実施 2025.07 ・ 更新 2026.08.17
社内問い合わせ対応を2ヶ月で50%以上削減、製造業のAIヘルプデスク運用
企業規模:1,000人以上
※イメージ画像です

取り組み概要
やさしく事例解説
プロジェクト解析
実施・導入企業
こんな方へおすすめのAI解説です
- 社内からの質問対応で自分の仕事が進まない
- マニュアルが多すぎて答えを探せない
- FAQを作っても問い合わせが減らない
どのようなAIの取り組み?
既存のFAQとマニュアルをそのままAIの回答元に使い、社内問い合わせの有人対応を2ヶ月で50%以上減らしたAI取り組み
業種
製造業
取り組み領域
社内ヘルプデスク/情報システム部門の問い合わせ対応
使ったAI
PKSHA AI Helpdesk(AIチャットボット+RAG)
主な成果
リリースから2ヶ月で有人対応を50%以上削減
株式会社アーレスティは、社内ヘルプデスクの有人対応を減らす目的で、株式会社PKSHA Technologyが提供する「PKSHA AI Helpdesk」を導入しました。中身は、チャットボットによる自動応答と、社内の文書を検索して回答に使うRAG(外部の資料を探してAIの回答に反映させる仕組み)の組み合わせです。社内で使われているSharePoint Onlineとつなぐことで、すでに整備済みだった400件以上のFAQを作り直さずに回答の参照先として活用し、社内規程や数十ページに及ぶマニュアルも読み込ませています。さらに、利用者の選択で応答の流れが変わる「アクションフロー」を設計し、他部署が管轄する質問は該当窓口へ自動で案内、PCの不具合ではエラーコードなどを先に入力してもらう導線を用意しました。リリースから2ヶ月で、有人対応は50%以上減っています。
出典:導入事例|株式会社アーレスティ〜RAG活用で1,500名のナレッジ探索を効率化 製造業における未来のナレッジマネジメント実現へ〜 発行元:株式会社PKSHA Technology
やさしく事例解説
何に困って、AIを入れたのか
出発点は、月160件ほどの電話やメールをExcelで管理していた時期にありました。履歴は散らばり、担当者が不在なら回答が止まる。データベースツールへ移しても検索が思うように効かず、次に自己解決を促すFAQサイトを立ち上げたところ、今度はそれまで質問をあきらめていた層が動き出し、有人対応はかえって月236件へ膨らみます。
編集部の見立てでは、ここでの本質は問い合わせの件数ではなく、答えは社内にあるのに質問する人がそこへ届かない、という距離の問題だったのではないでしょうか。Excelもデータベースも公開型のFAQも、情報を置く器を替える打ち手であり、探す負担は最後まで利用者側に残ったままでした。FAQを整えたのに有人対応が増えたという一見ちぐはぐな結果も、失敗というより、水面下にあった需要がようやく数字として見えた合図と読めます。
どうやって、うまくいったのか
最も効いたと考えられるのは、AIに答えさせる前に質問そのものを仕分ける「アクションフロー」の設計です。情報システム部の管轄外の質問には該当部署の窓口を自動で案内し、PCの不具合であればエラーコードや発生状況を先に入力してもらう。担当者と従業員のあいだで起きがちな「それはどこの部署ですか」「症状を教えてください」という確認の往復を、会話の入口で先回りして消しています。回答精度を高める方向だけに寄らず、有人にたどり着く手前へ分岐を置いた点が、この手法の勘所です。
二つ目は、既存のFAQを作り直さない前提でRAGを組んだ判断でしょう。SharePoint Onlineと連携させ、整備済みの400件以上のFAQをそのまま参照先に充てているため、AI活用の前段でつまずきやすい学習用データの作り直しという重い工程を通らずに済んでいます。すでに文書が置かれている場所へAIを寄せる設計は、立ち上げの速さに加え、FAQを更新するたびに二重管理が生じない運用のしやすさにもつながっているはずです。
社内規程や数十ページに及ぶマニュアルまで読み込ませ、必要な箇所だけを要約して返す使い方も見逃せません。分量のある文書は、目的のファイルにたどり着いても「どこを読めばいいのか」で足が止まります。ありかを指し示すのではなく答えの形へ変換して返すことで、探す作業そのものを利用者の手から引き取っています。
具体的に、どんな成果が出たのか
改善・向上したこと
推進したこと
この事例で出た成果
RAG機能のリリースからわずか2ヶ月で、増加していた有人対応は50%以上削減されました。対応に取られていた時間が空いたことで、担当者は新規システムの導入や改善活動といった付加価値の高い業務へ軸足を移せています。利用する側からも「相手が人ではないため、時間を気にせず気軽に質問できるようになった」という声が上がっており、聞くこと自体の心理的なハードルが下がった点は、件数の削減と同じくらい実務的な意味を持ちます。今後は総務や人事、設計部門へ広げ、全社的なナレッジマネジメントの実現を目指す方針です。
うちでも使える?
応用しやすいのは、答えが文書の形で存在し、しかもそれが社内の共有基盤に置かれている領域です。この事例でも、SharePoint Onlineという既存の置き場があったからこそ、FAQを作り直さずに回答ソースへ転用できました。規程やマニュアルに答えが書いてある問い合わせが多い総務・人事・経理あたりとは、相性がよいと考えられます。
反対に、同じ社内問い合わせでも、個別事情の判断や例外の承認を含むもの、答えが文書ではなく担当者の頭の中にしかないものは、この形をそのまま持ち込んでも有人対応は減りにくいはずです。文書が個人のPCや紙のファイルに散らばっている状態なら、AIを検討する前に置き場を一本化する工程が先に必要になります。
小さく試すなら、直近の問い合わせ履歴を見返して、担当者が毎回聞き返している一言(「どの部署の話ですか」「エラー表示は何ですか」など)を一つ選び、それを会話の最初の質問として置いてみるところから。精度を上げるより手前で、往復が一回減るかどうかが見えてきます。
この事例は2025年7月時点の情報です。AI分野は変化が速いため、現在は同様の取り組みをより短い期間・少ない負担で実現できる場合があります。
プロジェクト解析
プロジェクト内容
AIツール・サービスの提供形態
導入部門・データ活用
導入部門:全社共通・汎用業務
活用したデータ:文書・ナレッジ
採用したAI技術・ツール
採用したAI技術:テキスト・言語AI
AIモデル・ツール
連携ツール
連携したシステム・外部サービス
プロジェクト実施・導入企業
株式会社アーレスティ
出典・参考情報
導入事例|株式会社アーレスティ〜RAG活用で1,500名のナレッジ探索を効率化 製造業における未来のナレッジマネジメント実現へ〜
発行元:株式会社PKSHA Technology
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