実施 2024.04 ・ 更新 2026.08.17
20万品番の在庫を2週間で可視化、パナソニックEW社のAI需要予測
※イメージ画像です

取り組み概要
やさしく事例解説
プロジェクト解析
実施・導入企業
こんな方へおすすめのAI解説です
- 拠点ごとにデータの形式がバラバラ
- 在庫の全体像の把握に時間がかかる
- 欠品と過剰在庫を繰り返している
どのようなAIの取り組み?
拠点ごとに散らばっていた在庫・部品データを統合し、20万品番を超える可視化と機械学習による需要予測に取り組んだAI取り組み
業種
電設資材製品製造(製造業)
取り組み領域
サプライチェーン/在庫管理・需要予測
使ったAI
Fujitsu Kozuchi AutoML(機械学習モデルの自動生成)
主な成果
20万品番超の在庫部品の紐付けと可視化を2週間で実現
パナソニック株式会社エレクトリックワークス社は電設資材製品を幅広く扱い、国内外に多数のサプライヤーと工場を抱えています。事業部・部門・拠点がそれぞれ異なる形式で製品や部品の情報を管理していたため、全社横断での状況把握に時間がかかっていました。同社は富士通株式会社のオペレーションプラットフォーム「Fujitsu Data Intelligence PaaS」を採用し、既存システムを改修せずに、国内外3,000社以上の拠点に散在するデータを集約しています。あわせて富士通のAIサービス「Fujitsu Kozuchi AutoML」で、過去5年分の主要部品の販売実績から300種の予測モデルを生成し、部品カテゴリーごとに需要を見通す体制を整えました。結果として、20万品番を超える在庫部品の紐付けと可視化が2週間で完了しています。
出典:データとAIを活用し、パナソニックEW社様のレジリエントな供給網の構築を実現 : 富士通 発行元:富士通株式会社
やさしく事例解説
何に困って、AIを入れたのか
電設資材は品目の数が多く、サプライヤーも工場も国内外に広がります。その一つひとつの情報が、事業部や部門、拠点という単位で別々の形式のまま抱えられていたことが、この取り組みの出発点でした。災害が起きたときに、どの拠点のどの部品が止まり、それがどの受注に響くのかを短い時間では把握できない。将来の労働力不足を見据えた供給網づくりにも着手しにくい。そうした行き詰まりが重なっていた状態です。
編集部の見立てでは、ここでの困りごとの本質はデータが足りないことではなく、同じ部品を指しているはずの情報が、拠点をまたいだ途端に同じものとして扱えなくなる点にあったのではないでしょうか。情報自体は手元にある。けれども突き合わせるための共通の鍵がないため、全社の絵を描こうとするたびに人手での照合が必要になります。把握の遅さは、その照合コストが姿を変えて表れたものだったと考えられます。
どうやって、うまくいったのか
うまく運んだ最初の分岐点は、既存の業務システムに手を入れずにデータを統合する方式を選んだところにあります。国内外3,000社以上という拠点の広がりを前提にすると、システム側をひとつずつ作り替える道は、着手前の調整だけで長い時間を吸い取りかねません。統合の負荷を各拠点ではなく基盤側に引き受けさせた設計は、現場に「まず自社のシステムを直してほしい」と求めずに済む点で、合意形成の速さにも効いたと考えられます。
データを集める工程と、それを業務で使う工程を切り離さなかった構成も見逃せません。統合・蓄積・可視化・業務システムまでをひとつの基盤の上に載せる進め方は、基盤はできあがったのに現場の画面には届かない、という分断を起こしにくくします。災害時に受注案件ごとの影響や事業全体の損益への響き方まで追える形になっているのは、可視化の出口を業務判断の単位に寄せて設計したからではないでしょうか。
需要予測の側では、部品カテゴリーごとにモデルを分けた設計が効いています。全社をひとつのモデルで賄おうとせず、Fujitsu Kozuchi AutoMLで300種に及ぶ予測モデルを短時間で生成する進め方は、動き方の異なる部品群それぞれに合った予測を持たせる狙いだったと読めます。学習の材料に選ばれたのが新たに集め直したデータではなく、統合済みの過去5年分の販売実績である点も実務的で、データ基盤の構築とAI活用が別々の投資に分かれずに接続されています。
具体的に、どんな成果が出たのか
改善・向上したこと
推進したこと
この事例で出た成果
既存システムの改修を伴わない進め方により、20万品番を超える在庫部品の品番紐付けと可視化が、2週間という短期間で実現しています。全拠点の在庫と発注の情報が一元的に見えるようになり、部品調達計画や拠点ごとの在庫状況を全社レベルで掌握できる状態になりました。災害時にも、受注案件ごとの影響と事業全体の損益への波及を素早くつかんで生産・供給体制の維持を判断でき、AIによる高精度な需要予測と組み合わせることで、供給停止リスクを避ける動的な供給網の構築につながっています。
うちでも使える?
応用が利きやすいのは、同じ種類のデータを拠点や部門ごとに別々の形式で持ち、なおかつ過去の実績がある程度の年数分たまっている組織です。多店舗を展開する小売や、広域の物流網を持つ事業のように、在庫と需要が場所ごとに動く領域とは相性がよいでしょう。逆に、拠点をまたいで同じモノを同じモノと判定するための鍵、つまり品番や商品コードにあたる情報が整っていない場合は、統合そのものより前段の名寄せに時間を取られます。需要が過去の傾向と断絶している商材や、実績の記録粒度が拠点ごとにばらついている領域でも、予測モデルは力を出しにくいはずです。
はじめの一歩は、主要な部品や商品をひとつ選び、二つの拠点の台帳でその表記がどれだけ揃っているかを見比べてみること。全社の統合を構想する前に、たった二拠点を突き合わせるだけでも、自社が名寄せにどれほどの手間を要する組織なのかは見えてきます。
この事例は2024年4月時点の情報です。AI分野は変化が速いため、現在は同様の取り組みをより短い期間・少ない負担で実現できる場合があります。
プロジェクト解析
プロジェクト内容
AI導入・支援形態
AIツール・サービスの提供形態
導入部門・データ活用
導入部門:全社共通・汎用業務
活用したデータ:数値・Excel・ログ
採用したAI技術・ツール
採用したAI技術:AIモデル・構築手法
AIモデル・ツール
連携ツール
連携したシステム・外部サービス
プロジェクト実施・導入企業
パナソニック株式会社エレクトリックワークス社
出典・参考情報
データとAIを活用し、パナソニックEW社様のレジリエントな供給網の構築を実現 : 富士通
発行元:富士通株式会社
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