実施 2025.08 ・ 更新 2026.08.17
三菱UFJ銀行が金融特化AIエージェントを日本初選定、面談前後の営業支援へ
※イメージ画像です

取り組み概要
やさしく事例解説
プロジェクト解析
実施・導入企業
こんな方へおすすめのAI解説です
- 顧客情報が部署ごとにばらばら
- 提案の下準備に時間を取られる
- 担当者によって提案の質に差
どのようなAIの取り組み?
既存のCRM基盤と直結する金融業界向けAIエージェントを日本で初めて選定し、面談の前後で営業担当者を支える体制づくりに取り組んだ事例
業種
銀行業(金融)
取り組み領域
営業活動/顧客対応
使ったAI
金融業界向け自律型AIエージェント(Agentforce for Financial Services)
主な成果
提案品質の向上と業務効率の改善を見込む
三菱UFJ銀行は、顧客データを一つにまとめて営業に生かすため、金融機関向けのCRM(顧客情報を管理する仕組み)であるSalesforceのFinancial Services Cloudを導入してきました。その取り組みを加速させる手段として選ばれたのが、株式会社セールスフォース・ジャパンが提供する金融業界向けの自律型AIエージェント「Agentforce for Financial Services」です。日本での選定は同行が初めてとなります。過去の営業履歴や顧客データをそのまま扱えること、既存のCRMと標準で結びつく即応性が決め手となりました。適用は、面談前の顧客インサイトの提示、面談中のリアルタイムなフォロー、面談後の担当者向けフォローアップという三つの場面から進んでいます。データ分析基盤やシステム連携基盤も組み合わせ、行員の新しい働き方を支える環境が並行して整えられています。
出典:三菱UFJ銀行、日本で初めてSalesforceの金融業界向けAIエージェント「Agentforce for Financial Services」を選定 - Salesforce 発行元:株式会社セールスフォース・ジャパン
やさしく事例解説
何に困って、AIを入れたのか
顧客の情報は行内に蓄積されているのに、営業の現場でそれを十分に生かしきれない。同行がCRMの刷新に踏み切った出発点には、データの一元化と有効活用という課題がありました。加えて、担当者の業務効率を上げることと、提案の品質を高めることを同時に成立させたいという、向きの異なる二つの要求も抱えていたわけです。
編集部の見立てでは、ここでの本質的な困りごとは、データが不足していたことではありません。蓄積された履歴や属性を「目の前の一件の面談に効く材料」へ読み替える工程が、担当者個人の時間と経験に委ねられたままだった点にあります。この翻訳作業は表に出にくく、成果としても計上されにくい。だからこそ、忙しい担当者ほど省略せざるを得ず、効率と提案品質が同時に削られていく構造が生まれます。データ基盤を整えただけでは、この最後の一歩は埋まらなかったのではないでしょうか。
どうやって、うまくいったのか
既存のCRMとネイティブに統合できることを選定の軸に据えた判断が、この取り組みの土台になっていると考えられます。金融業界のニーズに特化したAIエージェントを、すでに使っている顧客管理基盤の上でそのまま動かせるかどうか。ここを重視すれば、営業履歴や顧客データをAI用に別の場所へ移し替える必要がなく、データが分断されるリスクを抱え込まずに済みます。日々更新される顧客情報を扱う業務では、この即応性がそのまま提示される内容の鮮度に直結します。
適用先を、面談前・面談中・面談後という営業の時間軸で切り分けた設計も見逃せません。営業活動をひとまとめの塊として自動化しようとすると、どこから手を付ければよいのかが曖昧になりますが、面談という具体的な出来事を軸に区切れば、それぞれの場面で必要な支援がはっきりします。前は材料の準備、最中は補助、後は次の行動の整理と、役割が明確に分かれる。担当者を置き換えるのではなく協働させる前提を置いたことで、現場が使い方を理解しやすい形に落とし込まれています。
データ分析基盤のTableauをCRM導入の当初から使い、システム連携基盤のMuleSoftを組み合わせるという順序立ても、この設計を支えています。AIに読ませる前段として、散在するシステムのデータをつなぐ経路と、状況を可視化して次のユースケースを判断する手段を先に用意しておく。アジャイル運営で適用範囲を広げていく進め方は、この二つが揃って初めて成り立つものです。
具体的に、どんな成果が出たのか
改善・向上したこと
推進したこと
この事例で出た成果
営業現場で必要な顧客情報に瞬時にアクセスできる体制が整い、データの有効活用が進んだことで、提案品質の向上と業務効率の大幅な改善が見込まれています。より迅速で付加価値の高い顧客体験を提供できるようになることが期待される段階です。今後は行内での活用範囲を段階的に広げ、CRM上で実行する業務領域を拡充していく方針が示されています。効果を一度に求めず、使える場面から順に増やす前提が置かれている点は、評価の仕方としても現実的です。
うちでも使える?
顧客と面談を重ねながら提案の精度が問われる仕事、たとえば保険や不動産の営業、法人向けのソリューション営業などでは、同じ発想が応用しやすいはずです。条件は二つあります。一つは、面談の履歴や顧客の状況がすでに一つのシステムに集まっていること。もう一つは、そのシステムとAIが標準で結びつく構成を選べることです。この二つが揃わないまま個別に連携を作り込むと、データの移し替えに手間が集中し、鮮度の利点が失われかねません。
逆に、商談の記録が担当者の手元のファイルや個人のメモに散らばっている状態では、AIが読む材料そのものが不足します。日々の活動データを正確に入力し蓄積する習慣を現場に根づかせることが、実は最初の関門です。まずは直近の面談を数件だけ取り上げ、事前準備でどんな情報を探し、どこから引っ張ってきたのかを記録してみる。その経路がシステム内で完結しているかどうかが、応用可能性を測る最初の目盛りになります。
この事例は2025年8月時点の情報です。AI分野は変化が速いため、現在は同様の取り組みをより短い期間・少ない負担で実現できる場合があります。
プロジェクト解析
プロジェクト内容
AIツール・サービスの提供形態
導入部門・データ活用
導入部門:全社共通・汎用業務
活用したデータ:数値・Excel・ログ
採用したAI技術・ツール
採用したAI技術:AIモデル・構築手法
AIモデル・ツール
連携ツール
連携したシステム・外部サービス
プロジェクト実施・導入企業
株式会社セールスフォース・ジャパン
あらゆる規模の企業がエージェンティック エンタープライズへと変革することを支援する企業。人とAIエージェント、アプリケーション、データを信頼性の高い単一のプラットフォームへ統合し、成長とイノベーションを実現する。金融業界向けには自律型AIエージェント「Agentforce for Financial Services」やCRM「Financial Services Cloud」を提供している。
株式会社三菱UFJ銀行
出典・参考情報
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