実施 2025.06 ・ 更新 2026.08.17
音声認識AIで書き起こしを自動化、残業を約50%削減した医療向けソフト会社
※イメージ画像です

取り組み概要
やさしく事例解説
プロジェクト解析
実施・導入企業
こんな方へおすすめのAI解説です
- 会議や通話の記録づくりに追われている
- ベテランのやり方が本人しか分からない
- 電話対応後の事務処理の時間が見えない
どのようなAIの取り組み?
音声認識AIで会議や顧客対応の書き起こしと要約を自動化し、残業時間を約50%減らしたAI取り組み
業種
医療向けソフトウェア開発(情報通信)
取り組み領域
コンタクトセンター/会議・顧客対応の記録
使ったAI
PKSHA Speech Insight(音声認識・要約AI)
主な成果
残業時間を約50%削減
医療向けソフトウェアの開発を手がけるユニケソフトウェアリサーチが、会議や顧客対応の音声を扱う業務にAIを取り入れた事例です。導入されたのは、PKSHA Communicationが提供するオペレーター業務高度化AIアシスタント「PKSHA Speech Insight」で、音声認識AIが通話や会議の内容を自動でテキストに変換し、要約機能が要点を抜き出す構成になっています。書き起こしの自動化だけで終わらせず、生成されたテキストを社内のナレッジとして蓄積し、共有する流れまで組み立てた点が特徴です。自前でのシステム開発を伴わず、SaaS(インターネット経由で利用するソフト)として短期間で使い始めています。記録作成にかかっていた手作業は大きく減り、残業時間は約50%低減しました。
出典:医療DXのユニケソフトウェアリサーチがコンタクトセンター業務高度化AI「PKSHA Speech Insight」を導入。残業時間50%削減 | 株式会社PKSHA Technologyのプレスリリース 発行元:株式会社PKSHA Technology
やさしく事例解説
何に困って、AIを入れたのか
繁忙期には残業が常態化するほど、会議や顧客対応の内容を手で書き起こす作業が積み上がっていました。コンタクトセンターでは、受電後に発生する処理、いわゆるアフターコールワークにどれだけ時間がかかっているのかを正確に測れず、改善策を検討する土台そのものが欠けていた状態です。加えて、経験を積んだ社員が持つ対応の勘所は本人の中にとどまり、新人育成の場面でも組織全体の効率化の面でも足かせになっていました。
編集部の見立てでは、これらは別々の困りごとに見えて、根は一つだったのではないでしょうか。会話としてやり取りされた情報が、その場で消えてテキストとして残らない。残らないから人手で起こす負担が生まれ、時間も測れず、共有する材料も揃わない。三つの症状は、同じ欠落から派生していたと読めます。
どうやって、うまくいったのか
音声を文字にするところで止めず、要約までを一続きの流れに組み込んだ設計が効いていると考えられます。書き起こしただけのテキストは、それ自体が長い読み物になり、読む手間という新しい負担を生みます。要点を抽出する工程を挟むことで、記録は「後で誰かが読む資料」から「すぐ使える情報」へ性質が変わります。手作業をそのまま機械に置き換えるのではなく、記録という業務の形を組み替えた点に、この取り組みの狙いが見えます。
生成されたテキストを社内のナレッジとして蓄積・活用するプロセスを別に組み立てたことも、成否を分けた要素でしょう。暗黙知の共有は、しばしば「ベテランに書いてもらう」という追加業務として設計され、そのために長続きしません。日々の顧客対応から自動的にテキストが生まれる仕組みであれば、共有のための材料は誰かの善意ではなく業務の副産物として溜まっていきます。明文化の負担を人から外したところが、この設計の要です。
システム開発を伴わないSaaS形式を選び、短期間で利用を開始した判断も見逃せません。書き起こしや要約のように、効果が現場の使い勝手で決まる領域は、机上で検討を重ねるより実際の音声を通したほうが早く答えが出ます。作らずに借りるという選択は、着手の敷居を下げると同時に、続けるか見直すかの判断を早める手段でもあったのではないでしょうか。
具体的に、どんな成果が出たのか
改善・向上したこと
この事例で出た成果
自動の書き起こしと要約が記録作成の手作業を肩代わりしたことで、残業時間は約50%近く低減しました。数字の裏側では、ベテランが抱えていた勘所が文章として見える形になり、組織内でのノウハウ共有が進んでいます。今後は蓄積された音声テキストを使ってFAQを充実させ、属人化のさらなる解消と一次解決率の向上を図る方針が示されています。医療分野特有の専門用語や高度な技術情報に対応する仕組みの整備、部門をまたいだ適用範囲の拡大も展望として掲げられています。
うちでも使える?
応用しやすいのは、会話が業務の中心にあり、その内容を記録として残す必要がある仕事です。営業訪問の報告、サポート窓口の対応履歴、社内会議の議事録など、話した内容を後から人が文字に起こしている工程があれば、置き換えの候補になります。逆に、判断の根拠が会話ではなく現場での目視や手触りにある業務では、音声を残しても肝心の情報は拾えません。また、この事例が医療分野の専門用語への対応を今後の整備項目として挙げているとおり、業界特有の語彙が多い領域では認識結果をそのまま使えるとは限らず、辞書の登録や調整に手間がかかる前提で見積もったほうが安全です。
試すなら、直近の会議か電話対応を一本だけ録音し、自動で作られた書き起こしと要約に人がどれだけ手を入れる必要があったかを確かめてみる。その修正量こそ、自社で実用に耐えるかどうかを判断する一番の材料になります。
この事例は2025年6月時点の情報です。AI分野は変化が速いため、現在は同様の取り組みをより短い期間・少ない負担で実現できる場合があります。
プロジェクト解析
プロジェクト内容
AIツール・サービスの提供形態
導入部門・データ活用
導入部門:全社共通・汎用業務
活用したデータ:音声・音響
採用したAI技術・ツール
採用したAI技術:テキスト・言語AI
AIモデル・ツール
プロジェクト実施・導入企業
株式会社PKSHA Technology
「未来のソフトウエアを形にする」をミッションに、自社開発した機械学習/深層学習領域のアルゴリズムを用いたAIソリューションの開発・AI SaaSの提供を行う企業。自然言語処理技術を用いた自動応答や、画像/動画認識、予測モデルなど多岐にわたる技術をベースに顧客の課題に合わせた解決策を提供する。グループ会社の株式会社PKSHA Communicationは、コンタクトセンターに最適化された複数のAI SaaSとAI Solutionを組み合わせた「AI Suite for Contact Center」の開発・提供を行う。東証プライム上場、資本金1000万円。
株式会社ユニケソフトウェアリサーチ
出典・参考情報
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