実施 2021.11 ・ 更新 2026.08.17
三菱UFJニコスが電話応対にAI音声応答、現場主導で築いた24時間体制
プロジェクト期間:半年〜 1年
※イメージ画像です

取り組み概要
やさしく事例解説
プロジェクト解析
実施・導入企業
こんな方へおすすめのAI解説です
- 営業時間外の電話に応えられない
- 問い合わせが増えて人手が足りない
- 決まりきった電話対応に手を取られる
どのようなAIの取り組み?
電話を受けて応答するAI(音声自動応答システム)で、夜間や休日を含む24時間の支払いサポート体制を築いた事例
業種
クレジットカード事業(金融)
取り組み領域
コールセンター/支払いに関する電話応対
使ったAI
AI音声自動応答システム(COTOHA Voice DX Premium)
主な成果
夜間・休日を含む24時間の支払いサポート体制を実現
クレジットカード事業を手がける三菱UFJニコスは、支払いに関する電話応対を担うカスタマーズセンターに、AIによる音声自動応答システムを導入しました。進め方は二段構えで、まずSMSやメールでの入金案内、自動架電システム、Webサイト上の自己解決サポートを整え、そのうえで音声応答のAI化に着手しています。ツールは複数ベンダーを比較したうえでNTTドコモビジネスの「COTOHA Voice DX Premium」を採用。過去の問い合わせ履歴から24個のFAQを選び、それに紐づく数百のテストシナリオを現場のオペレーター自身が作り込むという手順を踏み、夜間や休日も止まらない受電体制が整いました。
出典:導入事例 三菱UFJニコス株式会社 | NTTドコモビジネス 法人のお客さま 発行元:NTTドコモビジネス
やさしく事例解説
何に困って、AIを入れたのか
キャッシュレス決済の広がりとともに、支払いに関する入電は増え続け、繁忙期にはすべてのお客様に応対しきれない懸念が生じていました。オペレーターが電話を受けられる時間帯にも、当然ながら限りがあります。
ただ、困りごとの芯は入電の多さそのものではなく、入金案内が届くかどうかが「カードを使えるか使えないか」という顧客の生活に直結していた点にあると考えられます。一般的な問い合わせ窓口なら、翌営業日に折り返して済む用件も少なくありません。しかし支払いの連絡は、滞った時点で利用できないという具体的な不利益が発生します。人の勤務時間に縛られた受付体制のままでは、夜間や休日に生まれた「今すぐ払っておきたい」という声を取りこぼし続ける構造でした。増員だけでは埋めきれない時間軸のずれこそが、本当の課題だったのではないでしょうか。
どうやって、うまくいったのか
シナリオの設計と品質チェックをシステム部門任せにせず、現場のオペレーターが主体となって担った運用体制が、この取り組みの中核にあります。過去の問い合わせ履歴から24個のFAQを絞り込み、それぞれに数百のテストシナリオをぶら下げていく作業は、顧客が実際にどんな言い方で用件を切り出すかを知っている人でなければ精度が出ません。同じ用件でも言い回しは人によって大きく振れるからです。応対の現場感覚をそのままAIの判断材料へ流し込んだこの分担が、机上の想定では拾いきれない発言のばらつきに耐える設計を生んだと見ています。
いきなり音声のAI化へ飛ばず、SMSやメールでの入金案内、自動架電、Webでの自己解決サポートを先に整備した順番も効いています。文字や自己解決で片づく用件を先に別の受け皿へ逃がしておけば、音声AIが向き合う範囲はおのずと狭くなる。対象を24個のFAQに限定できたのは、この地ならしがあったからでしょう。守備範囲を欲張らなかった設計判断です。
ツール選定で、目先の機能比較よりも将来のPCI DSS(カード情報を扱う事業者に求められる国際的なセキュリティ基準)準拠やデータベースの暗号化への対応余地、既存の音声網との全体最適を評価軸に据えた点も見逃せません。カード事業の窓口は、扱う情報の性質上、運用開始後にセキュリティ要件が積み上がることが避けにくい領域です。応答精度だけを基準に選んでいれば、要件が増えた時点で作り直しを迫られる可能性もありました。土台の拡張性から逆算する選び方が、長く使い続けられる仕組みを支えていると考えられます。
具体的に、どんな成果が出たのか
改善・向上したこと
推進したこと
この事例で出た成果
夜間や休日を含めた24時間体制での支払いサポートが実現し、受付時間の制約に縛られない受電体制が整いました。現場の知見を反映させたシナリオによって、実際の顧客の発言バリエーションに即した精度の高い自動応答が可能になっています。金融機関に求められる高い信頼性と、24時間対応の両立。この二つを同時に成立させた点が、本プロジェクトで最も高く評価されている部分です。
うちでも使える?
応用しやすいのは、問い合わせの中身がある程度パターン化していて、かつ「今すぐ済ませたい」という顧客側の時間的な切迫がある業務でしょう。支払い、予約変更、配送状況の確認といった、待たせること自体が不利益になる用件は、24時間の自動応答と相性が良いはずです。過去の履歴を見て、上位に集まる問い合わせが数十件程度に収まるなら、この事例と似た絞り込み方が使えます。
一方で、顧客ごとに事情が異なり、その場の判断や交渉が必要になる相談は、シナリオに落とし込むこと自体が難しくなります。本事例のように数百のテストシナリオを現場が作り込むには相応の工数もかかるため、応対にあたる人員がその作業時間を確保できるかどうかも現実的な分かれ目です。
まずは自社の電話ログから、直近で最も多かった用件を20件ほど並べ、そのうち「決まった案内を返すだけで完結するもの」に印を付けてみるところから。印の数が、AI化に踏み出せるかどうかの目安になります。
この事例は2021年11月時点の情報です。AI分野は変化が速いため、現在は同様の取り組みをより短い期間・少ない負担で実現できる場合があります。
プロジェクト解析
プロジェクト内容
AIツール・サービスの提供形態
導入部門・データ活用
導入部門:全社共通・汎用業務
活用したデータ:文書・ナレッジ
採用したAI技術・ツール
採用したAI技術:テキスト・言語AI
AIモデル・ツール
連携ツール
連携したシステム・外部サービス
プロジェクト実施・導入企業
三菱UFJニコス株式会社
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