実施 2025.01 ・ 更新 2026.08.17
KDDIが生成AIで広告画像を自動生成、デザイン工数50%削減をβ版で確認
※イメージ画像です

取り組み概要
やさしく事例解説
プロジェクト解析
実施・導入企業
こんな方へおすすめのAI解説です
- ベテラン頼みの制作から抜け出したい
- デザイン案づくりに時間を取られている
- 配信データを次の広告に生かせていない
どのようなAIの取り組み?
生成AIとクリック率の予測モデルを組み合わせ、ブランド指針に沿った広告画像づくりの工数をβ版テストで半減させたAI取り組み
業種
電気通信事業(情報通信)
取り組み領域
広告クリエイティブ制作/デジタルマーケティング
使ったAI
画像生成AIとKPI予測モデル
主な成果
β版テストでデザイン考案の工数を50%削減
携帯電話事業を手がけるKDDIが、オンライン広告のバナー画像を生成AIでつくる仕組みを、AI開発を手がける株式会社Recursive、広告運用とシステム開発を担うSupership株式会社との協業で開発しました。利用者はバナーサイズやブランド種別といった条件と素材画像を打ち込むだけで、社内のデザイン規定である「au VISUAL IDENTITY」に沿った画像が出力されます。あわせて、過去の広告配信実績データからクリック率を予測するモデルを組み込み、数十種の案から良質なものを自動で選び出して提示する構成としました。デジタルマーケティングおよび広告業務でβ版テストを実施したところ、デザイン考案にかかる工数が半分になっています。
出典:一貫したブランドイメージを表現する広告クリエイティブ生成AIシステムを開発 | KDDI News Room 発行元:KDDI株式会社
やさしく事例解説
何に困って、AIを入れたのか
オンライン広告の画像制作では、視聴態度や配信先プラットフォームの特性に合わせて素早く手を打つ必要がある一方、ロゴの扱いやブランドカラーの規定を守りながらブランドの価値観に沿った表現を選ぶ作業には、専門的な知見を持つ担当者の工数が集中していました。案を採用するかどうかの判断もデザイナーやプランナーの経験則に頼りがちで、手元にある過去の配信実績データが判断に生かされない状態が続いていました。
編集部の見立てでは、この困りごとの本質は作業量の多さではなく、良し悪しを決める基準が個人の頭の中にしか存在しなかった点にあります。ブランドに沿っているかという規範の側も、効果が見込めるかという実績の側も、どちらも言葉や数字の形で外に出ていない。だから人手を足しても品質はそろわず、データがあっても使いどころが分からないという二重の詰まりが生じていたのではないでしょうか。
どうやって、うまくいったのか
ブランド規定をAIプラットフォーム側のデフォルトプロンプトとして作り込み、利用者の操作から切り離した設計が、まず効いています。利用者に求められるのはバナーサイズやブランド種別の指定と素材画像の投入、そしてブランドが定義する付加価値の選択までで、規定をどう解釈するかは仕組みが引き受けます。守るべき原則を人が覚えて当てはめる形から、原則が入った状態で生成が始まる形へ順序を入れ替えたわけで、知識の有無が成果物の差になりにくい構造が生まれています。
生成する機能と、良い案を選ぶ機能を別々に用意した点も見逃せません。画像生成AIは案を数多く出せますが、数十種を前にすれば今度はどれを採るかという負担が生まれます。ここに過去の配信実績データからクリック率を予測するモデルを置き、自動で絞り込んでから利用者に見せる流れにしたことで、生成量の多さが負担ではなく選択肢の広さとして働くようになったと考えられます。判断の根拠を経験則から自社に蓄積されたファーストパーティデータへ移したことが、この二段構えの要でしょう。
AIの作り込みと、それを日常業務で回すための土台づくりを、それぞれ得意な相手に配分した進め方も要因に挙げられます。RecursiveがAIプラットフォームのカスタマイズとデフォルトプロンプト、KPI予測モデルの開発を担い、Supershipが全体の進行管理に加えてWebアプリケーション、インフラ基盤、データパイプライン、操作画面の設計と実装を担当しました。過去の配信実績を予測モデルへ流し込む経路と、専門家でなくても迷わない操作画面がなければ、モデルの精度は現場の使い勝手には変換されません。
具体的に、どんな成果が出たのか
改善・向上したこと
推進したこと
この事例で出た成果
デジタルマーケティングおよび広告業務でのβ版テストでは、平面構成やフォント・画像の選定といったデザイン考案にかかる業務工数が50%削減されました。ブランド管理に詳しくない担当者でも原則に沿った制作ができる状態になり、KPI予測モデルによって業務習熟度にかかわらず均質で精度の高い判断が可能となる、データに基づく業務の平準化にもつながっています。今後はKDDIグループの自社業務への展開を進めつつ、将来的な法人顧客へのサービス提供も視野に検討が進められています。
うちでも使える?
応用しやすいのは、守るべき表現のルールが文書として存在し、かつ制作物の結果が数字で残っている業務です。厳格な規定のもとで販促物を作る領域や、多店舗で同じ体裁の店頭ツールを大量に用意する領域とは、相性が良いはずです。反対に、規定が明文化されておらず担当者の感覚でしか判断されていない場合や、一点物の制作が中心で過去実績と今回の条件を並べて比べられない場合は、この構成をそのまま持ち込んでも予測モデルが働きにくいでしょう。とりわけ、クリック率のような共通の物差しを持たない制作物では、選別の自動化は成り立ちません。
最初の一歩としては、直近で採用した案と見送った案を数点ずつ並べ、その分かれ目を一文で説明できるか試してみるあたりが手頃です。説明できた部分はプロンプトに書き移せる規則であり、説明できなかった部分こそが、いま属人化している中身。
この事例は2025年1月時点の情報です。AI分野は変化が速いため、現在は同様の取り組みをより短い期間・少ない負担で実現できる場合があります。
プロジェクト解析
プロジェクト内容
AI導入・支援形態
導入部門・データ活用
導入部門:マーケティング
活用したデータ:文書・ナレッジ
採用したAI技術・ツール
採用したAI技術:画像AI
AIモデル・ツール
連携ツール
連携したシステム・外部サービス
プロジェクト実施・導入企業
株式会社Recursive
AIの研究開発およびサステナビリティに関連するソリューションの提供を行う企業。本事例では、au VISUAL IDENTITYを画像生成に自動反映できるよう独自のAIプラットフォームをカスタマイズしたAIシステムの開発、デフォルトプロンプト開発、広告配信実績データに基づくKPI予測モデルの開発、AI活用全般のコンサルティングを担当した。
KDDI株式会社
出典・参考情報
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