の病変では約95%、視認しにくい表面型の病変でも約78%という高い検出率を記録し、経験豊富な内視鏡医と同等の診断性能を持つことが確認されています。
さらに、経験の浅い医師がこのAIシステムを使用した場合、表面型病変の検出率が6%向上するという定量的成果も得られました。AIのサポートにより、医師の経験に依存しない安定した病変発見が可能となり、誤検出も少ないため、検査時間を延長することなく診断精度の向上が期待されています。本システムは、日本および欧州で医療機器として正式に承認されました。
医療・ヘルスケア
医療画像解析
診断推論・スクリーニング支援
画像・動画・3D
医療用画像(X線/CT)
内視鏡画像
採用したAI技術
画像AI
医療用画像診断支援
その他のツール
構築・利用したデータ基盤・インフラ
内視鏡機器
WarpBiz編集部の事例考察
本事例の成功の最大の要因は、専門医の高度な知見を質の高い教師データとしてAIに学習させ、現場の課題である「見逃し」に直結するシステムを構築した点にあります。このアプローチは、製造業における外観検査や、インフラ点検における微細な異常検知など、専門的な目視確認が求められる他業種にも応用可能です。導入にあたっては、既存の設備に簡単に接続できるような汎用性の確保が、現場への定着を促す重要なポイントとなります。同様の画像解析AIの活用を検討される方は、ぜひ他の事例記事もご覧いただき、自社に合ったツール探しにご活用ください。
関連度の高い事例を選定しています。少しお待ちください。