実施 2025.09 ・ 更新 2026.08.17
NTTデータMSEの社内AIヘルプデスク、問い合わせ対応工数を最大70%削減
プロジェクト期間:半年未満
企業規模:1,000人以上
※イメージ画像です

取り組み概要
やさしく事例解説
プロジェクト解析
実施・導入企業
こんな方へおすすめのAI解説です
- 社内の情報がどこにあるか分からない
- ベテランの経験頼みで新人が動けない
- 社内からの問い合わせ対応で手が止まる
どのようなAIの取り組み?
部門ごとに散らばっていた社内情報をAIヘルプデスクへ集約し、問い合わせ対応や運用の工数を最大70%削減した取り組み
業種
組込みソフトウェア開発(IT・ソフトウェア)
取り組み領域
社内ヘルプデスク/ナレッジ管理
使ったAI
AIヘルプデスク「Helpfeel」(社内情報検索)
主な成果
問い合わせ対応・運用工数を最大70%削減
約2,000人が働く組込みソフトウェア開発の会社で、5つの事業部門とコーポレート部門配下の14部門がそれぞれ別々に社内情報を抱えていた状態を、全社共通のヘルプデスクへまとめ直した取り組みです。採用されたのは株式会社Helpfeelが提供するAIヘルプデスク「Helpfeel」で、各部門のイントラページや共有フォルダから情報を抜き出し、重複を整理・統合しながら記事の形に整えていきました。情報を整える作業は部門ごとに順を追って進めた一方、使う側は初動から全社員に開放。「MSEコンシェルジュ」と名付けてイントラトップに導線を置き、会議の場でも周知しています。運用面ではHelpfeelのカスタマーサクセスが伴走し、月1回の定例会で利用データをもとに改善を回す体制が組まれました。
出典:導入事例-株式会社NTTデータMSE|2,000人の“暗黙知”をAIで資産化。情報基盤刷新で利用率2倍、最大7割の業務効率化を実現|株式会社Helpfeel(ヘルプフィール) - AIヘルプデスク・自己解決AI 発行元:株式会社Helpfeel
やさしく事例解説
何に困って、AIを入れたのか
社内申請の方法を調べるのに半日かかった――中途入社者や出向者から寄せられたこの声が、取り組みの出発点になっています。情報そのものが欠けていたわけではありません。イントラページ、チャットボット、PDFファイルと、部門ごとに違う置き場所と違う形式で、情報は確かに存在していました。
編集部の見立てでは、困りごとの本質は情報の不足ではなく、「どの部門の、どの形式を当たればよいか」という前提知識を持つ人だけが答えにたどり着ける構造にあったのではないでしょうか。ベテランが暗黙知で解決できてしまう状態は、一見すると組織が回っている証拠にも見えます。しかし実際には、入口が19部門分に分かれている不便さを、個人の記憶が肩代わりしていたにすぎません。その肩代わりが効かない中途入社者や出向者に負担が集中して初めて、問題が声として表面化したという順序も見逃せない点です。
どうやって、うまくいったのか
情報を整える側は部門ごとに小さく始め、使う側は初動から全社員に開く。この非対称な立ち上げ方が、設計の中心に置かれています。全部門の情報が揃うまで公開を待つ進め方は安全に見えますが、その間に現場の関心は薄れ、整備はプロジェクト側だけの作業として孤立していきます。先に全社へ開いたことで「自分の部門の情報がまだない」という不足感が利用者の側から可視化され、記事を足してほしいという要求が関係部門へ向かう流れが生まれました。
集めた情報をそのまま並べるのではなく、重複を整理・統合したうえで一定のフォーマットの記事に作り直した点も効いています。同じ内容が部門ごとに少しずつ違う形で残っていると、集約したあとも読み手はどれが正しいのか判断できず、結局は誰かに聞くという行動が戻ってきます。チャットボットやFAQを持たなかった部門には担当者をアサインして記事作成を依頼しており、ナレッジ整備を有志の善意ではなく担当業務として位置づけたことは、継続性の面で重い意味を持つ判断だったと考えられます。
運用ノウハウの不足を外部の型で補った判断も、この事例の固有性が出ているところです。Helpfeelのカスタマーサクセスによる伴走支援を受け、月1回の定例会で利用データを分析しながら改善を回す体制が、稼働と同時に用意されました。公開時点の完成度で勝負するのではなく、使われ方を見ながら育てる前提に運用の軸足を移した構えといえます。「MSEコンシェルジュ」という呼びやすい名称とイントラトップの導線も、社内ツールが埋もれて忘れられる典型的な失敗を避けるうえで、地味ながら実効性のある一手でした。
具体的に、どんな成果が出たのか
改善・向上したこと
推進したこと
この事例で出た成果
導入から半年で、全社員の60%以上が新しいAIヘルプデスクを使う状態になっています。従来のチャットボットの利用率が5〜25%だったことと並べると、使われる仕組みへの転換がはっきり数字に出た形です。社員の自己解決が進んだ結果、各事業部門の問い合わせ対応や運用にかかる工数は最大70%削減され、年間では社員2名分程度の工数に相当する効果が生まれました。現場からは情報が圧倒的に早く見つかるようになったという評価が挙がり、社内のプロジェクトアワードも受賞しています。今後はデータ分析に基づく不足記事の補完、PDF内の該当部分へ直接たどり着ける機能の検討、重要な情報を確実に届けるプッシュ型の通知連携が進められる方針です。
うちでも使える?
相性がよいのは、答え自体はすでに文書として存在しているのに、置き場所と形式が部門ごとに分かれている組織です。合併や組織再編でシステムが並立している会社、申請手続きや制度の問い合わせが繰り返し発生している会社であれば、集約と記事化の効き方は近いものになるでしょう。
一方で、同じやり方がそのまま効かない場面もあります。この事例が扱ったのは社内申請のように答えが一つに定まる情報であり、顧客ごとに条件が変わる案件情報や、判断の理由が誰の頭にも文書にも残っていない領域では、集めても記事に落とし込めません。また、記事を書く担当者を部門ごとに置けない体制では、公開直後の不足感は協力ではなく不信に変わります。まず確かめたいのは、直近で二度以上同じ質問を受けた社内問い合わせを一つ選び、その答えがどこに書かれているかを実際に探してみること。探すのに手間取るようであれば、この事例と同じ入口の問題を抱えている可能性が高いといえます。
この事例は2025年9月時点の情報です。AI分野は変化が速いため、現在は同様の取り組みをより短い期間・少ない負担で実現できる場合があります。
プロジェクト解析
プロジェクト内容
AIツール・サービスの提供形態
導入部門・データ活用
導入部門:全社共通・汎用業務
活用したデータ:文書・ナレッジ
採用したAI技術・ツール
採用したAI技術:テキスト・言語AI
AIモデル・ツール
連携ツール
連携したシステム・外部サービス
プロジェクト実施・導入企業
株式会社Helpfeel
AIヘルプデスク・自己解決AI「Helpfeel」を提供する企業。代表取締役は洛西一周。京都オフィス(本社)と東京オフィスを構える。
株式会社NTTデータMSE
出典・参考情報
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