実施 2025.09 ・ 更新 2026.08.17
ラルフ ローレンの対話型AI接客、曖昧な言葉から全身コーデを提案する仕組み
※イメージ画像です

取り組み概要
やさしく事例解説
プロジェクト解析
実施・導入企業
こんな方へおすすめのAI解説です
- キーワード検索で欲しい商品にたどり着けない
- オンラインだと接客の質が落ちる
- 客ごとの好みに合わせた提案ができない
どのようなAIの取り組み?
マイクロソフトとの協業で、曖昧な相談から全身のコーディネートを提案する対話型のAI接客を立ち上げたAI取り組み
業種
アパレル小売(小売・EC)
取り組み領域
オンライン接客/商品検索
使ったAI
対話型スタイリングAI「Ask Ralph」(自然言語検索エンジン)
主な成果
会話から全身コーディネートを提案する接客体験を提供
アパレル大手のラルフ ローレンが、マイクロソフトとの協業で、対話しながら服選びを手伝うAI「Ask Ralph」を立ち上げました。基盤に据えたのは、マイクロソフトが開発したパーソナライズ型のショッピングエージェント(買い物を支援するAI)の初期バージョンで、自然言語検索エンジンが利用者の言葉を読み解きます。自社アプリ上で「金曜日の夜のコンサートに着ていく服」「ネイビーのブレザーの着こなし方」といった、ニュアンスを含む相談を入力すると、AIが意図を解釈し、Polo Ralph Laurenの在庫から全身のコーディネートやスタイリングの助言、贈り物の案を視覚的に提示します。さらに、利用者のトーンや満足度、意図を読み取って提案を動的に組み替える機能も組み込まれています。
出典:Ralph Lauren redefines shopping with Microsoft AI–powered styling companion Ask Ralph | Microsoft Customer Stories 発行元:Microsoft
やさしく事例解説
何に困って、AIを入れたのか
オンラインで服を探すとき、利用者は自分の欲しいものを商品名や色といったキーワードに置き換えて入力し、検索と絞り込みを繰り返す試行錯誤を強いられてきました。一方でラグジュアリー領域の顧客は、一人ひとりに合わせた接客や個別の提案を求めています。
編集部の見立てでは、ここでの困りごとは検索精度の不足というより、顧客の頭の中にある「その日の予定」や「なんとなくの気分」を、そのままの形で受け取る入口が用意されていなかったことにあります。店頭であれば「明日の食事会に着ていくもの」と伝えるだけで会話が始まりますが、オンラインでは同じ相談を単語に分解し直さなければ検索が始まらない。欲しいものを言語化し切れていない段階の顧客ほど、購入へ進みにくい構造だったのではないでしょうか。
どうやって、うまくいったのか
効いているのは、「金曜日の夜のコンサートに着ていく服」のような、そのままでは検索窓に入れにくい相談を、翻訳させずに受け取る入口を設けた設計です。自然言語検索エンジンが意図の解釈を引き受けるため、利用者の側で条件を分解する作業が発生しません。曖昧さを利用者に埋めさせるのではなく、AI側の仕事として引き取る役割分担へ置き換えた点が、この仕組みの起点になっていると考えられます。
もう一つの柱は、解釈した意図をPolo Ralph Laurenの在庫に結び付け、全身のコーディネートとして視覚的に返す構成です。助言を言葉で返すだけのAIであれば、利用者は結局その内容を手がかりに商品を探し直すことになりますが、提案と実在の商品が最初からつながっていれば、相談から選択までが一続きになります。贈り物の案まで同じ入口で扱えるようにしているところからも、用途ごとに導線を分けない発想がうかがえます。
利用者のトーンや満足度、意図を読み取って提案を組み替える機能は、一度の回答で当てにいく設計から意識的に距離を置いた判断として注目できます。服選びの相談は、提示されたものを見て初めて自分の好みが言語化される性質があり、反応を次の提案へ反映できるかどうかが体験の質を左右します。加えて、土台にマイクロソフトのショッピングエージェント初期版を採用し、ブランド側は自社の在庫や世界観に沿った提案づくりへ寄せる分担がとられています。
具体的に、どんな成果が出たのか
改善・向上したこと
推進したこと
この事例で出た成果
オンラインでありながら、店舗のスタイリストに相談しているような、摩擦の少ない提案体験が得られるようになっています。キーワードの照合にとどまらず、文脈を踏まえた精度の高い提案が成立している点が、この取り組みで生まれた変化です。ラルフ ローレンは、今後もAIを通じて買い物体験をより魅力的で直感的なものへ進化させていく方針を示しています。
うちでも使える?
応用が利きやすいのは、顧客の要望が「用途」や「場面」の形で語られ、その答えを自社の商品や在庫の組み合わせで表現できる領域です。インテリアや旅行の行程づくりのように、正解が一つに定まらず、提案の幅そのものが価値になる商材とは相性がよいと考えられます。
反対に難しいのは、商品データや画像が整っておらず、AIが読み取った意図を実際の商品へ着地させられない場合です。取り扱い点数が少なく、組み合わせの余地が乏しい商材でも、対話にする意味は薄くなります。独自の語り口を持つブランドほど、AIの言葉づかいが世界観からずれるリスクとも向き合うことになります。
手始めに、自社サイトの検索窓へ、顧客が普段口にするままの言い方で相談文を打ち込んでみてください。そこで何も出てこないなら、その部分こそAIに解釈させたい領域。
この事例は2025年9月時点の情報です。AI分野は変化が速いため、現在は同様の取り組みをより短い期間・少ない負担で実現できる場合があります。
プロジェクト解析
プロジェクト内容
AI導入・支援形態
導入部門・データ活用
導入部門:マーケティング
活用したデータ:数値・Excel・ログ
採用したAI技術・ツール
採用したAI技術:テキスト・言語AI
AIモデル・ツール
連携ツール
連携したシステム・外部サービス
プロジェクト実施・導入企業
Microsoft
「地球上のすべての個人とすべての組織が、より多くのことを達成できるようにする」をミッションに掲げるテクノロジー企業。AIを活用したショッピング領域の技術開発でも顧客企業を支援している。
Ralph Lauren
出典・参考情報
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