実施 2024.04 ・ 更新 2026.08.17
東亜建設工業がTeamsに集約したAIヘルプデスク、全27部署への展開
※イメージ画像です

取り組み概要
やさしく事例解説
プロジェクト解析
実施・導入企業
こんな方へおすすめのAI解説です
- 社内からの質問対応で手が止まる
- 必要な資料がどこにあるか分からない
- 紙の稟議書の押印待ちが長い
どのようなAIの取り組み?
Microsoft Teams上に集約したAIヘルプデスクと決裁の電子化で、社内問い合わせの集中と紙のワークフローに向き合った取り組み
業種
総合建設業(建設)
取り組み領域
社内問い合わせ対応/稟議・ワークフロー
使ったAI
PKSHA AI Helpdesk(AIチャットボット)
主な成果
全27部署で運用を開始し、稟議書の決裁時間が格段に短縮
東亜建設工業が着手したのは、社内向けの問い合わせ窓口をAIに担わせる仕組みづくりです。同社はPKSHA Workplaceの「PKSHA AI Helpdesk」を選定しており、決め手になったのは、社内に定着していたMicrosoft Teamsと、作業を自動化するRPAツール「UiPath」につなげられる点でした。立ち上げにあたっては以前使っていたシステムのFAQデータを移行し、その後、全27部署へリリースしています。質問は匿名で投げられる形にし、特定の担当者へ問い合わせが集まる状態を避ける狙いを持たせました。並行してワークフローツール「AgileWorks」も導入し、紙で回していた稟議書などの決裁フローを電子化しています。
出典:導入事例|東亜建設工業株式会社〜Microsoft TeamsとUiPathとの連携でDXを実現!全27部署へのAIヘルプデスク導入で建設業の働きやすさ向上〜 発行元:株式会社PKSHA Workplace
やさしく事例解説
何に困って、AIを入れたのか
本社やシステム担当者に質問が集まり、人事労務に関する問い合わせは支店から本社へと渡り歩いて回答が遅れる。社内ネットワーク上に情報はあるのに、各支店のホームページに散らばっていて、自分で調べようとした従業員がたどり着けない。稟議書の決裁には最大20人の捺印が必要で、2週間を要していました。
編集部の見立てでは、この困りごとの本質は問い合わせの件数そのものではなく、「どこを見れば答えがあるか」という手がかりが一部の人の頭の中にしか無かった点にあります。情報が不足していたのではなく、置き場所が拠点ごとにばらけていたために、探す側が到達できない。そうなると従業員は探すより聞くほうが早いと判断し、質問は答えを知っている個人へ吸い寄せられます。支店から本社へのたらい回しも、拠点と本社に分かれた組織の形が、そのまま質問の経路として現れたものと読めるのではないでしょうか。
どうやって、うまくいったのか
効いたのは、質問の入口をMicrosoft Teamsという既存の場所に置いた設計だと考えられます。新型コロナウイルスの影響でTeamsの利用率が飛躍的に伸び、社内のやり取りの土台としてすでに定着していたところへ、AIヘルプデスクを重ねる形が取られました。新しい仕組みを入れるときの最初の壁は、多くの場合その機能ではなく「そこを開く習慣がない」ことにありますが、毎日開くアプリの中に窓口があれば、その壁は最初から立ち上がりません。選定理由としてTeamsとUiPathの連携が挙げられているのは、AIそのものの性能より、使われる場所に置けるかどうかを優先した判断と読み取れます。
匿名で質問できる仕組みも、質問者への配慮にとどまらず、負荷を散らす装置として働いたのではないでしょうか。誰が聞いたかが見えないということは、答える側にも「あの人の質問だから自分が引き受ける」という力学が働かなくなるということで、特定の担当者へ問い合わせが集中していく経路そのものが断たれます。聞きにくさを下げる効果と、属人化をほどく効果を、ひとつの設計で同時に取りにいった点が特徴的です。
立ち上げ方にも工夫がうかがえます。以前のシステムから既存のFAQデータを移行し、公開初日から答えを返せる状態をつくったことは、この種の仕組みにとって軽くない意味を持ちます。中身が薄いまま公開すると「聞いても答えが返ってこない」という第一印象が定着し、そこから利用を伸ばすのは難しくなるためです。さらに、AIヘルプデスクの展開と歩調を合わせて紙の決裁フローを電子化するワークフローツールを入れており、問い合わせを受け止める側だけでなく、問い合わせを生む業務プロセスの側にも同時に手を入れる構えになっています。
具体的に、どんな成果が出たのか
改善・向上したこと
推進したこと
この事例で出た成果
既存FAQの移行が滞りなく進んだことで、AIヘルプデスクは大きな混乱を招くことなく運用が始まりました。あわせて導入されたワークフローツールでは、稟議書の決裁にかかる時間が格段に短縮されるという成果が出ており、社内のペーパーレス化と業務再構築が大きく前進しています。一方で、人事労務に関する問い合わせは、詳しい担当者へ電話やメールで直接聞く文化が根強く残っており、利用率の向上が課題として残されました。今後はFAQの拡充による自動回答の精度向上と、社員への利用啓蒙が目指されています。
うちでも使える?
応用の余地が大きいのは、拠点や部署ごとに規定・マニュアルの置き場が分かれていて、答えは社内のどこかにあるのに探し当てられない、という状態にある組織です。この事例の勘所は高度なAIを用意したことよりも、すでに全員が毎日開いているツールの中に質問の入口を移したことにあり、その条件は社内コミュニケーションの基盤が一つに定まっている会社なら再現しやすいでしょう。
反対に、質問の中身が「自分の場合はどうなるのか」という個別判断を含む領域では、同じようには進みにくいと考えられます。この事例でも、人事労務の問い合わせは詳しい担当者へ直接聞く文化が残り、利用率の向上が課題として挙がっています。定型的な問い合わせが多い領域から始め、判断を伴う相談は人が受ける、と割り切って線を引けるかどうかが分かれ目になりそうです。
手始めに確かめたいのは、社内の誰かに質問を投げるとき、自社の従業員が実際にどのツールを開いているか。入口の場所が定まっていなければ、仕組みだけ用意しても人は集まりません。
この事例は2024年4月時点の情報です。AI分野は変化が速いため、現在は同様の取り組みをより短い期間・少ない負担で実現できる場合があります。
プロジェクト解析
プロジェクト内容
AIツール・サービスの提供形態
導入部門・データ活用
導入部門:全社共通・汎用業務
活用したデータ:文書・ナレッジ
採用したAI技術・ツール
採用したAI技術:テキスト・言語AI
AIモデル・ツール
連携ツール
連携したシステム・外部サービス
プロジェクト実施・導入企業
株式会社PKSHA Workplace
社内問合せ対応を自動化するAIヘルプデスク「PKSHA AI Helpdesk(AI ヘルプデスク)」などのAI SaaSを提供する企業。
東亜建設工業株式会社
出典・参考情報
導入事例|東亜建設工業株式会社〜Microsoft TeamsとUiPathとの連携でDXを実現!全27部署へのAIヘルプデスク導入で建設業の働きやすさ向上〜
発行元:株式会社PKSHA Workplace
掲載企業の方へ:本記事は公開情報をもとに作成しています。内容の修正・削除、または貴社確認のうえでの公式掲載をご希望の場合はこちらからご連絡ください。
