2026.05.19 最終更新
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こんな課題を持つ企業におすすめの事例です
六甲バターの主力製品である「ベビーチーズ」は年間2億本以上生産されており、2019年に新設された神戸工場では生産性向上と省人化が重要なテーマとなっていました。
従来は充填機の出口で検査員が目視による外観検査を行っていましたが、1分間に500個という猛スピードで流れる製品を長時間チェックするには多大な集中力を要し、検査員の熟練度によって精度が左右されるという課題を抱えていました。 そこで同社は、検査業務を自動化して精度を高め、同時に省人化を実現するため、AIによる製品外観検査装置の開発に着手することを決定しました。
六甲バターは清水建設と共同で、1レーンにつき2台のカメラを設置し、個包装されたベビーチーズの5面を撮影して良否を判定するAI検査システムを構築しました。開発の過程では、充填直後のチーズが柔らかく形状が変わりやすいという特性から、ラインから排出される前に急いで不良品のラベル付けを行うなど、現場での地道なデータ収集作業が求められています。
また、アルミ包装材の光沢や影がAIの学習に悪影響を及ぼすという課題にも直面しました。この問題に対しては、モノクロカメラからカラーカメラへの変更やレンズの調整を繰り返し、その都度学習用データセットを作り直すという細やかなチューニングを実施しています。
さらに、これまで検査員ごとに異なっていた品質基準を標準化し、明確な数値基準を設ける取り組みも行われました。これにより、AIが正確に判断できる精度の高い学習モデルを、同社主導で作り上げることに成功しています。
改善・向上したこと
業務の自動化
人手不足の解消
生産性向上
品質・安全性向上
推進したこと
システムへのAI機能組込み
AI活用の社内展開・定着
六甲バターでは、2022年10月に1号機で目標を達成したことを皮切りに、複数台の生産装置へAI検査装置の横展開を進めています。その結果、目視確認を担当する検査員の数を従来の約4分の1にまで削減することに成功しました。
検査業務から外れたスタッフは、機械の運転や調整業務を学び、オペレーター補助としてスキルアップを果たしています。これにより、AIが不良判定を出した際にも、迅速に装置の不具合に気づいて対応できる体制が構築されました。
同社は今後、生産機器の劣化具合を検知して部品交換のタイミングを予測する「予知保全」へのAI活用も検討しており、さらなる生産体制の効率化を目指していく構えです。
製造
外観検査・不良品検知
数値・Excel・ログ
品質検査・測定データ
画像・動画・3D
製品・部品画像
採用したAI技術
画像AI
外観検査・検品・異常検知
その他のツール
構築・利用したデータ基盤・インフラ
エッジデバイス・IoT機器
WarpBiz編集部の事例考察
本事例の成功の最大の要因は、現場責任者が多大な労力をかけて「何が良品で何が不良品か」という明確な基準を定め、精度の高い学習データセットを自社主導で作り上げた点にあります。このように現場の知見をAIの学習に直接反映させるアプローチは、食品製造業に限らず、外観検査や品質管理を行うあらゆる製造現場で応用可能です。ただし、対象物の特性(柔らかさや光沢など)によるデータ収集の難しさや、機材変更に伴うデータセットの再構築といったハードルには注意が必要です。現場の泥臭い運用体制がAI導入の鍵となる好例ですので、ぜひ他の製造業の事例記事もご覧ください。
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