実施 2023.02 ・ 更新 2026.08.17
Glicoグループの社内問い合わせ31%削減、非IT部門が回すAIチャットボット
※イメージ画像です

取り組み概要
やさしく事例解説
プロジェクト解析
実施・導入企業
こんな方へおすすめのAI解説です
- 社内からの質問対応で本来の仕事が止まる
- 資料が散らばっていて探し出せない
- IT担当でなくても回せる仕組みが欲しい
どのようなAIの取り組み?
人事や総務の担当者が自らFAQを管理できるAIチャットボットを社内ポータルに置き、サービスデスクへの問い合わせを約31%減らしたAI取り組み
業種
食品製造(メーカー)
取り組み領域
社内問い合わせ対応/サービスデスク
使ったAI
AIチャットボット「Alli」(Allganize Japan)
主な成果
サービスデスクへの問い合わせを約31%削減
食品メーカーのGlicoグループは、全社の業務棚卸しを通じて、バックオフィス部門で社内からの問い合わせ対応が重い負担になっている実態をつかみました。そこで「従業員が自分で不明点を調べられる環境の構築」と「問い合わせ対応工数の30%削減」を目標に掲げ、Allganize Japan株式会社が提供するAIチャットボット「Alli」を採用します。人事や総務といった非システム部門の担当者がExcelでFAQを用意し、OneDriveの指定フォルダへ置けば更新できる運用フローを整え、そこからAlliへの取り込みは、MicrosoftのPower Automate(決まった作業を自動実行するRPAツール)が毎日決まった時刻に代行する形にしました。あわせて「チャボット」という愛称を付け、業務PCの入れ替えに合わせて案内シールを配布するなど、社内に根づかせるための手も打たれています。
出典:■導入事例■【Glicoグループ様】30%の社内問い合わせ対応を削減。顕在化したバックオフィスの課題を「Alli」で解決 発行元:Allganize Japan株式会社
やさしく事例解説
何に困って、AIを入れたのか
出発点は、全社で業務を棚卸ししたときに、バックオフィス部門の時間が社内からの問い合わせ対応に大きく食われていると判明したことでした。各部署がそれぞれに社内ポータルを作っていたため情報は分散し、検索性も低い。とりわけ新入社員は、どこを見ればよいかの見当すら立たない状態に置かれていました。
編集部の見立てでは、ここでの本質は問い合わせの多さそのものではなく、「探すより人に聞いたほうが速い」という判断が、社員にとって正しくなってしまっていた点にあります。自分で調べる習慣が育たなかったのは意識の低さというより、情報の置き場が部署単位に分かれたまま束ねられていなかった構造の帰結ではないでしょうか。担当者に一言尋ねれば数分で片づくのなら、検索を早々に諦めるのはむしろ合理的な行動であり、その合理性を裏返さない限り、問い合わせは減らない性質の課題だったと考えられます。
どうやって、うまくいったのか
効いたのは、ツール選定の基準を機能の多さではなく「誰が運用し続けられるか」に置いた判断です。人事や総務の担当者自身がFAQを作成・管理でき、完全に内製で回せることを最大の決め手にしたこの選び方は、ナレッジの中身を最もよく知る人と、それを更新する人を一致させます。しかもFAQの元データはExcelで用意し、置き場はOneDriveの指定フォルダという、日々使い慣れた道具の延長に運用を寄せた。新しい操作を覚えさせない設計が、担当者の腰の重さを取り除いたと見ています。
Power Automateで毎日定時にFAQデータをAlliへ自動アップロードする仕組みも、単なる省力化以上の意味を持ちます。ここで分けられたのは「何を書き換えるかを決める仕事」と「反映する作業」で、前者は各部門に残し、後者は機械に預けた格好です。この切り分けにより、更新が誰かの手空き時間に左右されなくなる。回答の鮮度が落ちれば使われなくなるチャットボットにとって、メンテナンスが続く構造をつくれたことは決定的だったのではないでしょうか。
利用者側の動線と心理に手を入れた点も見逃せません。社内ポータルのトップ画面にAlliを置いたことで、調べ物の起点に自然と現れる位置取りが確保されました。加えて「チャボット」という愛称や、業務PCの入れ替えという全員が必ず通るタイミングに合わせた案内シールの配布は、告知一回で終わらせず、思い出す機会を業務の流れの中に埋め込む工夫といえます。
具体的に、どんな成果が出たのか
改善・向上したこと
推進したこと
この事例で出た成果
システム部門では、年間1万3,000件以上発生していた電話やメールによるサービスデスクへの問い合わせが約31%減り、掲げていた30%削減という目標を達成しました。数値と並んで注目したいのは、「まずはチャボットに聞いてみよう」という自己解決の姿勢が社内に広がりつつあるという変化です。今後はFAQの手入れを続けて満足度を高めるとともに、システム専用のAIチャットボットを新設する計画も進められています。
うちでも使える?
応用が利きやすいのは、答えが文章で書ける問い合わせが繰り返し寄せられている領域です。人事や総務、経理のように、規程やマニュアルに基づいて同じ質問が何度も来る業務であれば、更新の担い手が現場にいるという条件も満たしやすいでしょう。逆に、個別事情の聞き取りや交渉、その場の判断を伴うやり取りが中心の窓口では、FAQに落とし込める範囲が狭く、同じ効果は見込みにくくなります。
もう一つ、見落とされがちな前提があります。この事例で自動化されたのは更新の反映作業であって、何を書くかを決める役割は各部門に残されている点です。ある業務の情報について「この内容はこの部署が責任を持つ」と言い切れない状態のまま導入すると、初期のFAQを作った時点で更新が止まりかねません。まず試すなら、自部門への質問で直近もっとも多かったものを3つだけ選び、それぞれの回答を誰が書き、誰が直し続けるのかを決めてみる。ツールの検討は、その担い手が見えてからでも遅くはありません。
この事例は2023年2月時点の情報です。AI分野は変化が速いため、現在は同様の取り組みをより短い期間・少ない負担で実現できる場合があります。
プロジェクト解析
プロジェクト内容
AIツール・サービスの提供形態
導入部門・データ活用
導入部門:全社共通・汎用業務
活用したデータ:文書・ナレッジ
採用したAI技術・ツール
採用したAI技術:テキスト・言語AI
AIモデル・ツール
連携ツール
連携したシステム・外部サービス
プロジェクト実施・導入企業
Allganize Japan株式会社
AIチャットボット「Alli(アリィ)」(Alli LLM App MarketのFAQ機能)を提供する企業。導入時および運用開始後の定期的なヒアリングや改善提案などのカスタマーサクセス支援も行う。
江崎グリコ株式会社(Glicoグループ)
出典・参考情報
■導入事例■【Glicoグループ様】30%の社内問い合わせ対応を削減。顕在化したバックオフィスの課題を「Alli」で解決
発行元:Allganize Japan株式会社
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