実施 2025.08 ・ 更新 2026.08.17
生成AIハッカソンで1か月想定の検証を2日に短縮、デンソーテンの内製化
プロジェクト期間:半年未満
※イメージ画像です

取り組み概要
やさしく事例解説
プロジェクト解析
実施・導入企業
こんな方へおすすめのAI解説です
- 生成AIを何から始めるか分からない
- 技術検証に時間がかかりすぎる
- AI開発の力を社内に残したい
どのようなAIの取り組み?
社内ハッカソンと既存のひな形の活用で、1か月想定だった生成AIの実装検証を2日間で形にしたAI取り組み
業種
自動車部品製造(製造業)
取り組み領域
社内の生成AI開発・人材育成
使ったAI
生成AI/RAG(社内データを検索して回答に使う仕組み)
主な成果
1か月想定の実装イメージの具体化が2日間で実現
自動車部品メーカーのデンソーテンが、生成AIの業務活用を進める最初の一歩として、ヘッドウォータースのワークショップ型プログラム「生成AIハッカソン」を社内で実施した事例です。開発の土台にはMicrosoftが公開するひな形「azure-search-openai-demo」を使い、参加者はチームごとに、自分たちの業務に対応する一つのAIを組み立てました。手元のパソコンでの動作確認から実際のシステムへの公開、社内のFAQデータとの連携、チャット履歴の活用まで、開発の一連の流れを実際に手を動かしてたどる構成です。ヘッドウォータース側は見本アプリと技術資料を渡すだけにとどまらず、参加者のアイデアに合わせた設計支援と専門的な助言をその場で提供しました。自社だけでは1か月以上を要すると見込まれていた実装イメージの具体化は、2日間で形になっています。
出典:ワークショップ型プログラム「生成AIハッカソン」を提供し、デンソーテンによるマルチエージェント活用を想定した社内ハッカソンの運営支援を行いました。 - 株式会社ヘッドウォータース 発行元:株式会社ヘッドウォータース
やさしく事例解説
何に困って、AIを入れたのか
デンソーテンが最初にぶつかっていたのは、生成AIを業務に使いたいのに「何から手を付ければいいのか分からない」という、着手そのものの壁でした。視線の先には複数のAIが役割を分担し、社内データを検索しながら回答を組み立てるマルチエージェントRAGの構築がありましたが、そこへ自社単独で進もうとすると、実装イメージを固めて技術検証を終えるまでに最低1か月以上はかかると見積もられていました。
編集部の見立てでは、この1か月という数字が表していたのは技術力の不足ではなく、手戻りを含んだ試行錯誤の時間だったのではないでしょうか。何を作れば目的に近づくのかが定まらないまま調べ物と実装を往復する状態では、時間の多くが成果物ではなく判断の迷いに吸われます。困りごとの本質は、AIを作れるかどうかではなく、最初の一手の輪郭を描けないことにあったと考えられます。
どうやって、うまくいったのか
出発点にMicrosoft公開のひな形である「azure-search-openai-demo」を据えた設計が、まず効いています。白紙から組み立てるのではなく、すでに動く土台に触れながら自社の業務に合わせて手を入れる形にすれば、参加者が最初に向き合う問いは「どう作るか」ではなく「何を作りたいか」に変わります。技術的な足場を先回りして用意しておく進め方が、限られた時間を要件の具体化のほうへ振り向けさせたと読めます。
到達点を、一つの業務に対応するAI(シングルエージェント)の構築に絞り込んだ段階設計も見逃せません。最終的に見据えているのは複数のAIが連携する構成ですが、そこへいきなり挑めば、役割分担の設計や連携時の不具合といった論点が一度に押し寄せてしまう。まず一つを作り切る範囲に限定したことで、チーム単位で完成まで到達でき、次の段階を経験の上に構想できる状態が生まれました。難易度を下げたというより、学びの順序を組み替えた設計と言えます。
伴走の中身が資料や見本の配布にとどまらなかったことも、要因の一つに挙げられます。手元での動作確認、実際のシステムへの公開、FAQデータとの連携、チャット履歴の活用と、詰まりやすい工程を一通り踏ませたうえで、参加者のアイデアを汲んだ設計支援と専門的な知見をその場で返す形をとりました。つまずいた瞬間に答えが返る環境は、独学なら数日単位で止まりかねない箇所を短時間で通過させます。
具体的に、どんな成果が出たのか
改善・向上したこと
推進したこと
この事例で出た成果
自社単独では1か月以上かかると見込まれていた実装イメージの具体化が、2日間で形になりました。FAQ連携の実装では、ベンダーからの的確な助言が回答精度の向上につながっています。参加したメンバーは今後の実務で必要となるAI実装スキルを手ごたえとともに習得し、生成AI活用に向けた具体的な道筋が見えたと評価しました。得られたものが動くアプリだけでなく「次に何をすればよいか分かる状態」だった点に、この取り組みの性格がよく表れています。
うちでも使える?
応用が利きやすいのは、AIに読ませたい社内データがある程度まとまっている場合です。この事例で題材になったFAQは、質問と回答が対になって蓄積されているため、検索して回答に使う仕組みと相性がよく、短い日程でも手触りのある成果にたどり着けます。加えて、二日間まとまった時間を確保できる開発人員が社内にいることも前提になります。
一方、使いたいデータが紙や個人のフォルダに散っている、あるいは機密度が高くて社外の支援者と同じ環境では扱えないという状況では、同じ日程で同じところまでは進みません。データを整える工程が先に必要になり、そこは短期集中型の場では吸収しきれないためです。試すなら、自社のFAQや問い合わせ履歴のうち、社外の人と画面を並べて見ても差し支えない範囲はどこまでかを見極めるところから。題材の線引きが決まれば、こうしたプログラムが自社に合うかどうかの判断もつきます。
この事例は2025年8月時点の情報です。AI分野は変化が速いため、現在は同様の取り組みをより短い期間・少ない負担で実現できる場合があります。
プロジェクト解析
導入部門・データ活用
導入部門:全社共通・汎用業務
活用したデータ:文書・ナレッジ
採用したAI技術・ツール
採用したAI技術:テキスト・言語AI
AIモデル・ツール
プロジェクト実施・導入企業
株式会社ヘッドウォータース
AIソリューション事業を手がける企業。ワークショップ型プログラム「生成AIハッカソン」を提供し、Microsoft Azure上の生成AI関連サービスを活用した企業内のPoCから内製化、業務適用までを支援する。
株式会社デンソーテン
出典・参考情報
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