実施 2025.07 ・ 更新 2026.08.17
非エンジニアがAIで自動化ツールを自作、月768時間削減したネット企業
プロジェクト期間:半年未満
※イメージ画像です

取り組み概要
やさしく事例解説
プロジェクト解析
実施・導入企業
こんな方へおすすめのAI解説です
- AIを配っても現場で使われない
- 毎週のリスト作成や請求書発行が手作業
- 詳しい人がいなくて古いシステムを直せない
どのようなAIの取り組み?
AI検索ツールの全社導入と非エンジニア主導の自動化により、全社で月間768時間の業務削減に至ったAI取り組み
業種
インターネットサービス(情報通信)
取り組み領域
全社業務(営業・カスタマーサポート・開発)
使ったAI
AI検索ツール Perplexity Enterprise Pro、生成AI(Gemini、表計算のAI関数)
主な成果
全社合計で月間768時間の業務改善、活用率59%→92%
インターネットサービスを手がけるオズビジョンは、2025年5月にAIトランスフォーメーション推進室を設け、同年7月にPerplexity AI, Inc.とのパートナーシップ締結に伴って「Perplexity Enterprise Pro」を全社に導入しました。業務の性格に応じて複数のAIを使い分ける環境を整え、カスタマーサポート部門ではGoogleスプレッドシートのAI関数で問い合わせの分類から要約、原因の特定、返信文の作成までを自動化。営業部門では非エンジニアの担当者がPerplexityやGeminiにGoogle Apps Script(GAS)のコードを生成させ、新規リストへの企業情報入力や請求書作成を自動化しました。開発部門では機械学習の専門家が不在のまま、既存モデルのコード解説をAIに任せ、与信ツールの刷新に着手しています。導入から1カ月で活用率は59%から92%へ上がり、全社で月間768時間の業務改善に至りました。
出典:生成AI導入1カ月で利用率92%、月間768時間の業務改善 | 株式会社オズビジョンのプレスリリース 発行元:株式会社オズビジョン
やさしく事例解説
何に困って、AIを入れたのか
生成AIの活用を重要戦略に掲げていた一方で、現場からは「便利なのはわかるが、具体的に何に使えるのかわからない」という声が上がり、実際の利用は一部にとどまっていました。営業部門は新規リストの作成や請求書の発行といった手作業に毎週15時間を費やし、カスタマーサポート部門も問い合わせの分類や転記に月30時間を割いていました。開発部門では機械学習やクラウドに明るい人材がおらず、過去に作ったシステムに手を付けられない状態が続きます。
困りごとの正体は、ツールが足りないことではなく、自分の担当業務とAIにできることを結びつける「翻訳」を誰も担えていなかった点にあったと考えられます。手作業が濃く残る部門ほど自動化で得られるものは大きいはずなのに、そうした部門ほどITの知識が薄く、AIから遠い場所に置かれてしまう。このニーズと技能のねじれこそが、利用率の頭打ちを生んでいたのではないでしょうか。
どうやって、うまくいったのか
非エンジニアの担当者がAIにGoogle Apps Scriptのコードを書かせ、自分の手元の作業をそのまま自動化していった進め方が、この取り組みの中心にあります。AIの役割を「調べものに答える相手」から「実装を代わりに書く相手」へ移した点が効いたと見ています。自動化の対象が自分の担当業務なので、何を作りたいかを説明するのに翻訳者が要らず、動いたかどうかの判定も自分でできる。専門家に依頼して仕様を伝え、順番待ちをする工程がまるごと消えたことが、現場が自走できた条件だったと考えられます。
カスタマーサポート部門で採られた、GoogleスプレッドシートのAI関数を使う設計も見逃せません。問い合わせのカテゴリ分類、要約、原因の特定、返信文の作成という複数の判断を、担当者が日常的に開いている表計算シートの一連の流れの中に埋め込んでいます。新しい画面や操作を覚えさせるのではなく、既存の作業導線の上にAIを重ねた形で、これなら「使い始める」ための心理的な段差がほとんど生じません。
開発部門での使い方は、専門知識の穴を埋める発想が独特です。機械学習の専門家が不在という前提を変えないまま、既存モデルのコードをAIに解説させ、そこから改善方向の策定やコードレビューへつなげ、長く手つかずだった与信ツールの刷新に取り組んでいます。AIにゼロから作らせるのではなく、読めなくなっていた自社の資産を読めるようにする使い方であり、判断そのものは人が握り続けている。加えて、2025年5月にAX推進室という推進主体を先に立て、7月にPerplexity AI, Inc.とのパートナーシップに伴って全社導入する順序をとったことも、配って終わりにしない土台になったと考えられます。
具体的に、どんな成果が出たのか
改善・向上したこと
推進したこと
この事例で出た成果
全社導入からわずか1カ月で、生成AIの業務活用率は導入前の59%から92%へ上昇し、従業員の68%が「ほぼ毎日」使う状態になりました。業務削減はカスタマーサポート部門で月10時間、営業部門で月60時間、全社合計では月768時間に達し、与信ツールの刷新でも15%の業務改善効果が得られています。現場からは「他の業務にも活用できるのでは」という声が自然に上がるようになり、今後はAIエージェントの作成やAIを軸にした新規ビジネスモデルの創出へ広げていく方針です。習慣化の速さは、削減時間そのものと同じくらい重い成果と言えます。
うちでも使える?
応用が利きやすいのは、営業事務やバックオフィスのように、毎回ほぼ同じ手順で繰り返される作業が表計算ソフトや業務システムの上に積み上がっている職場です。この事例で自動化されたのは、リストへの企業情報入力や請求書の作成、問い合わせの分類といった、手順を言葉で説明できる作業でした。逆に、案件ごとに手順が変わり、担当者の頭の中にしか進め方がないような業務では、AIに渡す説明そのものが作れず、同じようには進みません。
もう一つ考えておきたいのが、作った後の面倒を誰が見るかです。非エンジニアが書かせたスクリプトが増えると、書いた本人が異動した後に誰も直せない、という詰まり方が起こり得ます。外部のAIサービスに顧客情報を含む問い合わせ内容を渡してよいかという線引きも、先に決めておきたいところ。
まずは、毎週決まった曜日に同じ画面を開いて繰り返している作業を一つ選び、その手順を口頭で説明する調子でAIに伝えて、短いスクリプトを書かせてみる。動いたら、その一件を社内で見せてしまうのが早道です。
この事例は2025年7月時点の情報です。AI分野は変化が速いため、現在は同様の取り組みをより短い期間・少ない負担で実現できる場合があります。
プロジェクト解析
プロジェクト内容
AIツール・サービスの提供形態
導入部門・データ活用
導入部門:全社共通・汎用業務
活用したデータ:文書・ナレッジ
採用したAI技術・ツール
採用したAI技術:テキスト・言語AI
AIモデル・ツール
連携ツール
連携したシステム・外部サービス
プロジェクト実施・導入企業
株式会社オズビジョン
東京都渋谷区に本社を置くサービス業企業。代表取締役は鈴木良、資本金3000万円、未上場。ハピタス事業部・アドソリューション事業部・プロダクト開発部などを擁し、「AIを活用してビジネスプロセスや企業文化を革新し、企業の生産性向上と競争力強化を図る」AXミッションを掲げて生成AIの活用・業務効率化を推進。2025年5月にAIトランスフォーメーション推進室(AX推進室)を設置し、Perplexity AI, Inc.とパートナーシップを締結している。
出典・参考情報
生成AI導入1カ月で利用率92%、月間768時間の業務改善 | 株式会社オズビジョンのプレスリリース
発行元:株式会社オズビジョン
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