実施 2025.06 ・ 更新 2026.08.17
富士通のAIアバター自動プレゼン、Copilotの会話から動画を作る仕組み
※イメージ画像です

取り組み概要
やさしく事例解説
プロジェクト解析
実施・導入企業
こんな方へおすすめのAI解説です
- 資料づくりと説明準備に時間を取られている
- 説明する人によって伝わり方に差が出る
- 同じ説明を何度も繰り返している
どのようなAIの取り組み?
Microsoft 365 Copilotのチャットから呼び出せるAIエージェントで、手元の資料からAIアバターによるプレゼンテーション動画を自動生成する仕組みを共同開発したAI取り組み
業種
ITサービス・ソフトウェア開発(情報通信)
取り組み領域
プレゼンテーション資料の説明・社内情報伝達
使ったAI
AIアバター・音声合成を組み合わせたAIエージェント(Fujitsu Kozuchi/Azure OpenAI)
主な成果
準備時間と人的負荷の軽減を見込み、社内試験運用を開始
富士通株式会社と株式会社ヘッドウォータースが共同で開発したのは、Microsoft 365 Copilot上で動く宣言型エージェント「Fujitsu AI Auto Presentation」です。富士通のAIサービス「Fujitsu Kozuchi」のコア技術を土台に、ヘッドウォータースがCopilotのチャット画面から呼び出せるエージェントの設計と開発を担いました。利用者がチャットで資料や言語、時間といった条件を伝えると、PowerPointやPDFの中身からAzure OpenAIが説明文をつくり、Speech Serviceが音声を生成します。アップロードされた顔画像と音声サンプルをもとにAIアバターとナレーションを組み立て、ひとつのプレゼンテーション動画として出力する流れです。現在は富士通社内での試験運用が始まった段階にあります。
出典:ヘッドウォータースと富士通、宣言型エージェントを活用した プレゼンテーション自動化機能「Fujitsu AI Auto Presentation」を共同開発 - 株式会社ヘッドウォータース 発行元:株式会社ヘッドウォータース
やさしく事例解説
何に困って、AIを入れたのか
資料をつくり、話す内容を組み立て、実際に登壇するまでの一連の作業が担当者に集中すること。そして話し手の経験や技量によって、同じ内容でも伝わり方が変わってしまうこと。富士通株式会社と株式会社ヘッドウォータースが出発点に置いたのは、多くの企業に共通するこの二つの負担でした。
編集部の見立てでは、困りごとの本質は作業量の多さそのものではなく、資料を「話せる状態」に変える工程が担当者個人の頭の中だけで完結し、組織に何も残らない点にあります。スライドは共有できても、それをどう語るかという知識は共有されません。そのため同じ資料を別の人が使うたびに変換作業がやり直され、出来映えが人によって揺れる。準備負荷と属人化は別々の課題に見えて、実は同じ一点から生まれていたのではないでしょうか。
どうやって、うまくいったのか
入口をMicrosoft 365 Copilotのチャットに置いた設計が、この仕組みの性格を決めています。利用者は新しいツールを覚える必要がなく、日常的に開いている画面に向かって、どの資料を、どの言語で、どのくらいの時間で話させたいのかを自然な文章で伝えるだけで済みます。宣言型エージェント、つまりCopilotの会話の中に機能として組み込まれる形をとったことで、操作の学習コストが限りなく小さくなりました。専門知識を持たない利用者を想定したとき、機能の豊富さよりも到達しやすさを優先したこの判断は筋が通っています。
社内資料の取得をMicrosoft Graph API経由の認証制御に載せた点も、実運用を左右します。資料から自動でプレゼンをつくる仕組みでは、その資料をどう安全に読み取るかが最後の関門になりがちです。OneDriveやSharePointにあるファイルを利用者本人の権限のまま取り出す形にしたことで、資料を別の場所へ複製したり、権限管理を二重に持ったりする必要がなくなりました。
説明文の生成と、声や姿の生成を切り分けて組み合わせた構成も見逃せません。資料の内容を語り口へ変換する処理をAzure OpenAIが受け持ち、Speech Serviceと利用者の顔画像・音声サンプルがアバターとナレーションを担い、最後に一本の動画へ統合されます。コア技術をFujitsu Kozuchiから持ち込む富士通と、Copilot側のエージェントを設計・開発するヘッドウォータースという役割分担も、この構成と対応しています。既存のAI資産は作り直さず、利用者に触れる側だけを新しく組む分業の形です。
具体的に、どんな成果が出たのか
改善・向上したこと
推進したこと
この事例で出た成果
この開発によって、利用者が自分の顔や声を模したAIアバターを手軽に作り、プレゼンテーションや質疑応答を自動化するための基盤が整いました。準備にかかる時間と人的負荷の軽減は、現時点では期待として示されている段階です。まずは富士通社内で試験運用が始まっており、Microsoft TeamsやMicrosoft PowerPointからそのまま利用できるようにしたうえで、法人顧客への提供を目指す道筋が引かれています。
うちでも使える?
相性がよいのは、話す内容がすでに資料の形で存在していて、同じ説明を何度も繰り返す場面です。製品やサービスの定型説明、新入社員向けの研修コンテンツ、拠点をまたぐ定例報告などは、一度つくった動画が繰り返し働いてくれます。多言語の指定ができる点も、海外拠点や取引先へ同じ内容を届けたい組織には効いてきます。
一方で、相手の反応を見ながら話す順序や踏み込む深さを変える商談や交渉、資料に書かれていない補足こそが価値の中心になる場面には向きません。顔画像や音声という個人に紐づくデータを扱うため、本人の同意と利用範囲のルールづくりも先に必要です。社内資料を読み取らせる以上、誰がどのファイルにアクセスできるのかという権限設計も避けて通れません。
最初の一歩としては、この半年で自分が二回以上同じ説明をした資料を一つ選び、その説明を実際に話した通りに文字へ起こしてみてはどうでしょうか。文字になった時点で、それは自動化できる説明なのか、その場の判断で変えている説明なのかが見分けられます。
この事例は2025年6月時点の情報です。AI分野は変化が速いため、現在は同様の取り組みをより短い期間・少ない負担で実現できる場合があります。
プロジェクト解析
プロジェクト内容
AI導入・支援形態
導入部門・データ活用
導入部門:全社共通・汎用業務
活用したデータ:文書・ナレッジ
採用したAI技術・ツール
採用したAI技術:テキスト・言語AI
AIモデル・ツール
連携ツール
連携したシステム・外部サービス
プロジェクト実施・導入企業
株式会社ヘッドウォータース
代表取締役 篠田庸介。ITインキュベーション事業本部を擁し、Microsoft 365 Copilot向け宣言型エージェントなど生成AI・AIエージェントの開発を手掛ける。
富士通株式会社
出典・参考情報
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