実施 2024.05 ・ 更新 2026.08.17
セガサミーの生成AIで玩具のデザイン案が100倍、アンケート分析も内製化
※イメージ画像です

取り組み概要
やさしく事例解説
プロジェクト解析
実施・導入企業
こんな方へおすすめのAI解説です
- 新商品のアイデア出しが人手頼み
- 自由記述アンケートの集計が重い
- 分析を外注していて費用がかさむ
どのようなAIの取り組み?
自社製品の画像を学習させた画像生成AIとアンケート分析用の生成AI環境を社内に整え、デザイン案の量と顧客の声の読み解きを同時に押し上げたAI取り組み
業種
玩具製造(製造・エンタテインメント)
取り組み領域
商品デザイン企画/アンケート分析
使ったAI
自社製品画像を学習した画像生成AIと、アンケート分析用の生成AI
主な成果
デザイン案の生成数が従来の100倍に増加
セガサミーホールディングスは、自社製品の画像を学習させた画像生成AIと、アンケートの自由記入欄まで扱える分析用の生成AI環境を構築し、グループで玩具事業を担うセガ フェイブ Toysカンパニーへ展開しました。画像生成側は既存デザインを踏まえた改善案を短時間で幅広く出す役割を担い、分析側は数万件規模の回答から意見とその背景にある感情を抽出・分類し、製品改善案の提案までを一つの流れでこなします。実務で使えるかどうかは、自社製品「動く絵本プロジェクター Dream Switch」を題材にした実証実験で検証が進められました。
出典:AI×エンタメでさらなる感動体験を創出!!玩具のデザイン案・アンケート集計にAIを導入|ニュースリリース|セガサミーホールディングス 発行元:セガサミーホールディングス株式会社
やさしく事例解説
何に困って、AIを入れたのか
玩具のデザイン案づくりとアンケートの集計・分析は、Toysカンパニーの製品開発工数のおよそ20%を占めていました。自由記入欄に集まる大量の意見については、主観やバイアスを排した精緻な読み込みが求められ、社内で抱えきれない分は外部への発注でまかなわれていました。
編集部の見立てでは、ここでの本質は作業量そのものよりも、案の幅と分析の客観性が担当者一人ひとりの時間と力量に縛られていた点にあります。案出しは時間をかけた分だけ広がり、分析は読み手が変われば結論も揺れる。開発判断の土台になるはずの材料が、その時々の余力次第で変わってしまう構造だったのではないでしょうか。
どうやって、うまくいったのか
汎用のモデルに任せきりにせず、自社が持つ既存製品の画像を学習させたうえで案を出させる設計が、この取り組みの核にあります。既存デザインを踏襲した改善案という形で出力の方向をあらかじめ絞れば、大量に生成しても検討の俎上に載せられる案が残ります。デザイナーの立ち位置を、ゼロから発想する側から、出てきた案を選び磨く側へ移す組み立てとも言えます。
アンケート側では、意見の抽出と分類で止めず、その背景にある感情の読み取りから製品改善案の提案までを一つのシステムに通した点が効いていると考えられます。分析結果を人が改めて解釈し直す工程が挟まらないぶん、読み手の主観が入り込む余地が構造的に小さくなります。数万件という規模の回答を前提に機能を組んだことも、外へ出していた工程を社内へ戻す判断を支えたはずです。
環境をつくる主体と使う主体を分けた進め方も見逃せません。ホールディングス側が生成AI環境の構築を引き受け、玩具事業を担うToysカンパニーが実務で回す。しかも検証の題材に「動く絵本プロジェクター Dream Switch」という実在の製品を据えており、机上の試用ではなく実際の開発対象で有用性を確かめる形になっています。
具体的に、どんな成果が出たのか
改善・向上したこと
推進したこと
この事例で出た成果
画像生成AIの活用により、生成されるデザイン案の数は従来の100倍に増えました。デザイナーは幅広い案を土台に、より洗練されたデザインを仕上げるコア業務へ時間を振り向けられるようになっています。アンケート分析では、主観やバイアスを排した信頼性の高いデータが社内システムだけで得られるようになり、外部発注を挟まない迅速な分析が可能となって、約80%の効率化に至りました。今後は全社や海外のグループ会社への展開も見据えられています。
うちでも使える?
応用の可否を分けるのは、学習や分析の材料が自社にどれだけ溜まっているかです。過去製品の画像が一定量あり、新作がその延長線上で企画される消費財やアパレル、あるいは自由記述の回答やレビューが継続的に集まるサービス業なら、近い形が成り立ちやすいでしょう。
逆に、一点ごとに設計が変わる受注品や、過去の意匠を踏襲しないこと自体が価値になる領域では、既存画像を学習させる旨みは薄くなります。回答が数十件程度で担当者が読み切れてしまう規模なら、分析の自動化より読み方の統一を先に整えるほうが近道です。自社データを学習させる以上、権利面やセキュリティに配慮した閉じた環境をどう用意するかも避けて通れません。
まず試すなら、直近のアンケート1回分の自由記述をAIに分類させ、担当者が手で読んだ結果と突き合わせてみる。ずれた箇所こそ、これまで主観が入り込んでいた場所です。
この事例は2024年5月時点の情報です。AI分野は変化が速いため、現在は同様の取り組みをより短い期間・少ない負担で実現できる場合があります。
プロジェクト解析
プロジェクト内容
AI導入・支援形態
導入部門・データ活用
導入部門:全社共通・汎用業務
活用したデータ:帳票・紙の資料
採用したAI技術・ツール
採用したAI技術:テキスト・言語AI
AIモデル・ツール
プロジェクト実施・導入企業
セガサミーホールディングス株式会社
「自社製品画像を学習した画像生成AI環境」および「アンケート分析機能を有した生成AI環境」を構築し、グループ会社である株式会社セガ フェイブ Toysカンパニーへ展開した企業。
出典・参考情報
AI×エンタメでさらなる感動体験を創出!!玩具のデザイン案・アンケート集計にAIを導入|ニュースリリース|セガサミーホールディングス
発行元:セガサミーホールディングス株式会社
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