実施 2024.03 ・ 更新 2026.08.17
JR西日本が駅員の規則検索を生成AIで支援、実証実験へ向けたアプリ開発
※イメージ画像です

取り組み概要
やさしく事例解説
プロジェクト解析
実施・導入企業
こんな方へおすすめのAI解説です
- 規則やマニュアル探しに時間を取られている
- お客様を窓口で待たせてしまう
- 問い合わせ記録が改善に活かせていない
どのようなAIの取り組み?
駅員向けの生成AIアシスタントで営業規則や商品情報の検索を支援し、問い合わせデータの可視化までを組み込んで実証実験に向けた開発が進むAI取り組み
業種
鉄道事業(運輸・物流)
取り組み領域
駅の窓口業務/お客様対応
使ったAI
生成AIアシスタント(Azure OpenAI Service)
主な成果
実証実験に向けたアプリ開発に着手、対応時間の削減を期待
西日本旅客鉄道株式会社(JR西日本)は、駅員が窓口で対応する際に参照する営業規則や商品情報を、生成AIを介して即座に引き出せるアシスタント「Copilot for 駅員」の開発を進めています。開発を支援するのは株式会社ヘッドウォータースで、同社の生成AI基盤「SyncLect Generative AI」の上に、Azure OpenAI ServiceとMicrosoft Fabricを組み合わせた構成が採られました。狙いは検索の効率化だけにとどまりません。寄せられた問い合わせをエリアやカテゴリ、商品ごとに可視化し、改善点を分析・抽出する機能も組み込まれています。2024年3月から実証実験に向けたアプリ開発に着手し、対象となる駅やドキュメント、データ分析の範囲を段階的に広げていく計画です。
出典:JR西日本の生成AI「Copilot for 駅員」に対する開発支援を行っています - 株式会社ヘッドウォータース 発行元:株式会社ヘッドウォータース
やさしく事例解説
何に困って、AIを入れたのか
駅の窓口では、営業規則や商品情報が多岐にわたり、駅員が必要な記述にたどり着くまでに時間を要していました。その間、お客様は待たされることになります。さらに、日々寄せられる問い合わせの実績は十分に分析されず、営業制度や商品そのものの改善には結びついていませんでした。
編集部の見立てでは、ここでの本質は知識が足りなかったことではなく、答えがどこかに必ず書かれていると分かっているのに、目の前のお客様を待たせない短い時間のうちには取り出せない、という時間の制約にあったのではないでしょうか。加えて、問い合わせという現場ならではの情報が窓口で受け止められたまま制度側へ戻っていかない、片道の流れになっていたことも見逃せません。
どうやって、うまくいったのか
参照先を自社の営業規則や商品情報という社内データに絞り込み、その内容に基づいて回答を組み立てる構成をとった点が、この設計の要です。汎用の生成AIに一般的な知識を尋ねるのではなく、社内にある文書を検索したうえでAIが答えを作る仕組みを土台に置くことで、条文という形で正解がはっきり定まる領域を扱えるようにしています。誤った案内が運賃や取り扱いの間違いへ直結する窓口で使う以上、回答の根拠を自社の文書につなぎとめる判断は避けて通れなかったと考えられます。
検索と分析を同じ仕組みの両輪に据えた発想も特徴的です。問い合わせの内容をエリア、カテゴリ、商品といった切り口で可視化し、改善点を抽出する機能を持たせたことで、現場での一件一件の対応が、そのまま制度や商品を見直す材料として積み上がっていきます。窓口の時間短縮だけを狙うなら省いてもよい部分ですが、ここを当初から設計に含めた結果、使うほどに問い合わせを生む原因そのものへ手が届く構造になっているのではないでしょうか。
役割分担と進め方にも触れておきたいところです。ヘッドウォータースが言語処理の技術とSyncLect Generative AI、Azure OpenAI Service、Microsoft Fabricを組み合わせた技術構成を受け持ち、JR西日本側は現場の規則や問い合わせという固有のデータを持ち寄る形が採られました。そのうえで、導入する駅も対象ドキュメントも分析範囲も段階的に広げる計画とし、一斉展開ではなく実証実験から始める進め方が選ばれています。
具体的に、どんな成果が出たのか
改善・向上したこと
推進したこと
この事例で出た成果
2024年3月に実証実験へ向けたアプリ開発が始まった段階で、現時点で示されているのは着手と今後の拡大計画までです。お客様1人あたりの対応時間の削減による業務効率化と、サービス品質の向上は、これから検証される期待値として位置づけられています。導入する駅や対象ドキュメント、データ分析の範囲を順次広げる方針が示されており、効果の確認と適用範囲の拡大を並行させる想定と読み取れます。
うちでも使える?
応用が利きそうなのは、覚えるべき商品や決まりごとが多く、しかもお客様を前にして即答が求められる現場です。小売の店頭接客や、問い合わせが集中するコールセンターは条件が近いといえます。逆に、社内の取り決めが文書になっておらず先輩の口頭説明で回っている、あるいは改訂のたびに複数の版が混在しているような状態では、AIが参照する土台が定まらず、同じ構成を持ち込んでも思うような精度にはなりにくいでしょう。相談内容ごとに正解が一つに決まらない業務も、この形とは相性が異なります。
まず試すなら、窓口や電話で実際に交わされた問い合わせを数日分そのまま書き留め、手元の生成AIに社内文書を渡したうえで同じ質問をぶつけてみる。答えられたもの、答えられなかったものを仕分けるだけでも、自社の文書がAIに読める状態にあるかどうかが見えてきます。
この事例は2024年3月時点の情報です。AI分野は変化が速いため、現在は同様の取り組みをより短い期間・少ない負担で実現できる場合があります。
プロジェクト解析
プロジェクト内容
AI導入・支援形態
導入部門・データ活用
導入部門:全社共通・汎用業務
活用したデータ:文書・ナレッジ
採用したAI技術・ツール
採用したAI技術:テキスト・言語AI
AIモデル・ツール
連携ツール
連携したシステム・外部サービス
プロジェクト実施・導入企業
株式会社ヘッドウォータース
AIソリューション事業を手掛ける企業。LLM・RAGシステムに関する技術力を生かし、生成AI基盤「SyncLect Generative AI」上でAzure OpenAI ServiceやMicrosoft Fabricを連携させる開発支援を提供している。代表取締役は篠田庸介。
西日本旅客鉄道株式会社
出典・参考情報
JR西日本の生成AI「Copilot for 駅員」に対する開発支援を行っています - 株式会社ヘッドウォータース
発行元:株式会社ヘッドウォータース
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